年初から大荒れ続く米株相場、底入れ時期を巡り投資家は手探り

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年初から大荒れ続く米株相場、底入れ時期を巡り投資家は手探り

5月も終わりに近づく中、前週の米株市場は週間での連続安に歯止めがかかった。投資家の間では、今年に入ってから最悪の相場下落局面は脱したのではないかとの見方も出ている。

今年はここまで厄介な相場が続いてきたことに疑いはない。S&P500価指数は年初来で約13%下落し、1970年以来の大幅安となっている。その背景には、インフレ抑制を目指す米金融当局が積極的な引き締めに動く中でのリセッション(景気後退)懸念がある。金利上昇はテクノロジー銘柄や成長株の魅力を損ない、ナスダック指数の年初来下落率は約22%と過去最大になっている。

ただ、複数の米金融当局者によるタカ派色を弱めた発言や堅調な個人消費、明るい企業業績が投資家に希望の光を与え、27日のS&P500種は前日比2.5%高となった。

テクノロジー株の売りもいくらか落ち着きつつある。ただ、ナスダック指数の昨年11月高値からの下落率は一時30%近くに達し、世界金融危機時以来で最もきつい下げとなった。27日の上昇後は23%に縮小した。

投資家はボラティリティーの高さにも悩まされてきた。ストラテガス・セキュリティーズによると、S&P500は今年これまでの取引日全体の89%で1日の変動率が1%以上となっている。

こうした流れに逆らっているのが、エネルギー関連銘柄だ。ロシアのウクライナ侵攻で拍車が掛かった原油価格の上昇が背景にある。エネルギー株は年初来上昇率が58%と、他のセクターを圧倒している。

アナリストらは、株式相場が底入れする前にさらなる「ヘッドフェイク」があるかもしれないとみている。しかし、割安なバリュエーションが買い手を呼び戻し始めてもいる。

S&P500種はこれまで、年初100営業日間のパフォーマンスが最も悪かった5年はいずれも年内に反転し、その後の7カ月間で平均19.1%上昇している。一つ注意点があるとすれば、株式市場の取引と投資は1970年代以降、大きく変わったということだ。

【欧州市況】株は1カ月ぶり高値、中国がコロナ対策緩和-独債下落

30日の欧州株は上昇、1カ月ぶりの高値を付けた。中国が新型コロナウイルス対策を一部緩和し、景気回復を期待したリスク志向を押し上げた。

ストックス欧州600指数は0.6%高。4営業日続伸と、3月以降で最長の連続高。消費関連銘柄やテクノロジー株が上げを主導した。一方、通信や公益事業株は下落した。

欧州株は今年に入り、タカ派的な金融当局や成長減速、物価上昇やウクライナでの戦争などで売り圧力を受けている。先週は、割安なバリュエーションや引き続き良好な利益見通しが投資意欲につながり、押し目買いが入った。

欧州債市場ではドイツ債が下落。ユーロ圏国債は軒並み下げた。ドイツのインフレ率が過去最高となり、欧州中央銀行(ECB)への利上げ圧力が高まる中で、短期金融市場の利上げ観測は加速した。

トレーダーは12月までのECBの利上げを計114ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と織り込んでおり、同期間の利上げ観測としては最高となった。

英国債も幅広い年限で売られた。イングランド銀行(英中央銀行)による12月時点の利上げ見通しは計135bpが織り込まれている。27日時点は128bpだった。

ウォラーFRB理事、「数回の会合」での0.5ポイント利上げを支持

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、インフレが米金融当局の目標に向かって緩和するまで0.5ポイントずつ利上げしていくことを望むと述べた。

ウォラー氏は30日、フランクフルトでのイベントに出席し「数回の会合でさらに50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き締めを支持する」と述べ、「具体的にはインフレ率が当局の目標である2%に近づくまで低下しない限り、50bpの利上げを選択肢から除外しない」との考えを示した。

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