8/31米国株式市場はダウ平均とS&P500反落。明日の米雇用統計前に調整も。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

8/31(木)の株価

前日比(%)
日経平均32,619.34円+0.88
ダウ平均34,721.91ドル-0.48
S&P5004,507.66ドル-0.16
ナスダック14,034.97ドル+0.11
ラッセル20001,899.68ドル-0.19
米10年国債4.114+0.17
恐怖指数(VIX)13.57-0.31

31日の米国株式市場はダウ平均とS&P500反落。明日の米雇用統計前に調整も。

31日の米国株式市場はダウ平均とS&P500は反落。ナスダック指数は続伸の展開となっている。

取引開始前に発表の7月のPCEデフレータはインフレの鈍化傾向を示し、サポートとなったが、個人消費支出が強い数字となり、景気後退への懸念は後退させているものの、FRBの勝利宣言には程遠く、インフレ抑制を目指すFRBにとって新たな懸念材料との見方も出ていた。

ダウ平均については、採用銘柄のセールスフォース<CRM>が前日引け後の決算を受けて上昇していることがサポートし、続伸して始まったものの、月末ということもあり、明日の米雇用統計を前に今週の上げの調整が出ているとの指摘も出ている。

明日の米雇用統計は次回のFOMCに大きな影響を与えることが予想され、賃金の伸び鈍化が確認できなければ、ソフトランディングは不可能との声も聞かれる。非農業部門雇用者数(NFP)は米労働市場の鈍化傾向を示すと見込まれているが、平均時給についてはなお、前年比で4%台の上昇が見込まれている状況。

きょうは8月の最終売買日だが、今月は米国債利回り上昇や中国経済への不安感を理由にIT・ハイテク株中心に戻り売りが強まり、株価指数も下落した。今週に入って弱い米経済指標を材料に利回りも上げが一服したことから、IT・ハイテク株中心に下げ幅を縮小する動きも出ているが、2月以来の月足陰線となりそうな気配となっている。

米PCEコア価格指数は小幅上昇、個人消費支出は予想上回る伸び

  • 7月のPCEコア価格指数は前月比0.2%上昇、前年比4.2%上昇
  • インフレ調整をした実質PCEは1月以来の大幅な伸び

米個人消費支出(PCE)コア価格指数は7月に前月比ベースで小幅な上昇にとどまり、2カ月間の伸びとしては2020年終盤以来の最小となった。同指数は米金融当局が基調的なインフレの指標として重視している。個人消費を促すとともに、経済はリセッション(景気後退)を回避できるとの期待を高める格好となった。

PCEコア価格指数は前月比0.2%上昇-エコノミスト予想と一致6月も0.2%上昇前年同月比では4.2%上昇-予想に一致PCE総合価格指数は前月比0.2%上昇-予想と一致前年比では3.3%上昇-予想に一致個人消費支出は前月比0.8%増市場予想の中央値は0.7%増個人所得は前月比0.2%増市場予想は0.3%増

インフレ調整をした実質PCEは前月比0.6%増。1月以来の大幅な伸びとなった。

低いインフレの数字は、米金融当局が物価圧力の抑制において過去1年余りに遂げた進展を示す。とはいえ、勝利宣言する状況では全くない。個人消費の強さはインフレ緩和を継続させようと努める当局にとって新たな懸念材料となる。

今回の統計で一つ気掛かりなのは、米金融当局が注視するサービス価格の指数。ブルームバーグの算出によれば、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数は前月比0.5%上昇し、1月以来の高い伸び率だった。ポートフォリオ管理や投資顧問で異例な伸びが示され、指数全体をゆがめる格好となった。このカテゴリーを除いたベースの、いわゆる「スーパーコア」サービス価格指数は前月比で0.25%上昇。

7月は賃金・給与が上昇した一方、個人消費を支える実質可処分所得は前月比0.2%減少した。

財への支出はインフレ調整後で前月比0.9%増と、1月以来の大幅増加。さまざまな財への消費が拡大した。

サービスへの支出は0.4%増と、前月から伸びが加速。外食が増えたほか、平年より気温が高かったことから公益サービスの利用も増加した。「バービー」や「オッペンハイマー」などの映画やコンサートへの支出も伸びに寄与した可能性が高い。

ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール、イライザ・ウィンガー両エコノミストは、「消費の主要なカタリストが夏の大ヒット映画やコンサートツアー、株式相場の上昇と、総じて一過性のものであることから、消費減速は差し迫っているというのがわれわれの見方だ」とコメントした。

貯蓄率は3.5%に低下し、昨年11月以来の低水準となった。最近の消費ペースはこの先持続できない可能性があることが示唆された。

コメント