11/4米国株式市場は反発。米雇用統計はタカ派姿勢を正当化も買い戻し強まる。

経済ニュース相場分析

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11/4(金)の株価

前日比(%)
日経平均27,199.74円-1.68
ダウ平均32,403.22ドル+1.26
S&P5003,770.55ドル+1.36
ナスダック10,475.25ドル+1.28
ラッセル20001,799.86ドル+1.13
米10年国債4.167+0.53
恐怖指数(VIX)24.55-0.75

4日の米国株式市場は3指数共に反発。米雇用統計はタカ派姿勢を正当化も買い戻し強まる。

4日の米国株式市場は、3指数共に5日ぶりの反発。

10月の米雇用統計は強い内容でFRBのタカ派姿勢を正当化する内容だった。非農業部門雇用者数(NFP)が26.1万人増と予想を上回る伸びを示したほか、前回分も大幅に上方修正された。平均時給も前年比4.7%の上昇と高水準の伸びが続いている。失業率は上昇し、労働参加率は低下したものの、雇用の鈍化傾向を示すほどではない。

しかし、株式市場は逆に買い戻しが強まった。現在の流れからすれば株式市場がポジティブな反応を示す内容ではないが、今週のFOMCや本日の米雇用統計を通過して、出尽くし感からの買い戻しが出ているのかもしれない。また、中国がゼロコロナ政策による行動規制を緩和するのではないかという憶測が流れている。強い米雇用統計以上に中国の行動規制緩和への期待がリスク選好の株買いを誘発したという。

銀行や産業、エネルギーが上昇したほか、医薬品も買われた。IT・ハイテク株は戻り売りに押され、まちまちの展開。

10月米雇用者数は予想上回る増加、失業率は上昇-強弱入り交じる

  • 非農業部門雇用者数は26万1000人増-失業率は3.7%に上昇
  • 平均時給は前月比0.4%増-前月(0.3%増)から伸びが加速

米労働市場では10月、雇用者数が市場予想を上回る増加となったほか、平均時給は前月比ベースで伸びが加速した。一方で失業率は上昇し、高インフレの抑制を目指した引き締め策をどの程度続けるか金融当局が議論を続ける中、強弱入り交じった内容となった。

非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比26万1000人増ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は19万3000人増前月は31万5000人増(速報値26万3000人増)に上方修正家計調査に基づく10月の失業率は3.7%に上昇市場予想3.6%前月は3.5%

10月は比較的幅広い業種で雇用が増加。特に医療やプロフェッショナル・ビジネスサービス、製造業などで伸びが目立った。

平均時給は前月比0.4%増と、前月(0.3%増)から伸びが加速。市場予想は0.3%増だった。前年同月比では4.7%増加した。

今回の雇用統計は、速いペースでの利上げや景気見通し悪化にもかかわらず労働者に対する需要が引き続き強いことを示唆している。レイオフは増えつつあるものの歴史的に見ればなお低水準で、極めて高水準の求人件数を背景とした人材獲得競争が賃金を押し上げている。

こうした状況は、経済のエンジンである個人消費を支える上でプラスに働く一方、インフレ沈静化を目指す金融当局の取り組みを一層困難にさせ、この先何カ月にもわたり断固とした引き締めを継続することが示唆される。

米金融当局者らは、インフレ目標達成のためには労働市場での需給バランスを改善させる必要があると繰り返し強調している。米連邦公開市場委員会(FOMC)は2日、政策金利の0.75ポイント引き上げを決定。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は記者会見で、労働市場の状況について、「明白な」形ではまだ軟化していないと述べた。

ただ雇用の増加ペースは鈍化しつつある。10月の雇用者数の増加幅は市場予想を上回ったものの、伸びは前月比減少となった2020年12月以降で最小だった。今後を見通すと、1980年代以降で最も積極的な金融当局の引き締め策が雇用に重しとなりそうだ。パウエル議長は労働市場への悪影響について、明白な失業増加ではなく、主に求人件数の減少という形で表れることへの期待を表明している。

ブラックロックのシニアポートフォリオマネジャー、ジェフリー・ローゼンバーグ氏は、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「金融当局が年内の引き締めに関して起きてほしいと考えている状況のわずか一部をわれわれは目にしつつあるが、しばらく時間がかかるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、アンドルー・ハスビー、イライザ・ウィンガーの3氏はリポートで、「10月の雇用統計は労働市場についてまちまちなシグナルを送っている。雇用の伸びは力強かった一方で、失業率が大きく上昇したためだ。データのノイズを整理した上でのわれわれの結論は、労働市場はなお非常にタイトで、失業率が中立水準付近になるにはまだ大きな調整が必要ということだ」と指摘した。

10月の労働参加率は62.2%と、前月(62.3%)から若干低下。25-54歳の年齢層では、労働参加率は3カ月ぶり低水準に下げた。

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