8/18米国株式市場は小反発。方向感なし次の材料探し。

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8/18(木)の株価

前日比(%)
日経平均28,942.14円-0.96
ダウ平均33,999.04ドル+0.06
S&P5004,283.74ドル+0.23
ナスダック12,965.34ドル+0.21
ラッセル20002,000.72ドル+0.68
米10年国債2.882-0.82
恐怖指数(VIX)19.56-0.34

18日の米国株式市場は3指数共に小反発。方向感なし次の材料探しの面も。

18日の米国株式市場は、3指数共に小幅な反発となった。

全体的には方向感のない展開となっている。インフレ鈍化への期待や企業決算が予想していたほどは弱い内容でなかったことから、6月半ば以降の米株式市場はリバウンド相場の展開を見せている。ただ、弱気相場の一時的な買い戻しとの見方が根強いのも事実で、次の材料探しの面も出ており、ここから先の上値追いに慎重になって来ている気配も出ている。

今週は小売大手の5-7月期決算が発表になっているが、週初のウォルマート(WMT)やホームデポ(HD)は好調だったものの、前日のターゲット(TGT)や本日のコールズ(KSS)はやはり慎重な見通しを示した。

コールズは通期の見通しを従来から想定以上に大幅下方修正した。インフレが需要を抑制し、コストも上昇し続けることを見通しに織り込んだ模様。

前日は7月分のFOMC議事録が公表され、利上げに慎重な雰囲気も垣間見せたことから、市場ではFRBの利上げは今後、緩やかなになって行くのではとの期待も出ている。ただ、9月FOMCについては、市場の見方に変化はなく、0.50%ポイント利上げの確率が60%、0.75%ポイントは40%と変わらず。来週はジャクソンホールでのFRBの年次総会が開催されるが、さらなるヒントを待ちたい雰囲気も出ているようだ。

シスコシステムズ(CSCO)が上昇し、IT・ハイテク株をサポート。前日引け後に5-7月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、第1四半期、23年度通期とも予想を上回る売上高見通しを示している。半導体の供給不足が緩和され、より多くの注文を満たすことができるようになった。

SF連銀総裁、来年の米利下げ観測をけん制-3%超継続を示唆

  • 9月FOMCでは50ないし75bpの利上げが望ましい-デーリー総裁
  • 「インフレとの闘いで勝利宣言するにはあまりに時期尚早」-総裁

米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は18日、高インフレ抑制のためには年末までに3%を「やや」上回る水準に政策金利を引き上げるべきだとの見解を示した。また来年にはそこからさらに引き上げる必要性が出てくるかもしれないとし、来年に利下げへの方向転換を見込む一部の投資家をけん制した。

総裁はCNNインターナショナルのインタビューで、「われわれは政策金利を少なくとも中立水準の約3%に引き上げる必要があるが、恐らく年内に景気抑制的な領域である3%をやや上回る水準に、来年には3%をさらにやや上回る水準とする必要性がありそうだ」と指摘。「利上げ後は水準を維持するという戦略は、歴史的に見て奏功してきたと考えている」と語った。

今年に入ってからの一連の利上げで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは現在2.25-2.5%となっている。6月会合で示されたFOMC参加者の予測中央値によれば、FF金利は今年3.4%に達する見通しだ。

デーリー総裁はまた、今後入手するデータ次第で、9月のFOMC会合での利上げ幅は50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ないし75bpが妥当になるとの認識を示した。

総裁は「物価の安定を取り戻すという点で金融当局には多くの仕事が残されている」とし、「年内の極めて急速な利上げの後に来年は積極的な利下げに転じるという、大きなこぶの形をした金利軌道を描くのは望ましくない」と述べた。

短期金融市場では、政策金利は3.65%でピークを付けた後、2023年を通じて約40bp低下すると見込まれている。

米バリュー株が崩壊の危機、米金利のピークとともにグロース株優勢に

  • 7月はグロース株のアウトパフォームが過去22年で最大に-MSCI
  • 金利とバリュー株の相関性巡りクオンツリサーチは議論

ウォール街が正しければ、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)明けに復活したバリュー株投資は米金利のピークアウトとともに崩壊の危機にある。

JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴなどのストラテジストは、割安株にとって最高の日々は過ぎたかもしれないと警告している。インフレがピークを付けたとの見方を強めた投資家が、石油株や銀行株を手放しているためだ。

MSCI指数によると、平均以上の利益成長が見込まれるグロース株は7月、バリュー株に対するアウトパフォーム幅が過去22年で最大になった。アップルやアマゾン・ドット・コムといった大手テクノロジー銘柄の反発が背景にある。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)が8月初めにまとめた月次ファンドマネジャー調査でも、今後1年間でグロース株がバリュー株をアウトパフォームすると見込む運用者が過去2年間で初めて優勢になった。

ウェルズ・ファーゴの株式戦略責任者クリストファー・ハーベイ氏はインタビューで、「マクロ経済のトレンドは長期的に見るとグロース株に有利だ」と指摘。「バリュー株は通常、リセッション(景気後退)を脱して回復局面に入る場面でパフォーマンスが良くなる。それはバランスシートと営業レバレッジによるものだ」と述べた。

こうした見方はロックダウン明けのウォール街で盛り上がった取引からの方向転換となる。金利とバリュー株には歴史的に見て一貫した相関性は見られないとしてきたクオンツリサーチとも相反するものだ。

今のところバリュー株懐疑派に分があるようだ。ブルームバーグ・インテリジェンスのデータによると、7月はバリュー株を対象とした米上場投資信託 (ETF)から33億ドル(約4460億円)が流出。一方で、グロース株のファンドには7月に38億ドルが流入したのに続き、8月はさらに54億ドルの資金が加わった。

ミスラブ・マテイカ氏らJPモルガンのストラテジストは今週のリポートで、「バリュー株に戻るべきだろうか。まだだ」と記した。「鍵は長期金利の方向性だ」という。

伝統的な考え方のもとでは、エクソンモービルやバークシャー・ハサウェイのようなバリュー株はより景気敏感で短期的なキャッシュフローを生み出す傾向が強い一方、グロース株はより長期的な展望に優れるとされてきた。バリュエーションと期待キャッシュフローが金利動向に強く影響されるグロース株は、金利低下の恩恵をより受けやすいと考えられている。

米金融当局による1980年代以来の大幅利上げにもかかわらず、米金利はピークから低下し、割安株からの資金流出につながっている。

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