11/3米国株式市場は4日続落。利上げ継続巡る懸念で

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11/3(木)の株価

前日比(%)
日経平均休場
ダウ平均32,001.25ドル-0.46
S&P5003,719.89ドル-1.06
ナスダック10,342.94ドル-1.73
ラッセル20001,779.72ドル-0.53
米10年国債4.153+1.54
恐怖指数(VIX)25.30-0.56

3日の米国株式市場は3指数共に4日続落。利上げ継続巡る懸念で

3日の米国株式市場は、3指数共に続落。

前日のFOMCを受けての流れが続き、下げの展開となる。中国がゼロコロナ政策の堅持姿勢を再確認したことも圧迫している。

ただ、この日発表のISM非製造業景気指数が前回から低下し、予想も下回ったことで、株式市場は下げ渋る動きが活発化した。IT・ハイテク株は依然として上値が重いものの、産業や銀行などのバリュー株に買い戻しが見られた。

前日のFOMCに対して市場からは、「FRBは利上げペースを減速させる可能性はあるものの、今回の利上げサイクルのターミナルレート(最終着地点)は想定よりも高くなる可能性を示唆した。事前の期待ほどFRBはタカ派色を緩めていないとの印象」といった指摘も聞かれる。

市場は米経済のハードランディングの可能性を高めている。景気後退に陥る確率を上昇させ、それが穏やかなものになる確率を低下させた。「市場が少しばかりハト派な希望を持つたびに、丸めた新聞で鼻を叩かれる。まだ多くの変動が待ち受けている」といった声も出ている。

米ISM非製造業指数、予想以上に低下-2020年5月以来の低水準

  • 10月の非製造業総合景況指数は54.4、市場予想55.3-前月は56.7
  • 業況指数は5カ月ぶり低水準、新規受注は6月以来の低水準

米供給管理協会(ISM)が発表した10月の非製造業総合景況指数は市場予想以上に低下し、2020年5月以来の低水準となった。受注と業況の指数が鈍り、経済が引き続き低調なことを示唆した。

非製造業総合景況指数は54.4前月の56.7から低下エコノミスト予想(中央値)は55.3への低下だった指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

ISM製造業指数の生産に相当する業況の指数は55.7に低下し、5カ月ぶりの低水準。新規受注は56.5と、6月以来の低水準となった。

一方、仕入れ価格の指数は70.7に上昇し、高止まり。1日に発表されたISM製造業総合景況指数では同指数は低下傾向にあり、対照的な内容となっている。

この日の非製造業指数は高インフレと金利上昇、不透明な景気見通しという状況下で、サービスへの需要が弱まりつつあることを示唆した。

雇用の指数は低下して縮小圏。前月は6カ月ぶりの高水準だった。人員を削減している業界がある一方、一部の業界では採用に依然苦慮している様子が示唆される。

ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は発表文で「能力のある人員を採用するのが引き続き困難という状況がある。経済情勢に関する不確実さを背景に、一部の企業は空きポジションを埋めるのを控えている」と指摘した。

10月は16業種が全般的な活動拡大を報告。鉱業や農業、娯楽・レクリエーション、運輸・倉庫がけん引した。

受注残の指数は52.2と、前月からわずかに低下し、5カ月ぶりの低水準。新規輸出受注は47.7と、1月以来の低い水準となった。前月(65.1)からの低下幅は統計開始以降で最大だった。

米新規失業保険申請、低水準継続-景気軟化も労働力需要冷えず

  • 先週の新規申請は21万7000件に小幅減少、予想下回る
  • 継続受給者数は149万人に増加、3月以来の高水準

米国では失業保険の新規申請が先週小幅に減少し、引き続き低水準で推移した。景気の軟化にもかかわらず、労働力の需要が強いことが示された。

先週の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減少し、21万7000件エコノミスト予想の中央値は22万件前週は21万8000件(速報は21万7000件)失業保険の継続受給者数(10月22日終了週)は148万5000人前週は143万8000人

より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は21万8750件に小幅に減少した。

依然として低水準の失業保険申請件数は、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が指摘した雇用市場の「過熱」を裏付ける。米金融当局はインフレ沈静化を目指して労働市場を軟化させようとしているが、パウエル議長が2日の会見で述べたところによれば、まだ「明らかな」形で実現していない。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「労働力不足の中で従業員を解雇したくない雇用主の立場を、失業保険申請件数は引き続き反映している。しかし見通しはもっと暗くなっている。レイオフは近く小幅増加するとわれわれは予想する。労働市場は依然タイトだが、徐々に冷え込んでいくという見立てと整合する」と分析した。

失業保険の継続受給者数は22日終了週に約149万件に増加し、3月以来の高水準。このペースが続けば長期失業者の数が増えている兆候となり得る。

4日発表される10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が20万人増加したと予想されている。失業率は3.6%への小幅上昇が見込まれている。

季節調整前の失業保険申請件数は先週に18万5594件に増加。州別ではカリフォルニア、オレゴンでの増加が著しかった。最も減少したのはハリケーン「イアン」の被害から回復中のフロリダ州だった。

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