10/4米国株式市場は反発。ADP雇用統計を受け警戒感一服。

経済ニュース相場分析

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10/4(水)の株価

 前日比(%)
日経平均30,526.88円-2.28
ダウ平均33,129.55ドル+0.39
S&P5004,263.75ドル+0.81
ナスダック13,236.01ドル+1.35
ラッセル20001,729.01ドル+0.11
米10年国債4.735-1.37
恐怖指数(VIX)18.58-1.20

4日の米国株式市場は、3指数共に反発。ADP雇用統計を受け警戒感一服。

4日の米国株式市場は3指数共に反発。

前日は強い雇用指標が急落のきっかけとなったが、この日発表の9月のADP雇用統計は予想を大きく下回り、労働市場の鈍化の可能性を示唆した。米国債利回りも下げに転じ、米株式市場も前日の急落を一服させた。

ただ、前日の急落でダウ平均は年初来の下げに転じている。前日の予想外の求人件数の増加も、いまの株式市場では歓迎されない。典型的な良いニュースは悪いニュースになる状況。

一部のアナリストからは、「FRBのタカ派姿勢が強まるとの見方が米10年債利回りを5%に向かわせ、リスク資産に対する世界的な需要は引き続き低迷している。そのような中で前日の予想外に強い雇用指標はパニックを引き起こした」との指摘も出ている。

「FRBは高金利を長く続けるだけでなく、最終的には追加利上げを余儀なくされるだろう。残念ながら、世界の金融市場にとっては悲惨なシナリオである」とも述べた。

いずれにしろ、金曜日の米雇用統計を受けての反応を確認したい意向もあるようだ。

きょうはエネルギー株の下げが目立った。原油相場が大幅安となっており、WTIが一時84ドル台前半まで急落する中で、エネルギー株も利益確定売りが先行。サウジとロシアが年内まで生産抑制を継続すると再確認しているものの、世界的な金融市場の大幅下落を受けて、原油相場も圧力を受け続けている。世界的な金利先高観に拍車がかかっており、市場全体のセンチメントが悪化しているため、原油価格の上昇も止まっている。

米ADP民間雇用者数、全ての予想下回る-労働需要鈍化の兆し

  • 9月は8万9000人増、2021年1月以降で最も小幅な伸び
  • 同じ職にとどまった人の賃金、ここ2年で最小の上昇率

ADPによると、9月の米民間雇用者数は前月比マイナスとなった2021年1月以降で最も小幅な伸びにとどまった。賃金増のペースも緩やかになっており、複数の業種で労働需要が鈍化している兆候を示した。

データはADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出した。

9月の米民間雇用者数は8万9000人増エコノミスト予想の中央値は15万人増エコノミスト予想の全てを下回る前月は18万人増に上方修正速報値17万7000人増

娯楽・ホスピタリティーが伸びをけん引し、専門職・ビジネスサービス、製造業、貿易・運輸業の落ち込みを相殺した。規模別では大企業が雇用を削減した。

これまでは労働市場が個人消費、ひいては米経済を押し上げる原動力となってきたが、今回のデータで労働市場がさらに減速している兆しが改めて浮き彫りとなった。

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は発表文で「9月は雇用が大きく落ち込んだ」と指摘。「加えて、過去12カ月に賃金も着実に鈍化している」と述べた。

ADPによれば、同じ職にとどまった人の賃金は中央値で前年同月比5.9%上昇と、ここ2年で最も小幅な伸び。転職した人の賃金(中央値)の上昇率も9%と、21年6月以来の弱い伸びにとどまった。

過去数年は賃金が力強く上昇してきたが、労働参加率の上昇に伴い、賃金増のペースも減速し始めている。

従業員500人以上を抱える企業は雇用を8万3000人削減。コロナ禍初期より後で、2番目に大きな落ち込みとなった。地域別では南部を除いて、雇用が全て増加した。

6日に発表される9月の雇用統計では、民間雇用者数が15万5000人増と予想されている。

JPモルガン・チェースのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「ADPと米政府発表の雇用統計の緩い相関関係はさておき、ADPのデータは雇用の伸び鈍化というここ数カ月のトレンドを示している。これは労働市場で起こっているはずのこととおおむね整合すると当社では考えている」とリポートで指摘した。

米ISM非製造業景況指数、9月は活動ペース鈍る-受注落ち込む

  • 9月の非製造業総合景況指数は53.6-前月54.5
  • 新規受注はほぼ6ポイント低下、今年の最低水準

米供給管理協会(ISM)が発表した9月の非製造業総合景況指数は前月から低下し、活動拡大のペースが鈍化した。新規受注の指数が今年の最低水準に落ち込んだ。

非製造業総合景況指数は1ポイント近く低下して53.6ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は53.5前月は54.5指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

業況指数は3カ月ぶりの高水準に上昇したが、新規受注はほぼ6ポイント低下し、サービス需要が弱まり始めている可能性を示唆した。受注は8月に6カ月ぶり高水準となっていた。

業況指数は1.5ポイント上昇して58.8。消費者が支出先を財からサービスにシフトさせる中、サービスセクターは明るい分野となっている。

ビジネス活動が活発になったとの回答比率は約34%と、2022年4月以来の最高に拡大した。

ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は発表文で、「回答者の大半はビジネスの状況に関して楽観的な見方を維持しているが、向かい風の可能性に関して懸念を示唆する回答者もいた」と指摘した。

借り入れコスト上昇や根強いインフレ、賃金の伸び減速を背景に、一部の消費者は既にサービスへの支出に一段と選別的になっている。今月の学生ローン返済再開なども裁量的消費へのリスクとなり得る。

9月は不動産や小売り、鉱業など13業種が活動拡大を報告。一方、農業や娯楽・レクリエーション、宿泊・食品サービスなど5業種では活動が落ち込んだ。

雇用指数は53.4と、前月の54.7から低下した。6日に発表される9月の雇用統計は雇用市場の方向性に関してさらなる手がかりを提供する見通し。

仕入価格指数は前月に続いて58.9と、4月以来の高水準にとどまった。入荷水準の指数は昨年11月以来初めて50を上回り、納入時間が長くなっていることを示唆した。

在庫増減の指数は拡大幅が鈍化、在庫景況感指数も3カ月ぶりの水準に下げた。

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