6/2米国株式市場は続伸。米雇用統計は強弱まちまち、7月利上げの可能性にシフト。

経済ニュース相場分析

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6/2(金)の株価

前日比(%)
日経平均31,524.22円+1.21
ダウ平均33,762.76ドル+2.12
S&P5004,282.37ドル+1.45
ナスダック14,546.64ドル+0.73
ラッセル20001,830.91ドル+3.56
米10年国債3.697+2.52
恐怖指数(VIX)14.60-1.05

2日の米国株式市場は、3指数共に続伸。米雇用統計は強弱まちまち、7月利上げの可能性にシフト。

2日の米国株式市場は、3指数共に続伸。

この日発表になった米雇用統計はまちまちの内容となった。非農業部門雇用者数(NFP)は33.9万人増と予想を上回り、労働市場の強さを示したが、失業率が3.7%に上昇し、平均時給も落ち着きを示した。

米債務上限問題は法案が上院で可決され、成立はほぼ間違いなさそうな情勢。バイデン大統領が明日署名する意向のようだ。そのような中、市場の関心はFRBの動向に移っている。きょうの米雇用統計はFRBのもう一段の追加利上げが正当化される内容ではあるが、6月については一旦停止し、ひとまず様子見というシナリオを市場は有力視している模様。短期金融市場での6月据え置きの確率は現時点で70%程度で推移している。

市場はむしろ、7月利上げの可能性にシフトしているようで、確率は現時点で70%弱といったところ。翌日物金利スワップ(OIS)市場では7月までの0.25%ポイントの利上げを現時点で85%程度まで織り込む動き。

また、きょうの米雇用統計を受けてソフトランディングのシナリオへの期待も出ていたようだ。

きょうの市場は物色に広がりが出ており、IT・ハイテク株のみならず、産業や銀行、エネルギーなど景気敏感株にも買いが広がった。ただ、エヌビディア<NVDA>は反落し、その他の人工知能(AI)関連株も利益確定売りに押された。

ダウ平均は本日の上げで200日線を上放れる展開を見せており、来週以降、12月高値の3万4712ドル、そして、3万5000ドルを目指す展開になるか注目される。

米雇用者数は予想上回る、賃金鈍化-強弱まちまちで利上げ休止か

  • 5月の非農業部門雇用者数は33.9万人増、市場予想19.5万人増
  • 失業率3.7%、前月からの上昇幅は2020年4月以来の大きさ

5月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが加速する一方で失業者数も急増。平均時給は鈍化した。強弱入り交じる内容で、米金融当局が利上げを休止する根拠が増えた格好だ。

非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比33万9000人増エコノミスト予想の中央値は19万5000人増前月は29万4000人増(速報値25万3000人増)に上方修正家計調査に基づく失業率は3.7%に上昇市場予想は3.5%前月3.4%平均時給は前月比0.3%増-前月0.4%増市場予想は0.3%増

5月は広範囲の業種で雇用が増加。特に専門職・ビジネスサービスや政府部門、ヘルスケアでの伸びが目立った。

失業率は前月からの上昇幅が2020年4月以来の大きさとなった。金融当局者はこの上昇にも注目するとみられる。失業者数は5月に前月比44万人増加。新型コロナウイルス禍が始まった直後に記録的に急増した時期があったが、それに次ぐ大きさだった。

5月雇用統計が強弱まちまちの内容となったことで、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が示唆する利上げ休止姿勢が正当化される可能性がある。他の当局者からも、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では政策金利を据え置き、7月に引き締めを再開する余地を残す考えを支持する見解が聞かれる。

2つの調査

雇用統計は2つの調査で構成されている。一つは失業率などを算出する家計調査で、もう一方は雇用者数や賃金などをカバーする事業所調査。

家計調査の詳細を見ると、労働市場に加わる人が職探しに苦労していることや、以前雇用されていた人が失業するケースが増えていることが分かる。

一方、事業所調査では堅調さが示された。雇用者数は1年2カ月連続で市場予想を上回り、労働力人口の大半を占める非管理職の賃金は0.5%増と、6カ月ぶりの大きな伸びとなった。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン氏らは「5月雇用者数の驚くほど力強い伸びは、ブルームバーグが実施したエコノミスト調査の最高値をも上回り、労働市場の読み取りが困難であることを浮き彫りにした。われわれの見解では、労働市場はヘッドラインの数字が示唆するより弱い。家計調査で示された就業者数は5月に実際のところ減少した」と指摘した。

平均時給は前年同月比では4.3%増。今年3月と並び、2021年半ば以来の低い伸びにとどまった。市場予想は4.4%増。4月は4.4%増だった。

労働参加率は62.6%で変わらず。25-54歳の労働参加率は上昇し、07年以来の高水準。上昇分を女性が占めた。

需要に関して気掛かりな兆候も見られた。週平均労働時間が34.3時間に若干減少し、20年4月以来の低水準となった。景気が弱まり始めると、雇用主は人員を削減するよりまず労働時間を減らす傾向がある。

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