12/5米国株式市場は反落。インフレの勢いが依然強い

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

12/5(月)の株価

前日比(%)
日経平均27,820.40円+0.15
ダウ平均33,947.10ドル-1.40
S&P5003,988.84ドル-1.79
ナスダック11,239.94ドル-1.93
ラッセル20001,840.22ドル-2.78
米10年国債3.592+1.93
恐怖指数(VIX)20.75+1.69

5日の米国株式市場は、3指数共に反落。インフレの勢いが依然強い

5日の米国株式市場は、3指数共に反落。

この日発表のISM非製造業景気指数が予想を上回り、サービス業のインフレの根深さも示された。パウエルFRB議長は先週の講演で、サービス業のコアインフレは、今後の全体のコアインフレを理解する上で最も重要なカテゴリーかもしれないと指摘していた。

市場は来週のFOMCを前に更なる経済指標を待っている。パウエル議長が先週の講演で12月に0.50%ポイントに利上げペースを縮小させる可能性を示唆したことから、市場ではその利上げ幅をほぼ確実視している。注目は今回の利上げサイクルのターミナルレート(最終到達点)に移っているようで、その意味でも来週のFOMCでの委員の金利見通し(ドット・プロット)に注目が集まっている。

先週末に予想を上回る米雇用統計が発表され、株式市場は動揺したが、一時的な動きに留まった。更なる買い戻しへの期待も高まっているが、最近の上昇により、株式市場のリスク・リワードは恐らく限界に達しているとの指摘も出ている。さらなる上昇のためは、金利が下がる必要があるとし、弱気相場が本格的に戻ってくる前に利益確定売りを推奨する向きもいる。

中国経済への警戒感も依然として根強い中で、株式市場は本格的なリスク選好の雰囲気には容易には戻れないようだ。

きょうはテスラが下落。中国・上海工場で減産に踏み切る方針だと伝わった。中国の需要が期待に届いていないことを示す新たな兆候だという。減産は今週にも実施される見通しで、この措置で生産が約20%減る可能性があるとしている。

円のビッグショート、2023年は劇的なUターンへ-市場関係者が予想

  • ジュピターやアバディーン、野村など多数が円上昇を見込む
  • 日銀降参は時間の問題か、3-6カ月でYCC放棄とFテンプルトン

円は世界の主要通貨の中で最悪のパフォーマンスとなっているが、2023年には劇的なUターンを演じそうだ。タカ派的な米連邦準備制度とハト派的な日本銀行という二つの円安の原動力が、立場を逆転させると一部投資家はみている。

今年の大半を通じ、ドルに対してショートする通貨として好まれてきた円だが、来年は現水準から7%余り上昇する可能性があると、バークレイズと野村ホールディングスが予想。フォントベル・アセット・マネジメントは適正価格を1ドル=100円未満だと見積もる。これは現在より30%以上の円高になる。ステート・ストリート・グローバル・マーケッツは米国の積極的利上げへの懸念が後退し円が急反発すると予想し、ティー・ロウ・プライスは日銀が今よりもタカ派的になることで円が上昇する余地があるとの見方を示した。

ティー・ロウの世界マルチアセット責任者、セバスチャン・ページ氏は「恐らく、ドルに対する円の弱さはピークに近づいている」とした上で、米金融当局が遂に利上げを停止した時に「日銀が若干積極的になることで市場を驚かせ」、円を押し上げる可能性があると分析した。

円に対する強気は、ヘッジファンドが円のショートをこれ以上ないほど積み上げていた9月とは様変わりだ。急ピッチの利上げを続けた米国と超低金利を維持した日本との利回り格差が広がる中で、円はドルに対する年初来の下げが一時25%に達した。  

だが、政府・日銀の市場介入と米連邦準備制度の利上げペース鈍化への期待を追い風に、円は10月の安値から12%余り上昇。日銀が4月以降に新総裁の下で政策を調整するとの観測も円反発に拍車をかけそうだ。

円が上昇すれば、数千億ドルの資本が日本に回帰したり日本の輸出業者が打撃を受けたりする可能性があり、影響は日本国内にとどまらない。円を調達通貨としたキャリートレードの需要も後退するだろう。

5日の円相場は1ドル=135円前後。10月には30年ぶり円安の151円95銭を付けた。

円高予想の多くは米金利が急速にピークに近づいており、当局は景気下降局面に利下げを迫られるという見方に基づいている。ジュピター・アセット・マネジメントやアバディーンなどのファンドは、来年はその可能性が高いとみている。

アバディーン・スタンダード・インベストメンツの植田八大プロダクト・スペシャリスト部長は、米当局が2023年に速やかに比較的ハト派寄りの姿勢へと転換するだろうとみており、円が1ドル=130円まで上昇すると予想。ドルには今年のような上昇の原動力がないと指摘した。

先物市場は米金利が来年半ばごろにピークを付けるとの見通しを示唆している。

複数のファンドはまた、先進国・地域の主要中銀の中で最後までハト派的な政策を固持している日銀が降参するのは時間の問題だとみている。それは黒田東彦総裁が来年4月に退任した後になる公算が大きいが、円上昇をさらに勢い付かせるだろうと、ジュピターのマネーマネジャー、マーク・ナッシュ氏(ロンドン在勤)は述べた。「来年のある時点で日本も当然、利上げをするだろう」と話す同氏は、1ドル=120円近辺まで上昇する可能性を見込む。

海外のファンドが好む10年物の円スワップレートは、日銀が設定する10年物国債利回り上限の0.25%を大きく超えて上昇している。これは日銀がイールドカーブコントロール(YCC)政策を調整するとトレーダーらが見込んでいることを示す。

フランクリン・テンプルトンのソナル・デサイ債券担当最高投資責任者(CIO)は、日銀が向こう3-6カ月の間に10年債のイールドコントロールをやめる可能性があると予想し、「その時にはドルが完全に」下落に向かい、円が上昇するだろうと話した。

金融政策正常化と依然として安い円相場という組み合わせは、円の安全資産としての地位も急速に回復させる公算がある。11月の最後の数日には中国の新型コロナウイルス対策を巡る懸念から安全資産の需要が高まり、円がアウトパフォームした。

フォントベルのシニア投資ストラテジスト、スベン・シューベルト氏は、景気下降への懸念が市場に広がればこうした傾向が強まると予想。「米国のリセッション(景気後退)が質への逃避につながる可能性が高く、円の追い風になり得る」と述べた。安全資産としてスイス・フランも有望視しているものの、今年の下落のため「円の出発点はより極端だ」と指摘した。

米ISM非製造業景況指数、予想外に上昇-業況指数が急激な伸び

  • 11月の非製造業総合景況指数は56.5、市場予想は53.5への低下だった
  • 業況指数は64.7と2021年3月以来の大幅上昇、同年12月以来の高水準

米供給管理協会(ISM)が発表した11月の非製造業総合景況指数は、市場予想に反して上昇した。業況指数の伸びが2021年3月以来の大きさとなり、サービス業活動の堅調さを示唆した。

非製造業総合景況指数は56.5前月は54.4ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想(中央値)は53.5への低下だった指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

ISM製造業指数の生産に相当する業況の指数は64.7と、水準で見ると21年12月以来の高さとなった。 

1日に発表されたISM製造業指数は20年5月以降で初めて縮小圏に陥っており、非製造業指数の堅調な伸びはそれと対照的だ。

11月は非製造業の13業種が活動拡大を報告。不動産やレンタル・リース、鉱業、農業などで特に伸びが目立った。

雇用の指数は51.5と、前月(49.1)から改善。一方、新規受注は低下した。依然として高水準のインフレと借り入れコスト上昇を背景に、一部の消費者は支出を抑えている。

仕入れ価格指数は前月から低下したものの70.0と、なお高水準。コロナ禍前の水準を大きく上回ったままで、インフレの抑え込みに時間がかかる可能性が示唆された。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は11月の非製造業指数が上昇したことについて、「ホリデーシーズンで事業者の活動が活発になった」と指摘。「財部門ではディスインフレ傾向が一段と広がっているが、非製造業指数の仕入れ価格サブ指数は、サービス業におけるインフレの勢いが依然強いことを裏付けた」と記した。

世界的な需要の弱さは米国のサービス事業者も圧迫している。新規輸出受注は38.4に落ち込み、コロナ禍初期以来の低水準。

サプライチェーンへの圧力は緩和し、入荷遅延指数が20年2月以来の低い水準となった。

テスラの上海工場で減産計画と関係者、需要低迷の兆候-株価下落

  • 今週にも減産、生産は約20%減る可能性も-関係者推計
  • 減産計画は「誤った情報」、中国国営メディアが匿名関係者を引用

電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、中国・上海工場で減産に踏み切る方針だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。中国の需要が期待に届いていない新たな兆候が示された。5日午前の米株式市場でテスラは値下がりした。

情報が公になっていないとして匿名を条件に話した関係者によると、減産は今週にも実施される見通し。この措置で生産が約20%減る可能性があると関係者は推計している。

テスラは中国国内市場の当面の動向を評価した結果、今回の決定に至ったと関係者の1人が述べた。需要が拡大すれば、増産に転じる柔軟性は十分あるとも語った。

テスラの中国駐在担当者はコメントを控えた。中国国営メディアの上海証券報はテスラに詳しい複数の関係者の話として、上海工場での減産計画というのは「誤った情報」だと伝えた。関係者の名前は明示していない。

ニューヨーク時間午前9時58分現在、テスラ株は4.6%安の185.83ドル。年初来では約47%下げている。

コメント