3/1米国株式市場はS&P500とナスダック続落。製造業データ受け利上げ懸念高まる。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

3/1(水)の株価

前日比(%)
日経平均27,516.53円+0.26
ダウ平均32,661.84ドル+0.02
S&P5003,951.39ドル-0.47
ナスダック11,379.48ドル-0.66
ラッセル20001,8998.43ドル+0.08
米10年国債3.996+1.78
恐怖指数(VIX)20.58-0.12

1日の米国株式市場は、S&P500とナスダック続落。製造業データ受け利上げ懸念高まる。

1日の米国株式市場は、S&P500とナスダック指数は続落。ダウ平均はプラス圏内となった。

中国のPMIが強い内容だったことから、米株式市場も下支えされていたが、上値は依然として重い。

2月分のISM製造業景気指数が発表され、判断基準の50を4カ月連続で下回っていた。新規受注は予想外に盛り返したが、堅調と思われていた雇用指数が50以下に再び低下している。脆弱な需要とインフレ圧力の高まりの中で、米製造業のセンチメントは依然として収縮領域に留まっている。拡大を報告したのは14業種中4業種だけとなった。ただ、米株式市場も敏感に反応していたものの、大きな動きには至っていない。

きょうから3月相場に入るが、強い米経済指標を受けたFRBのタカ派姿勢と高金利の長期化観測などで、2月の株式市場は弱気相場を再認識させられた。ただ、3月に発表される米経済指標はこのところの需要減を反映し、2月ほどは強くないとの見方も出ているようだが、果たして3月相場は前月から回復できるか注目される。

米ISM製造業指数、2月は改善もなお縮小圏-仕入れ価格急上昇

  • 2月の製造業総合景況指数は47.7に小幅上昇、市場予想は48.0
  • 仕入れ価格の指数は51.3、昨年9月以来の50超えでコスト上昇示唆

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数は6カ月ぶりに上昇した。ただ、不安定な需要と高まるインフレ圧力を背景に、製造業活動は依然として縮小圏にとどまった。

ISM製造業総合景況指数は47.7ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は48.0前月は47.4-2020年5月以来の低水準50が活動の拡大と縮小の境目を示す

2月は製造業の14分野で活動が縮小。印刷や紙製品、木材製品などで縮小が目立った。拡大は4分野だった。

ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は「新規受注が依然、振るわなかった。価格水準や納入のリードタイムに関して、買い手と供給業者の間で話がまとまりにくいためだ。ただ2月は新規受注の指数が上昇しており、そうした状況に進展があったことを示唆している」と発表文で指摘。「回答企業は引き続き、企業活動の鈍さが予想される今年上期は現在の従業員数を維持し、下期の好転に備えようとしている」と分析した。

新規受注の指数は2月に、前月比の伸びが2020年以来の大きさとなった。ただ、なお50を下回っており、受注縮小が続いたことが示唆された。生産の指数は47.3に低下。在庫の指数は前月とほぼ同水準だった。

仕入れ価格の指数は51.3と、2カ月連続で上昇。昨年9月以降初めて50を上回り、コスト上昇を示した。雇用の指数は49.1に低下し、人員数の減少が示唆された。

米地区連銀総裁2人、一段の利上げに傾く-インフレに歯止めかからず

  • 5-5.25%に引き上げ、来年もしばらく維持を-ボスティック総裁
  • 3月利上げ幅、25bpか50bpにオープンマインド-カシュカリ総裁

米地区連銀総裁2人が1日、政策金利を一段と引き上げて来年にかけて高水準に維持する必要があると主張した。数十年ぶりの積極的な利上げにもかかわらず、米国のインフレに鈍化の兆しがほとんど見られないためだ。

アトランタ連銀のボスティック総裁は「フェデラルファンド(FF)金利を5-5.25%に引き上げ、2024年もしばらくその水準で維持する必要があると考える」と同連銀のウェブサイト上に掲載された文書で指摘。「これにより引き締め政策が経済に浸透し、最終的に総供給と総需要のバランスが改善し、インフレ率を低下させることになる」と論じた。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げペース加速を支持するかどうかまだ決めていない。

同総裁はサウスダコタ州スーフォールズで開催されたイベントに出席。質疑に対し「25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)か50bpかについて、現時点ではオープンマインドでいる」と回答。「私にとっては、当局の金利予測分布図(ドットプロット)で示唆する内容の方が、25bpか50bpかどうかよりはるかに重要だ」と述べた。

FOMCは1月31日、2月1日両日の前回会合で0.25ポイントの利上げを決め、FF金利の誘導目標レンジを4.5-4.75%とした。利上げ幅は昨年12月会合時の0.5ポイント、それ以前の4会合での0.75ポイントずつに比べて縮小させた。

カシュカリ総裁は「利上げがサービス部門の減速につながっている兆しがまだあまり見られず、それが気掛かりだ」と指摘。「賃金の伸びは実際、当局の2%インフレ目標と整合するには高過ぎる」と述べた。

最近発表された幾つかのデータは、1月のインフレが予想より加速していたことを示した。物価上昇ペースが鈍化していた2022年の終盤から、予想外の反転となった。労働市場も引き続きタイトで、1月の非農業部門雇用者数は前月比51万7000人増と、市場予想を大幅に上回った。

ボスティック総裁はアトランタ連銀のサイトに掲載した同文書で「インフレを完全に抑え込む前にわれわれが手を緩めれば、物価高騰は再燃し得るというのが歴史の教訓だ」とし、「1970年代にそれが起き、破滅的な結果を招いた」と指摘した。

カシュカリ総裁はインフレ率を引き下げることが、引き続き米金融当局の最優先課題だと発言。「通常、金融当局が利上げによってリセッション(景気後退)を引き起こした場合、回復は非常に速いものとなり得る」と述べた。

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