12/27米国株式市場は、S&Pとナスダック下落。米債利回り上昇で成長株に売り。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

12/27(火)の株価

前日比(%)
日経平均26,447.87円+0.16
ダウ平均33,241.56ドル+0.11
S&P5003,829.25ドル-0.40
ナスダック10,353.23ドル-1.38
ラッセル20001,749.51ドル-0.65
米10年国債3.851+2.83
恐怖指数(VIX)21.65+0.78

27日の米国株式市場は、S&Pとナスダック下落。米債利回り上昇で成長株に売り。

27日の米国株式市場は、ダウ平均は続伸。一方、IT・ハイテク株の下げがきつく、S&P500とナスダックは反落する。

中国政府がゼロコロナ政策を来年1月8日から変更すると発表したことも買い手掛かりとなっている模様。原油が一時81ドル台まで上昇したことで、エネルギー株が上昇したほか、産業株も堅調。

一方、IT・ハイテク株が下落しておりムードを圧迫。米国債利回りが上昇していることが売りを誘っている模様。特に、テスラ<TSLA>の売りが止まらず7日続落。24日に上海工場での生産を停止。当初は25日から来年1月1日までとしていた操業停止予定を1日前倒した。予定前倒しについて同社は理由を示さなかったという。

米20都市住宅価格指数、前月比で4カ月連続マイナス-市場減速で

S&P・コアロジック/ケース・シラーがまとめた10月の米20都市住宅価格指数は、前月比で4カ月連続の低下となった。住宅ローン金利上昇や景気を巡る懸念が売買活動に影響した。

米20都市住宅価格指数(季節調整後)は前月比0.5%低下市場予想1.1%低下前年同月比では8.6%上昇予想8%上昇

米金融当局は今年、住宅価格高騰を一因とする高インフレの抑制を目指して利上げを推進。それを受けて住宅市場は減速している。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)のデータによれば、30年物固定住宅ローン金利は10月と11月に7.08%に達したが、その後は低下。それでも借り入れコストは年初の約2倍の水準となり、インフレで頭金に回す貯蓄が圧迫される中、住宅購入が手控えられている。

S&Pダウ・ジョーンズ指数のマネジングディレクター、クレイグ・ラザラ氏は「米金融当局が利上げを続ける中、住宅ローン融資が引き続き住宅価格への向かい風となっている」と発表文で指摘。「厳しいマクロ経済環境見通しが続いていることを踏まえれば、価格は下落し続ける可能性がある」と記した。

全米ベースの住宅価格指数は前年同月比で9.2%上昇。9月は10.7%上昇だった。

地域別ではフロリダ州のマイアミやタンパ、ノースカロライナ州のシャーロットで前年同月比ベースでの価格上昇が目立った。

輝き失うテスラ株、2018年以来最長の下落局面-需要減速懸念に拍車

  • テスラ株は一時9%超下落-株式時価総額ではウォルマート下回る
  • 来年には株価回復の「芽」出てくる可能性-カナコードのアナリスト

27日の米株式市場でテスラの株価が下落。中国工場での生産一時停止が計画されているとの報道を受け、電気自動車(EV)需要減速を巡る懸念が再燃した。7営業日続落は2018年以来最長の下落局面となる。

テスラ株は一時9%超下落。株式時価総額ではウォルマートやJPモルガン・チェースを下回った。2020年12月にS&P500種株価指数に採用されてから維持してきた時価総額上位10社からも外れることになる。

ロス・キャピタル・パートナーズのアナリスト、クレイグ・アーウィン氏は「今年のテスラ株の低迷の多くは、世界的な需要減を示す複数の兆候に起因している」と指摘。テスラの売上高成長見通しは「なお驚異的だ」とした上で、「3850億ドルという時価総額(前週末時点)を正当化するほど驚異的ではない」と述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによると、アナリストはテスラの増収率を平均で2022年が54%、23年が37%と予想している。

EVが自動車の主流となる未来はテスラが先導するとの期待感から、テスラの株価は2020年には8倍となり、S&P500種で時価総額5位に入っていた時期もある。しかし、今年に入ってからの下落も同様に急ピッチだった。買収したツイッターの経営でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が多忙を極めているとの見方や、成長株全般に対する投資家の不安、そして最近では高インフレと金利上昇が消費者のEV熱を冷やすとの懸念もあり、時価総額の約3分の2が吹き飛んだ格好だ。

ウォール街のアナリストはEV需要に対する警鐘を鳴らし始めており、テスラの12カ月目標株価は今月だけで10%引き下げられた。

ただ、それでもアナリストのテスラ株に対する全体的なスタンスはなお強気であり、投資判断を買いまたは買い相当としている比率は2015年初頭以来の高さとなっている。

カナコード・ジェニュイティのアナリスト、ジョージ・ギアナリカス氏は先週のリポートで「株価パフォーマンスに反し、テスラのイノベーション曲線は加速しているように見える。製品の漸進的アップデートでさえ停滞しているように見える他の大手テクノロジー企業とは全く対照的だ」と指摘。来年にはテスラ株回復の「芽」が出てくる可能性があるとの見方を示した。

コメント