3/6米国株式市場は横ばい。FRB議長議会証言や雇用統計に注目。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産

3/6(月)の株価

前日比(%)
日経平均28,237.78円+1.11
ダウ平均33,431.44ドル+0.12
S&P5004,048.42ドル+0.07
ナスダック11,675.74ドル-0.11
ラッセル20001,899.75ドル-1.48
米10年国債3.971+0.15
恐怖指数(VIX)18.61+0.12

6日の米国株式市場は、3指数共に横ばい。FRB議長議会証言や雇用統計に注目。

6日の米国株式市場は、ダウ平均とS&P500指数はプラス圏内。ナスダック指数はマイナス圏内となった。

今週末の米雇用統計や明日のパウエルFRB議長の最新のコメントで埋め尽くされる1週間を前に全体的に様子見気分が強く小幅な値動きに終始した。

市場からは株価と企業業績との間にかい離が見られるとして、春以降の株式市場に警戒感を示す声も根強い。FRBの利上げがどこまで続くのか、そして、大きく後退しているが、市場ではなお温存している年内利下げへの期待をどう扱えば良いのか迷いは多いようだ。

市場からは「景気後退を恐れるなら米10年債を買えばよい。いまの株式は負けが確定しており、バリュエーションが大幅に下がるのを確認するまでは、先週の上昇を信用しないことだ」といった声も出ている。

今週は金曜日の米雇用統計に向けて神経質な展開も想定される。1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が51.7万人増まで拡大していたが、市場はそれが異常値であったのかどうかを確認したがっている。現在は20万人増がコンセンサスとなっているが、再び波乱の内容となるか注目される。また、パウエルFRB議長の議会証言については、タカ派姿勢の継続が予想されるが、これまでと変化はなく、バランスを取ってくるものと見られているようだ。

市場では引き続き米株式市場の先行きに対してネガティブな見方が多い中、一部のストラテジストからはポジティブな見方も出ている。米国株市場はタカ派的なFRBを既に十分織り込んでおり、最近の上昇を拡大する余地があるという。昨年6月16日以降、FF金利は計3.00%ポイント上昇したが、S&P500は11.7%のトータルリターンを生み出していることに留意すべきだと述べている。そのうえで「弱気相場であるかのような取引はすべきではない。なぜなら、そうでないからだ」と述べている。また、中型の成長株が最高のリスク・リワードを提供する可能性があるとの見解を改めて示した。

FRB議長証言やCPI、米株の行方占う13営業日の4大イベント

  • 利上げ軌道に関する手掛かりを投資家は議会証言から探ることになる
  • 2月の米雇用統計、CPIに続き22日にはFOMCが政策決定を公表

今週からの13営業日にかけ予定される四つの主要イベントは、年初来の株式相場の回復が頓挫するか、2月の落ち込みを経て順調な展開が再開するか占う重要な契機となりそうだ。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が7日に上院銀行委員会で行う半期に一度の議会証言から全ては始まる。議長は翌8日にも下院金融委員会で証言する。S&P500種株価指数が先週、過去1カ月で最も大幅な上昇を演じた後、米連邦準備制度の利上げの軌道に関する手掛かりを投資家は議会証言から探ることになろう。

バワーゾック・キャピタル・パートナーズのファウンディングパートナー、エミリー・ヒル氏は「市場はパウエル議長が言及する一つ一つの前向きな言葉にすがろうとしている。今年行ったスピーチで『ディスインフレーション』という単語が議長の口をついて出るや否や、相場は急上昇した」と指摘する。

パウエル議長の議会証言に続き、10日には2月の米雇用統計、14日には同月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。非農業部門雇用者数の伸びとインフレの過熱が再び数字で示されれば、米連邦準備制度が利上げから早期に手を引くとの期待を打ち砕くことになりかねない。

ヒル氏によれば、「経済には非常に相反するシグナルが存在する。そのため今後の経済指標には投資家からの過剰反応が予想される」という。

22日には連邦公開市場委員会(FOMC)による金融政策決定と四半期ごとの金利予測が公表され、パウエル議長が記者会見に臨む。その後は、連邦準備制度が今後数カ月のうちに利上げを停止するかどうかを巡り、投資家はかなり明確な考えを持つことになるはずだ。

投資家はこれらのほとんどに不安を感じている。シティグループの集計データによると、フォワード・インプライド・ボラティリティーはCPI発表日(14日)が32、FOMC最終日(22日)が36となっており、トレーダーが一定の大きな変動を見込んでいることを意味する。

シティの米株トレーディング戦略責任者スチュアート・カイザー氏によれば、雇用統計発表日(10日)のフォワード・インプライド・ボラティリティーは26にとどまり、市場がそのリスクを過小評価している様子がうかがえる。

フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が、現時点の実効FF金利を1ポイント近く上回る5.4%で9月にピークに達する見通しを市場は織り込んでいる。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)には、今月中の31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)前後の引き締めが反映されており、連邦準備制度が再び大幅な利上げを決定する可能性にトレーダーは備えているようだ。

ベアードの市場ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は電話取材に対し、「ターミナルレート(利上げの最終到達点)が5%から5.5%に上がれば逆風だろうが、昨年のように株式相場を急降下させることはなかろう。昨年は最悪シナリオがどのようになるか分からなかったが、今年は結末の可能性の幅がはるかに狭まっており、投資家にとってそれは好ましい」と語った。

コメント