12/13米国株式市場は続伸。FOMCはハト派サプライズ。

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12/13(水)の株価

 前日比(%)
日経平均32,926.35円+0.25
ダウ平均37,090.24ドル+1.40
S&P5004,707.09ドル+1.37
ナスダック14,733.96ドル+1.38
ラッセル20001,947.51ドル+3.52
米10年国債4.024-4.28
恐怖指数(VIX)12.19+0.12

13日の米国株式市場は3指数共に続伸。FOMCはハト派サプライズ。

13日の米国株式市場は3指数共に続伸。

午後に発表になったFOMCの結果を受けて米株式市場は買いが強まった。ナスダックも1%超の大幅高。

FOMCはハト派サプライズとなった。政策金利は予想通りに据え置かれたが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)で、来年末時点の金利予想の中央値が4.625%(4.50-4.75%示唆)となっており、これは現行から計0.75%の利下げを見込んでいる。そこまでの利下げ予想は市場も想定していなかったであろう。また、声明でも、これまでの「必要なら追加利上げ実施」のところを「その度合いを精査する」に変えている。FRBはスタンスを市場の期待に傾け、本日のFOMCはハト派サプライズとなった印象が強い。

その後のパウエル議長の会見でも「勝利宣言は時期尚早」と述べる一方で、利下げのタイミングを協議したことも明らかにしていた。

短期金融市場では調子に乗って、来年の利下げ幅を計1.50%近くまで織り込む動きが出ている。FOMC前までは1.00%の織り込みで、エコノミストからは行き過ぎと批判されていたが、さらに期待を膨らませた格好。米国債市場でも政策金利に敏感な2年債が一時0.3%ポイント急低下する場面が見られた。

FOMC、3会合連続で金利据え置き-24年に複数回利下げを予想

  • 24年に3回の利下げを見込む-FOMC参加者の予測中央値
  • 「利下げは視野に入り始めている」-パウエル議長

米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月12-13日に開催した定例会合で、主要政策金利を2001年以来の高水準で据え置くことを全会一致で決定した。金利据え置きは3会合連続。また2024年に複数回にわたって金利を引き下げるとの見通しを示し、積極的な利上げキャンペーンが終了したとのシグナルをこれまでで最も明確に発した。

フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。FOMC参加者の予測中央値では、今後追加利上げはないとの見通しが示された。予測中央値で追加利上げの見通しが示されなかったのは2021年3月以来。

24年については合計で0.75ポイントの利下げを当局者らは予測。9月時点での予測より利下げペースが急になっている。24年末時点でのFF金利については、予測中央値は4.6%だが、FOMC参加者個々の予測はばらつきが大きい。

8人は0.25ポイントの利下げが3回未満とみている一方、5人はそれ以上の利下げを予想している。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の記者会見で、予測はあらかじめ決められた計画ではないと強調。物価上昇圧力が再び台頭しないようにするため、追加利上げの選択肢を外す用意はないとした。ただ、利下げ開始がいつ適切になるかについて今回のFOMC会合で議論したことは認めた。

パウエル氏は「利下げは視野に入り始めており、実社会で話題になっているのは明白だ。今回のFOMC会合でも議論した」と述べた。

FOMCのトーンの変化は、会合後に発表された声明での文言修正でも浮き彫りとなった。声明では「インフレ率を時間とともに2%に戻すために追加引き締めが適切となり得る場合、その程度を決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する」と記述。前回の声明には、「場合」との文言は含まれていなかった。

  またその他の変化として、インフレについて「この1年で緩和したが、依然として高い水準にある」と指摘。さらに、大半の参加者は物価上昇に対するリスクはおおむね均衡が取れているとみている。

今回新たに示された予測では、今年と来年のインフレ予想が下方修正された。金融当局が重視する食品・エネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数は、24年に2.4%上昇を予想。来年の経済成長率についても予想をやや下方修正した一方、失業率の予測は変わらなかった。

FF金利については一段の低下を予想し、25年末時点で3.6%(中央値)と見込んでいる。

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