9/21米国株式市場は続落。FOMC受け激しく上下動の末に下げ幅拡大。

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9/21(水)の株価

前日比(%)
日経平均27,313.13円-1.36
ダウ平均30,183.78ドル-1.70
S&P5003,789.93ドル-1.71
ナスダック11,220.19ドル-1.79
ラッセル20001,762.15ドル-1.42
米10年国債3.526-1.09
恐怖指数(VIX)27.99+0.83

21日の米国株式市場は3指数共に続落。FOMC受け激しく上下動の末に下げ幅拡大。

21日の米国株式市場は、3指数共に続落。

FOMCの結果が発表され、政策金利は0.75%利上げと予想通りではあったものの、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)で22年末の金利見通しの中央値が4.375%と予想よりも高かった。23年末は4.625%となっている。FOMC委員が予想以上にタカ派色を強めていることが示された。

株式市場は売りが強まっていたが、パウエルFRB議長の会見を受け、一気に買い戻しを強めた。議長は「いつか利上げペースを落とすのが適切なる。労働市場は幾分軟化する可能性が非常に高い。いつか利上げペースを落として効果を見極める可能性」などと、幾分タカ派色を和らげる発言を行っていた。

しかし、終盤になって今度は下げを加速。議長は「景気を維持したまま米経済をソフトランディングさせるのは非常に困難」との見解を示した。株式市場は一気に売りを強め、3指数共に前日比から下げの展開となった。

FRB議長、政策金利「固い決意」で引き上げへ-インフレ抑制で

  • FOMCは0.75ポイントの利上げ決定-3会合連続
  • 政策金利は「十分に抑制的な」水準まで上昇へ-パウエル議長

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、金融当局としてインフレ抑制に固い決意で取り組んでいると表明した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は20、21両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.75ポイント引き上げることを決定。0.75ポイントの利上げはこれで3会合連続。また今後の利上げについて、従来予想より積極的な軌道を描くことになるとのシグナルを発した。

パウエル議長は21日、FOMC会合後の記者会見で「われわれはインフレ率を2%に戻すため、政策スタンスを十分抑制的となる水準へと固い決意で変更している」と述べた。今回の利上げにより、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は3-3.25%となった。これは2008年初め以来の高い水準。

声明と同時に公表されたFOMC参加者のFF金利見通しを示す最新の金利予測分布図(ドット・プロット)によれば、当局者らは政策金利について今年末までに4.4%、23年中に4.6%に上昇すると見込んでおり、予想よりタカ派寄りにシフトしていることが示された。これは次回11月のFOMC会合で4回連続となる0.75ポイント利上げが選択肢となり得ることを示唆している。

インフレを目標の2%に押し下げることを当局者らが「強く決意している」というのが、主要なメッセージだとパウエル氏は述べ、「この任務が完了するまで根気強く続けていく」と付け加えた。

さらに先の将来については、政策金利は24年に3.9%、25年には2.9%にそれぞれ低下するとの予測がドット・プロットで示された。

今回の四半期予測では、前回6月時点と比較して政策金利の軌道がより急になっている。借り入れコスト急上昇で米経済がリセッション(景気後退)に陥る恐れはあるが、それでも金融当局がインフレを鈍化させる決意を固めていることを浮き彫りにしている。

最新の四半期予測はまた、失業率が来年末までに4.4%に上昇し、24年末も同水準になるとしている。6月時点での予測は来年末までが3.9%、24年末は4.1%だった。

経済成長率については23年が1.2%に、24年は1.7%にそれぞれ下方修正された。政策引き締めの影響をより大きくみていることを反映している。

FOMC声明:支出と生産は緩慢な伸び、雇用堅調もインフレ高止まり

米連邦公開市場委員会(FOMC)が21日に発表した声明は以下の通り。

最近の指標は支出と生産の緩慢な伸びを示している。雇用はこの数カ月、堅調に伸びており、失業率は低いままだ。インフレは高止まりし、それはパンデミックに関連した需給の不均衡と食品・エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映している。

ロシアがウクライナに仕掛けた戦争は人的・経済的に甚大な苦難を引き起こしている。この戦争と関連の事柄はインフレを一段と押し上げる圧力を生んでおり、世界の経済活動への重しとなっている。委員会はインフレリスクに細心の注意を払っている。

委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。これらの目標実現を支えるため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを3-3.25%に引き上げることを決めたほか、誘導目標レンジの継続的な引き上げが適切になると見込む。さらに委員会は5月公表の米連邦準備制度バランスシート規模縮小計画に記載したように、財務省証券とエージェンシー債、GSE保証付き住宅ローン担保証券(MBS)保有の削減を継続する。委員会はインフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている。

金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は今後の情報が経済見通しに与える意義を引き続き監視する。委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、委員会は必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある。委員会は公衆衛生や労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢などを幅広く考慮して判断する。

今回の金融政策措置に対し、パウエル議長とウィリアムズ副議長、バー連邦準備制度理事会(FRB)副議長、ボウマン理事、ブレイナードFRB副議長、ブラード総裁、コリンズ総裁、クック理事、ジョージ総裁、ジェファーソン理事、メスター総裁、ウォラー理事が賛成した。

米中古住宅販売、7カ月連続で減少-住宅ローン金利高騰が打撃に

  • 8月の販売件数、0.4%減の年率480万戸-2020年5月以来の低水準
  • 中古住宅価格は前年比7.7%上昇の38万9500ドル-20年以来の小幅上昇

全米不動産業者協会(NAR)が発表した8月の中古住宅販売件数は、7カ月連続で減少した。住宅ローン金利上昇が物件の取得しやすさに影響を及ぼす状況が続いており、住宅市場への大きな打撃となっている。

古住宅販売件数(季節調整済み、年率)は前月比0.4%減の480万戸2020年5月以来の低水準ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は470万戸前月は482万戸(速報値は481万戸)に上方修正

7カ月連続の減少は、2007年に米住宅市場が崩壊して以降で最長。借り入れコスト急上昇と物件価格の高止まりで、多くの潜在的買い手が購入をためらう状況だ。需要軟化で住宅建設業界の景況感は弱まっているが、エコノミストの間では、需給が逼迫(ひっぱく)している状況が大半で続いている中、住宅価格の下落圧力は比較的小さいとの予想が多い。

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表資料で「住宅在庫は向こう数カ月タイトなままで、今後数年もその状態が続く」と予想。「ここ数年の歴史的に低かった住宅ローン金利で支払いを固定していることから、一部の住宅所有者は買い替えに消極的だ。供給拡大のため、新築物件の建設を増やす必要性が高まっている」と指摘した。

8月の中古住宅販売在庫は前月比1.5%減の128万戸。販売に対する在庫比率は3.2カ月。1年前は2.6カ月だった。

ユン氏は販売件数は減少しているものの、「在庫の純増は見られない」と説明した。

販売件数は季節調整前の前年同月比ベースでは17.4%減少した。

中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比7.7%上昇し、38万9500ドル(約5610万円)。上昇率は20年6月以来の小ささだった。今年6月には過去最高の41万3800ドルを記録していたが、その後は前月比では2カ月連続で低下している。

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