50才から始める米国株式投資初心者の資産運用
8/31(水)の株価
値 | 前日比(%) | |
日経平均 | 28,091.53円 | -0.37 |
ダウ平均 | 31,510.43ドル | -0.88 |
S&P500 | 3,955.00ドル | -0.78 |
ナスダック | 11,816.20ドル | -0.56 |
ラッセル2000 | 1,844.11ドル | -0.62 |
米10年国債 | 3.187 | +2.35 |
恐怖指数(VIX) | 25.87 | -0.34 |
31日の米国株式市場は3指数共に4日続落。8月では7年ぶりの大幅な下げ。
31日の米国株式市場は3指数共に4日続落。
本日は月末ということもあり、値ごろ感の買い戻しがIT・ハイテク株中心に入った。しかし、上値が重い状況に変わりはなく、上値での戻り待ちの売りも根強い。終盤に下げ幅を拡大する展開が見られた。
「下値では楽観的な投機筋の押し目買いが断続的に出ているようだが、その半面、市場のファンダメンタルズの状況悪化という相反する要素により、株式市場はボラティリティを高める可能性が高い」との指摘も出ている。
金曜日のパウエルFRB議長の講演以降も複数のFOMC委員から発言が伝わっているが、景気後退よりもインフレ抑制を重視する姿勢が協調されている。市場では9月FOMCでの0.75%ポイントの利上げ確率を70%まで高めている状況。景気後退とタカ派なFRBへの懸念が株式市場を圧迫している。
一部からは、「今回の利上げサイクルは終了に近い」との声も出ている。「確かに多くのことに左右され、FRBが9月に利上げをするのは間違いないし、今年中にあと2回はするだろうが、その時点で多くのことをやり尽くし、制限的な領域に入る」という。ただ、取引開始前にメスター・クリーブランド連銀総裁は「来年早々に4%超までの利上げを支持し、来年の利下げはない」と述べていた。
取引開始前に8月のADP雇用統計が発表になり、雇用者数は予想を下回る伸びとなったが、それ自体への株式市場の反応は限定的な印象。
パウエル議長は軟着陸放棄も、目指すは「グロース・リセッション」か
- インフレ抑制のため成長鈍化と労働市場の軟化が必要と判断した様子
- 「それは少しずつ水責めにするようなものだ」とスウォンク氏は解説
米経済のソフトランディング(軟着陸)の期待は捨て去った方が良さそうだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は高インフレにとどめを刺すため、経済にもっと痛みをもたらすことを目指している。だが、問題なのはそれでも不十分かもしれない点だ。
こうした状況はエコノミストの間で「グロース・リセッション」と、逆説的な用語で知られている。完全なリセッション(景気後退)には至らないものの、低成長と失業率悪化が長期間続く状況を指す。
KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏はパウエル議長について、ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で26日に行った講演の結果、「ソフトランディングの概念は葬り去られた。当局が目指すのは経済成長を潜在成長率よりも減速させ、インフレ率を押し下げることだ」と指摘した。
ジャクソンホール会合にも参加したスウォンク氏はその上で、「それは少しずつ水責めにするようなものだ。ひどい苦痛を伴うが、突然のリセッションほどの苦痛や痛みはない」と解説した。
パウエル議長のメッセージの変化はウォール街でも注目を集めた。過度の高インフレを退治するために必要な措置を講じる決意を議長が表明したことを受け、米株価は下落基調にある。
ワシントンの政治家も着目しており、民主党のウォーレン上院議員は、金融当局がリセッションを引き起こす恐れがあると警戒感を示す。共和党のマコネル上院院内総務も、当局がインフレとの闘いを進めることで景気が落ち込む公算が大きいとしている。
ソフトランディングの典型例とされる1994-95年のケースでは、米金融当局は金利を2倍の水準に引き上げ、短期的に成長ペースを落とすことでインフレを抑制した。失業率は実際に悪化せず、しばらくの間低下がストップしただけだった。
グロース・リセッションは、ニューヨーク大学の経済学者だった故ソロモン・ファブリカント氏が1972年の論文で用いた造語だ。同氏はグロース・リセッションについて、おりに入れられたトラは「街頭に放たれたトラと同じではないものの、いずれも張り子の虎ではない」と表現し、実際の景気後退ではなくても危険なものだと説明した。
パウエル議長は、米国の悪質なインフレを退治するには、ソフトランディングでは不十分で、こうした「トラ」が必要と判断したと見受けられる。議長は26日の講演で、労働需要は供給を大幅に上回り、労働市場は「明らかにバランスを欠いている」と発言した。こうした状況が当局の2%の物価目標とは相いれない賃金の急上昇につながっている。
議長は「インフレ抑制には成長ペースがトレンドを下回る局面が続く必要がありそうだ」と述べる一方、「労働市場の状況が幾分軟化する可能性も非常に高い」としており、遠回しに失業率悪化に言及したものと広く受け止められている。
ただ、リセションは招かないが、失業率を押し上げるには十分な景気減速を実現するには多少の幸運が必要だ。低成長の経済の場合、原油価格の反発といった予期せぬショックに足をすくわれるリスクが大きい。
ムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ氏は「われわれは危険にさらされて、極めて脆弱(ぜいじゃく)な状態にある。何か踏み外せば、リセッションに陥るだろう」と話した。
米ADP民間雇用者数、21年初め以来の低い伸び-統計手法は変更
- 8月の民間雇用者数、13.2万人増-市場予想30万人増
- 賃金の伸び、転職者は前年比16.1%増-転職しなかった人の2倍余り
ADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の米民間雇用者数は、比較的低い伸びにとどまった。高インフレと金利上昇を背景に、雇用が鈍りつつある状況が示唆された。ADPは今回から新しい手法で統計をまとめている。
8月の米民間雇用者数は13万2000人増マイナスだった2021年1月以来の低い伸びブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は30万人増7月は約27万人増
ADPはスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボと共同でデータを集計した。ADPは統計手法の見直しを6月に発表し、データ発表を一時停止していた。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「雇用がより保守的なペースにシフトしていることをデータは示唆している。企業は恐らく、経済の相反するシグナルを読み解こうとしている」と発表資料で分析。「雇用が過熱気味に増加していた局面から、より通常のペースへと移る転換点にあるのかもしれない」と指摘した。
業種別で雇用が特に増加したのは、娯楽・ホスピタリティーと貿易・運輸・公益、建設。一方、金融や情報、ビジネスサービス、教育・ヘルスサービスでは減少した。地域別では南部と西部での伸びが目立った。
統計は賃金の伸びについても分析。転職した人の賃金は前年同月比で16.1%増え、転職しなかった人の伸び(7.6%増)の2倍を超えた。
業種別では娯楽・ホスピタリティーと貿易・運輸・公益で、賃金の伸びが特に大きかった。男女別では、女性の方が若干増加ペースが速いという結果も示された。従業員数が500人以上の大企業では賃金が前年同月比8.3%増えた一方、20人未満の小規模企業では5.4%増にとどまった。
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