6/29米国株式市場はダウ・S&P反発。健全性審査結果受け銀行株高い。

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6/29(木)の株価

前日比(%)
日経平均33,234.14円+0.12
ダウ平均34,122.42ドル+0.80
S&P5004,396.44ドル+0.45
ナスダック13,591.33ドル+0.00
ラッセル20001,881.59ドル+1.23
米10年国債3.844+3.47
恐怖指数(VIX)13.54+0.11

29日の米国株式市場はダウ・S&P反発。健全性審査結果受け銀行株高い。

29日の米国株式市場は3指数共に上昇。

きょうのNY株式市場でダウ平均とS&P500は反発。

市場はFRBの利上げ継続姿勢をやり過ごし、代わりに堅調な企業業績に注目。半導体メモリーのマイクロン<MU>が前日引け後に決算を発表し、予想を上回る第4四半期の売上高見通しを示したほか、メモリー業界の底打ちにも言及した。ただ、アナリストの評価は分かれており、マイクロン株は下落しているものの、全体のムードは高めた模様。なお、月末期末に絡んでIT・ハイテク株は利益確定売りがきょうも先行している。

また、大手銀行株の上げがサポートしている。FRBが前日引け後にストレステストの結果を公表し、米大手銀はすべて合格し、3月の米地銀の破綻で落ち込んだ金融セクターへの信頼感が高まったことが示された。株主還元への道が開けたことも好感されているが、すぐには配当や自社株買いにはつながらない可能性もある。新たな自己資本規制が明確になるまで、多くの大手銀が発表を控えると予告している。今年の審査基準は3月の地銀混乱の前に発表されている。

パウエルFRB議長は前日のECBフォーラムで年内に少なくとも2回の利上げが必要だと述べていた。想定通りもしくはそれ以上にタカ派色を強調していたが、株式市場はやり過ごしている。4月上旬以来、米経済指標のサプライズの度合いが強まっており、FRBは7月に追加利上げを実施する勢いだ。市場も約85%の確率で見ている。パウエルFRB議長は前日のECBフォーラムで、あと2回の追加利上げの可能性を示唆していたが、9月以降の追加利上げに関しては市場も確証を持てない状況のようだ。半々といったところ。7月26日のFOMCから9月20日のFOMCまで、米雇用統計、米消費者物価指数(CPI)とも2回発表されることから、その結果を確認したい意向が市場では強いものと見られる。

一部からは、「われわれは綱引きを見ている。市場はFRBの発言を受け入れていない。パウエル議長の発言でさえ、株式市場のセンチメントを大きく揺さぶるには至っていない。特にIT・ハイテク株やAI関連企業の業績見通しが劇的に悪化しない限り、市場の楽観姿勢が消えるのを見るのは難しいだろう」との声も出ていた。

依然として米経済はリセッション(景気後退)に向かうというのが市場のコンセンサスだが、現在では、景気後退は懸念されていたよりも深刻なものにはならないとの楽観的な見方が広まっている状況。しかし、「FRB、経済指標、AIの話、すべてがうまく行かないと、ここからの上値追いは難しい。S&P500はすでに、ほぼ完璧な着地点を想定した値付けになっており、何か問題があれば下落につながる可能性がある」との声も聞かれる。

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