7/12米国株式市場は3日続伸。米CPIで今月の利上げが最後との期待強める。

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7/12(水)の株価

前日比(%)
日経平均31,943.93円-0.81
ダウ平均34,347.43ドル+0.25
S&P5004,472.16ドル+0.74
ナスダック13,918.96ドル+1.15
ラッセル20001,933.38ドル+1.05
米10年国債3.865-2.89
恐怖指数(VIX)13.54-1.30

12日の米国株式市場は3指数共に3日続伸。米CPIで今月の利上げが最後との期待強める。

12日の米国株式市場は3指数共に3日続伸。

この日発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで米株式市場は買いが優勢となった。

米CPIはインフレの鈍化傾向を鮮明にした。総合指数が前年比3.0%まで鈍化したほか、コア指数も4.8%と予想の5.0%を下回った。また、パウエルFRB議長が注目している住居費を除くサービス業の指数であるスーパーコアも計算値で前月比変わらず、前年比で4.0%まで低下。2021年以来の低い伸びとなっている。

FRBはあと2回の追加利上げの可能性を強調しているが、今月のFOMCについては0.25%ポイント利上げの見方に変化はないものの、市場とFRBの見解に相違が見られている9月以降の2回目の利上げについては、見送られるとの見方を強めている。市場は本日の米CPIを受けて、今月の利上げが最後になるとの期待を更に強めているようだ。

ダウ平均は一時325ドル高まで上昇したものの、次第に伸び悩む動きも見せている。米CPIを通過し、株式市場にとっては追い風となっているが、今後は週末の大手銀を皮切りに4-6月期決算が始まり、ここから更に上値を追って行けるのか、決算に対する反応を待ちたい雰囲気も出ている。

銀行株が上昇。米CPIを受けて、米国債利回りが低下しており、銀行株をサポートしている模様。今年3月にはFRBの積極利上げによる米国債利回りの急上昇(価格下落)で、銀行が保有していた米国債の大幅な評価減が発生し、それを発端に大量の預金が流出し、複数の地銀が破綻に追い込まれた。本来、米国債利回りの低下は金融機関の貸出金利低下に繋がり、銀行にとっては不利な条件になるものの、今回に限っては、利回り低下(価格上昇)はポジティブ要因と受け止められている模様。

米インフレ率3%は非常事態の終わりを示唆、金融政策の転換点に

  • 6月の総合CPIは2021年3月以来の水準、コアCPIも低下
  • 米利上げは今月のFOMC会合で当面打ち止めとの見方強まる

米国のインフレ率が急激に鈍化し、ほぼ2年ぶりの水準に低下した。生活費危機の終了、そして恐らくは米金融当局による歴史的引き締めの終わりに向けて大きな一歩となる。

6月の米消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3%で、1年前に付けたピーク時の3分の1の水準にまで落ち着いた。コアインフレの主要な指標も予想を下回るなど、統計の詳細もインフレ抑制の進展を示す内容だ。

インフレとの闘いが全て終わったという意味ではない。これはとりわけ、今月の会合で追加利上げが広く確実視されている連邦公開市場委員会(FOMC)に当てはまる。ただ、そこで利上げが当面打ち止めになる確率はいまや50%以上あるだろう。

これが12日のCPI発表後、市場が織り込みつつある見方だ。米短期債利回りは低下、株は上昇、ドル指数は14カ月ぶり低水準となった。これは全て、米当局が引き締めを緩めるとの期待に基づいている。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ライアン・スイート氏は今回のインフレ統計について、「今月の後の追加利上げが必要かどうかについてFOMCで議論する理由になり得る」と指摘。「米当局が進めてきた現在の引き締めサイクルは終わりに近付いている可能性が高い」と述べた。 

ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、スチュアート・ポール両氏はリポートで「6月CPIは米金融当局が利上げサイクルを終了しようとしている重要な局面で発表された。インフレ低下に有利に働くのはベース効果だけではなく、経済の減速も寄与している。FOMCは7月25、26両日の会合で利上げに踏み切る可能性が極めて高いが、その後、さらなる利上げの必要性に懐疑的になる当局者が増えるかもしれない」と論じた。

ただ、単月のCPI統計だけで米金融当局者の姿勢にすぐ大きな影響が及ぶ可能性は低いとみられる。

米リッチモンド連銀のバーキン総裁はCPI発表後に行われた講演で「インフレ率は高過ぎる。われわれの目標は2%だ」と言明。「手を引くのが早過ぎればインフレが再び強まり、そうなれば米金融当局はさらなる行動が必要になる」と語った。

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