5/3米国株式市場は続落。パウエル会見に反応。

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5/3(水)の株価

前日比(%)
日経平均休場
ダウ平均33,414.24ドル-0.80
S&P5004,090.75ドル-0.70
ナスダック12,025.33ドル-0.45
ラッセル20001,739.28ドル+0.41
米10年国債3.367-2.04
恐怖指数(VIX)18.34+0.56

3日の米国株式市場は3指数共に続落。パウエル会見に反応。

3日の米国株式市場は、3指数共に続落。

FOMC後のパウエル議長の会見に反応し。議長は「緩やかな成長でリセッションは予想していない」と述べる一方で、「穏やかなリセッションになる可能性はある」とも述べていた。これまで通りに年内利下げの可能性も否定していた。

FOMCは市場の予想通りに0.25%ポイントの利上げが実施された。ただ、声明から追加利上げを示唆したの文言が削除され、市場の利上げ停止の観測を裏付ける内容となっていた。一方、「今後に必要となる追加引き締めの程度は経済次第」とも述べている。

その後のパウエル議長の会見では、「銀行の状況は3月上旬以降、広範に改善した。データに基づいて会合ごとに決定する」などと述べていた。「インフレ抑制のプロセスはまだ長い道のり」とのこれまでの言及もあった。

市場では今回の利上げが最後で、その可能性を強調してくるとの期待も出ていたが、声明では追加利上げを示唆した文言が削除されたが、全体的にはオープンにしている印象もある。利上げ停止の可能性は出て来たものの、市場の期待ほどタカ派色が薄まった印象まではないようだ。

取引開始前に4月のADP雇用統計が発表され、雇用者数は9カ月ぶりの大幅な増加となり、景気が冷え込む中でも労働市場が底堅く推移していることを示した。予想のほぼ2倍の増加。ただ、株式市場の反応は限定的。また、ISM非製造業景気指数も発表されていたが、予想通りの結果に反応は限定的となっている。しかし、金利が上昇し、インフレがまだ高い中、経済が勢いを失っていることを示唆する内容ではあった。

週末に米雇用統計の発表が予定されているが、ADP雇用統計の結果がそのまま反映されるとは限らない。

FOMC、0.25ポイント利上げ-パウエル議長は停止の可能性示唆

  • 「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」の文言削除
  • 与信のタイト化は経済などへの重しとなる可能性高い-FRB議長

米連邦公開市場委員会(FOMC)は5月2、3日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。一方、経済面でのリスクが強まる中、利上げが今回で打ち止めになる可能性も示唆した。

今回の利上げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5-5.25%となった。これは2007年以来の高水準。

  会合後に発表された声明は「委員会は入手する情報を注意深く見極め、その金融政策への含意を判断する」と記述。前回の声明に盛り込まれた「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」との文言は削除された。

FOMCは「どの程度の追加的な政策引き締めが適切となり得るかを決定する上で」さまざまな要素を考慮すると声明に記された。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は声明発表後の記者会見で、今回の声明は6月の政策金利据え置きを示唆しているのかとの質問に対し、追加利上げを見込むとの文言を削除したことは「意義のある変化だ」と回答。「政策は入手するデータに左右され、会合ごとに判断する。その質問には6月の会合時に取り組む」と述べた。

今会合での政策決定は全会一致。0.25ポイント利上げへの支持は「全面的に非常に強かった」とパウエル議長は説明した。

政策金利の高さがインフレ率を目標の2%に押し下げるのに十分かどうかについては、入手するデータに基づき「検証を続けていく」とし、金融当局者のインフレ予測は利下げと合致していないと述べた。

銀行の状況については、3月初旬より「おおむね改善」してきたと指摘。ただ過去1年間に与信が引き締まってきた後で、今回の銀行セクターのストレスにより「家計と企業への与信環境は一層引き締まったように見受けられる」と語った。

「そうした与信環境のタイト化は経済活動と雇用、インフレに重しとなる可能性が高い」とした上で、「影響がどの程度及ぶかはなお不透明だ」と述べた。

経済については、リセッション(景気後退)に陥る可能性はあるとしつつ、その場合でも浅いリセッションになることを期待しているとパウエル議長は説明。ただ「リセッションに陥るより回避できる可能性の方が高いというのが私自身の見解だ」と述べた。また賃金の上昇ペースは鈍化し、求人件数は減少しているが、失業の増加は伴っていないと指摘した。

米ADP民間雇用者数、9カ月ぶりの大幅な増加-予想のほぼ2倍

  • 4月の民間雇用者数は29万6000人増ー予想中央値15万人増
  • 雇用の伸びが加速した一方、賃金の伸びは減速

4月の米民間雇用者数は9カ月ぶりの大幅な増加となり、景気が冷え込む中でも労働市場が底堅く推移していることが浮き彫りとなった。市場予想中央値のほぼ2倍の増加。

米民間雇用者数は29万6000人増ー予想中央値15万人増ブルームバーグ調査のエコノミスト予想全てを上回る前月は14万2000人増(速報値14万5000人増)に下方修正データはADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出

4月は雇用の伸びが加速した一方、賃金の伸びは鈍化した。仕事を変えた人の賃金の伸び率は中央値で前年比13.2%。3月の同14.2%増から低下し、2021年11月以来の低い伸びとなった。

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「賃金上昇率の減速は労働市場で現在起きていることの最も明確なシグナルだ」と発表文で指摘。雇用主は積極的に採用している一方、賃金の上昇を抑制しているとの見方を示した。同じ仕事にとどまった人の賃金上昇率は前年比6.7%増となった。

業種別では、4月の雇用増加分の半分余りを娯楽・ホスピタリティーが占めた。教育・医療サービス、建設でも力強い伸びが見られた。

一方で製造業と金融業では雇用が減少。規模別では全ての規模で雇用が増加。地域別では減少したのは南部だけだった。

米ISM非製造業総合景況指数、活動拡大もペース鈍く-業況減速

  • 4月の非製造業総合景況指数は51.9-市場予想51.8
  • 業況指数は52、2020年以来の低水準-サービス需要軟化を示唆

米供給管理協会(ISM)の発表によれば、米サービスセクターの活動は4月に緩やかな拡大にとどまった。業況指数がほぼ3年ぶりの低水準となった。

非製造業総合景況指数は51.9に小幅上昇ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は51.8前月は51.2指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

仕入れ価格指数は2020年以来の低水準付近を維持した。

業況指数は3.4ポイント低下して52。活動拡大をなお示唆するが、20年5月以来の低水準。これで3カ月連続の低下となり、サービス需要が軟化しつつあることを示唆した。

  先に発表された4月のISM製造業総合景況指数が6カ月連続で活動縮小を示したのと合わせ、今回の非製造業景況指数は金利上昇とインフレ高止まりの中で景気の弾みがついていないことを浮き彫りにしている。

ただし、非製造業指数の新規受注は4ポイント近く上昇して56.1と、需要は緩やかながらも引き続き伸びていることを示唆した。

4月は娯楽・レクリエーションや不動産、宿泊・食品サービスなど14業種が拡大を報告。3業種は縮小した。

ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は「回答企業の過半数はビジネスの状況に関しておおむね前向きだが、インフレや景気減速に関連した向かい風を警戒する向きも一部にある」と発表文で指摘した。

仕入れ価格指数は59.6と、前月から小幅に上昇したが、20年7月以来の低水準付近を維持。インフレ圧力が和らぎつつあることを示唆した。

雇用指数は50.8に低下し、サービス部門での雇用ペースが一段と鈍化したことが示された。

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