11/3米国株式市場は続伸。200日線も回復、米雇用統計が期待を正当化。

経済ニュース相場分析

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11/3(金)の株価

 前日比(%)
日経平均休場
ダウ平均34,061.32ドル+0.66
S&P5004,358.34ドル+0.94
ナスダック13,478.28ドル+1.38
ラッセル20001,760.70ドル+2.71
米10年国債4.575-1.70
恐怖指数(VIX)14.91-0.75

3日の米国株式市場は、3指数共に続伸。200日線も回復、米雇用統計が期待を正当化。

3日の米国株式市場は3指数共に続伸。ダウ平均は5日続伸。

取引開始前に発表された米雇用統計が予想を下回る内容となったことが好感されている。本日の上げで200日線も回復し、今週は2022年10月以来の好調な週となった。

非農業部門雇用者数(NFP)は15.0万件と予想を下回り、失業率も1ポイント悪化。平均時給も前月比で伸びが落ちついた。今週のFOMCでパウエルFRB議長は追加利上げの可能性は残したものの、これまでの利上げと足元の利回り上昇の影響を確認したいムードも滲ませていた。それ以降市場にはハト派な雰囲気が広がっており、短期金融市場では12月の追加利上げはないと見ている。90%の確率で据え置きを予想。本日の米雇用統計はその雰囲気を裏付ける結果となった。

本日の米雇用統計はまた、株式市場にとって都合の良い数字とも受け止められており、「インフレと金利のプレッシャーをいくらか取り除くものであると同時に、中立的な雇用増加率(約10万人増)を上回る堅調な労働市場を反映してもいる」との指摘も出ている。

米国債利回りが大幅に低下する中で、IT・ハイテク株も買いが強まったが、アップル<AAPL>はマイナス圏での推移が続いた。前日引け後に決算を発表し、4四半期連続の減収となったほか、注目されていた中華圏の売上高が予想に届かなかったこと、そして、マックの売上が予想を下回ったことも嫌気されている。ホリデーシーズンの10-12月期の売上高が昨年並を見込んでいる点も嫌気された模様。

米雇用は予想以上に伸び鈍化、広範囲の業種で減速-失業率上昇

  • 10月の雇用者数は前月比15万人増、市場予想の18万人増を下回る
  • 失業率は予想外に3.9%へと上昇、約2年ぶりの高水準

10月の米雇用者数は予想以上に伸びが鈍化し、失業率はほぼ2年ぶりの高水準となった。労働者に対する雇用主の旺盛な需要が冷え込みつつある兆候を示した。

  賃金の伸びも縮小した。

10月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比15万人増エコノミスト予想の中央値は18万人増前月は29万7000人増(速報値33万6000人増)に下方修正家計調査に基づく10月の失業率は3.9%市場予想は3.8%9月は3.8%

過去1年の労働供給の改善と労働需要の緩和により、雇用市場は緩やかに正常化してきたが、今回の統計はやや亀裂が生じ始めていることを示唆している。

最も顕著なのが失業率の上昇で、これまで雇用主が総じて回避してきたレイオフが増加していることがうかがえる。家計調査によると、職を失った、または臨時雇用を終えた人が20万人余り増加した。

業種別ではヘルスケアと社会扶助、政府部門が雇用の伸びをけん引したが、その他の業種は低い伸びまたはマイナスとなった。製造業の雇用は3万5000人減少したが、これは主に全米自動車労組(UAW)のストライキを反映している。だが、労使協議はその後、暫定合意に至っているため、打撃は一時的なものになるだろう。

個人消費と経済全般を支える雇用市場の軟化が続けば、米経済がリセッション(景気後退)に陥ることなく、高金利による逆風を乗り切れるのかとの懸念が高まりそうだ。

インディード・ハイヤリング・ラボの経済調査責任者、ニック・バンカー氏は「今回の雇用統計は、ソフトランディング(軟着陸)に向けた労働市場の緩やかな緩和とも、より厄介な景気悪化の始まりという可能性とも整合する」と指摘した。

労働者への需要後退は賃金の伸びを下押ししている。平均時給は前月比0.2%上昇。前年同月比では4.1%上昇と、2021年半ば以降で最も小幅な伸びとなった。労働力人口の大半を占める非管理職の賃金は2カ月連続で0.3%増となった。

最近の傾向とは異なり、労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は労働供給の減少を受けて62.7%に低下した。25-54歳の労働参加率は男性が主導する格好で、半年ぶりの水準に落ち込んだ。

アナ・ウォン氏ら、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト陣は「10月の雇用統計は、求職者にとっては一様に失望を誘うものだが、米金融当局にとってはインフレ率を目標の2%に戻す上で心強い内容となった。最大の注目点は失業率の上昇であり、これは非農業部門雇用者数の著しい伸び鈍化と過去分の大幅な下方修正を上回るものだ」と指摘している。

雇用者数の伸び縮小に加え、賃金の上昇ペース鈍化と労働時間の減少が重なり、労働市場の健全性を示す広範な指標である労働所得は停滞の水準を示した。さらに、手取り賃金に関する指標は2022年初め以降で最大の減少となった。

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