4/5米国株式市場はS&P・ナスダック続落、景気後退懸念が圧迫。

経済ニュース相場分析

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4/5(水)の株価

前日比(%)
日経平均27,813.28円-1.68
ダウ平均33,482.72ドル+0.24
S&P5004,090.38ドル-0.25
ナスダック11,996.86ドル-1.07
ラッセル20001,752.13ドル-0.99
米10年国債3.311-0.93
恐怖指数(VIX)19.08+0.08

5日の米国株式市場は、ダウ平均小幅高。S&P・ナスダック続落、景気後退懸念が圧迫。

5日の米国株式市場は、ダウ平均はプラス圏内、S&P500はマイナス圏内。ナスダックは続落となった。

IT・ハイテク株への売りが強まり、ナスダックは大幅安となった。ダウ平均はヘルスケアや医薬品といったディフェンシブ銘柄への買いが下支えした。

この日発表のADP雇用統計やISM非製造業景気指数はともに予想を下回る弱い内容となった。今週これまで発表になっている米経済指標を受けて市場は景気後退への懸念を強めている。金曜日には米雇用統計が発表になるが、雇用増加がより控えめなものになるとの見方も出ている模様。

米経済指標は景気後退の可能性を示唆している一方、FRBの早期利上げ停止観測も強めている。「これは通常、株にとってプラスに働くが、懸念されるのは、FRBがインフレとの闘いを終える前に退却せざるを得なくなるリスクがあること。経済が縮小しているにもかかわらず、物価は上昇し続けるという、最悪のスタグフレーションに陥るリスクがある」との声も聞かれた。

FRBは否定しているが、市場では早ければ夏以降に利下げのシナリオを織り込む動きが出ている。今週の米経済指標はその観測を正当化する内容で、週末の米雇用統計に向けて、さらにその観測が強まるか注目しているようだ。

景気後退懸念が金利低下への期待を後押しし、ここ数週間のIT・ハイテク株などの成長株は上昇しいた。しかし、市場からは「成長株の評価は依然として高く、ディフェンシブ銘柄のほうが好ましい」との指摘も出ている。きょうはその動きが出ている格好。

半導体関連株の下げが目立っている。特段の悪材料は見当たらないが、一部からは、日本が最近、米国とオランダと伴に中国への半導体製造装置の輸出を制限することを決定し、それがハイテク戦争をどのようにエスカレートさせるかを投資家が理解するにつれ、米半導体メーカーが再び注目されることになるとの指摘が出ていた。

米ISM非製造業総合景況指数、予想以上の低下-需要減速

  • 3月の非製造業総合景況指数は51.2に低下-予想中央値54.4
  • 仕入れ価格指数は20年7月以来の低水準-インフレ圧力緩和

米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合景況指数は引き続き活動拡大を示したものの、前月からは低下し、予想も大きく下回った。新規受注の減速が目立つ。

3月の非製造業総合景況指数は51.23カ月ぶりの低水準ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は54.4前月は55.1指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

今回の統計は企業や消費者が慎重姿勢を強めていることを示唆する。先に発表された3月のISM製造業景況指数が2020年5月以来の低水準となったことと合わせ、景気の先行きに対する懸念が高まるとみられる。

新規受注の指数は10ポイント余り低下して52.2と、3カ月ぶり低水準に落ち込んだ。ISM製造業指数の生産に相当する業況の指数は55.4に低下。

ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は発表文で「サービス部門の成長率に減速が見られるが、その主な要因は新規受注の伸び率鈍化や産業ごとに異なる雇用環境、キャパシティーおよび物流の改善継続によるものだ」と指摘した。

仕入れ価格指数は6ポイント余り低下して59.5。2020年7月以来の低水準となり、インフレ圧力の緩和が示唆された。前月からの下げ幅は17年以降で最大。サービス業のインフレは、労働市場の逼迫(ひっぱく)が物価の長期高止まりリスクとなることを警戒する米金融当局にとって重大な懸念事項となっている。

この日発表された3月の米民間雇用者数は市場予想を下回る伸びにとどまった。賃金の上昇率も鈍り、労働需要がいくらか鈍化の兆候を示していることを浮き彫りにした。

米ADP民間雇用者数、伸びが市場予想下回る-賃金上昇も減速

  • 3月の民間雇用者数は14万5000人増-予想21万人増
  • 転職しなかった人の賃金、前年比6.9%上昇-約1年ぶり低い伸び

3月の米民間雇用者数は市場予想を下回る伸びにとどまった。賃金の上昇率も鈍り、労働需要がいくらか鈍化の兆候を示していることを浮き彫りにした。

米民間雇用者数は14万5000人増ー予想中央値21万人増ブルームバーグ調査のエコノミスト予想全てを下回る前月は26万1000人増(速報値24万2000人増)に上方修正データはADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出

業種別では娯楽・ホスピタリティーや貿易・運輸・公益、建設での雇用増加が目立った。製造業や金融、専門職・ビジネスサービスでは減少した。

地域別で減少したのは南部だけだったが、全米の一部中規模企業でも雇用が削減された。

今回の統計は過去1年に及ぶ米利上げが労働市場を圧迫し始めている可能性を示唆。大手テクノロジー企業で当初見られた人員削減の動きが、他のセクターにも広がり始めている。

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は発表文で、「この3月の雇用データは景気が減速しつつあることを示唆する複数のシグナルのうちの一つだ」と指摘。「雇用主は1年に及んだ採用強化の動きを後退させている。賃金の伸びは3カ月にわたって頭打ちとなった後で減速している」と続けた。

ADPのデータによれば、同じ仕事にとどまった人は3月に賃金が前年比6.9%上昇と、約1年ぶりの低い伸び。仕事を変えた人では賃金の伸び率は中央値で前年比14.2%と、昨年1月以来の小幅な伸びとなった。同データでは2500万人余りの米労働者の給与を分析する。

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