11/15米国株式市場は反発。米PPIがピーク示す

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

11/15(火)の株価

前日比(%)
日経平均27,990.17円+0.10
ダウ平均33,592.92ドル+0.17
S&P5003,991.73ドル+0.87
ナスダック11,358.41ドル+1.45
ラッセル20001,889.20ドル+1.50
米10年国債3.766-2.56
恐怖指数(VIX)24.54+0.81

15日の米国株式市場は3指数共に反発。米PPIがピーク示す

15日の米国株式市場は、3指数共に反発。

取引開始前に発表になった米生産者物価指数(PPI)が先週の米消費者物価指数(CPI)と同様に、インフレのピークの兆しを示唆したことが株式市場の買い戻しを強めていた。

市場からは、「FRBの軸足変更が早まった可能性もある。必要なのは、現場の価格が実際にどうなるのか。そして、上がっていないことを認識することだ」との声も出ていた。

中国の動向もセンチメント改善に寄与しているという。前日の米中首脳会談で両首脳が、両国間の緊張緩和を呼び掛けたことや、中国政府がゼロコロナ規制を緩和方向へ傾けようとしているほか、不動産セクターへの支援などもあり、市場には中国経済に対する楽観論が広がっている。

ロシアのロケット弾がNATO加盟国のポーランドに着弾し、2人が死亡したと伝わった。ポーランドのモラウィエツキ首相は、臨時の国家安全保障会議を招集。このニュースをきっかけに一気にリスク選好の雰囲気が後退し、株価が下げに転じる場面が見られた。

買い戻しが続いている米株式市場だが、いずれ悪循環に陥るとの慎重な声も出ている。株式市場の上昇はインフレ対策に反する動きでもあり、FRBはあまり気分が良くないという。一方、先週からの反発で下振れリスクは確実に緩和されているとも指摘。そのため、株式市場は年内は多少の変動があっても上昇を続ける可能性があるが、2023年に入ると高金利が実際の経済活動を鈍らせ始めていることが意識され、株式市場を圧迫する可能性が警戒されるという。

米生産者物価指数、伸びが予想以上に鈍化-インフレ圧力緩和示す

  • 10月の総合PPIは前年同月比8%上昇、前月比では0.2%上昇
  • 財の価格はコアベースで低下、サービス価格も下げる

10月の米生産者物価指数(PPI)は前年比での伸びが市場の予想以上に鈍化した。インフレ圧力が緩和し始めている兆候が新たに示された。

米PPIは前年同月比で8%上昇-1年余りで最も低い伸び市場予想の中央値は8.3%上昇9月は8.4%上昇(速報値8.5%上昇)に修正前月比では0.2%上昇-市場予想は0.4%上昇9月は0.2%上昇(速報値0.4%上昇)に修正食品とエネルギー除くコアPPIは前年同月比6.7%上昇ー市場予想7.2%上昇9月は7.1%上昇(速報値7.2%上昇)に修正前月比では変わらず-予想0.3%上昇9月は0.2%上昇(速報値0.3%上昇)に修正

先週発表された10月の消費者物価指数(CPI)でも伸びは予想を下回り、急速な物価上昇ペースがようやく鈍化し始めている兆候として市場では前向きに捉えられていた。

米総合PPIは3月に前年比11.7%上昇でピークを付けた後、伸びが鈍化。サプライチェーンの改善や需要減速、多くの商品の値下がりが背景にある。10月は食品とエネルギーを除いたベースで財の価格が低下。サービス価格は2020年以来初のマイナスとなった。

物価指標を注視している米金融当局が近く利上げペースを減速させると、市場は予想している。ただ、当局者らはインフレ退治の姿勢を崩してはいない。 

これまでに多くの企業が投入・労働コストの大部分を消費者に転嫁してきているが、一部企業は最近、景気の先行き不透明感を背景に一段と積極的な値上げに消極的な姿勢を示している。 

10月は財の価格が前月比0.6%上昇。食品とエネルギーの値上がりを反映した。サービス価格は0.1%低下。貿易や輸送、倉庫などでコストが下がった。

食品とエネルギー、貿易サービスを除くPPIは前月比0.2%上昇。前年比では5.4%上昇と、2021年5月以来の低い伸びだった。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「10月のPPI統計では、財とサービスの最終需要で価格上昇ペースが減速した。これは、特に財のセクターで需給要素のバランスが改善しつつあることを示唆している」と分析した。

生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財のコストは低下。食品とエネルギーを除いたベースでは、中間財は0.8%低下と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以降で最大の値下がりとなった。

【ウクライナ】ポーランドにもミサイル着弾の報道、政府が緊急会合

  • ロシアは約100発のミサイル発射、10月10日上回る-ウクライナ政府
  • ポーランド政府、臨時の国家安全保障会議を招集

ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドを襲い、2人が死亡したと、AP通信が報道した。ポーランドは臨時の国家安全保障会議を招集したと、政府報道官がツイッターで明らかにした。同国政府は現地時間15日午後9時(日本時間16日午前5時)から緊急会議を開くと、ニュースウェブサイト「Onet.pl」は伝えた。

ポーランドのラジオ局Zetも国内でのミサイル着弾について報道。ウクライナとの国境から約6キロメートルの地点にロケット弾が落下したと伝えた。

ロシアはウクライナに大規模なミサイル攻撃を仕掛けた。その数時間前にウクライナのゼレンスキー大統領は、和平交渉実現にはロシアが国境を受け入れ、ウクライナ全土から軍を撤退させる必要があると演説していた。

キーウのクリチコ市長によると、市内集合住宅にミサイル1発が着弾し、少なくとも1人が死亡。市民の半分が停電に見舞われているという。また重要なインフラが攻撃を受けたため、西部リビウなど戦線から遠く離れた都市でも停電が発生している。インドネシアのバリ島では20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれている最中で、米ホワイトハウスはロシアの攻撃を非難した。

G20の首脳らに向けてゼレンスキー大統領は、「ロシアが戦争を終わらせたいと言うのであれば、行動で証明する必要がある」と演説した。ブルームバーグが確認したG20の共同声明草案によると、大半の国はウクライナ侵攻でロシアを非難する見通しだ。

ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

ロシアが約100発のミサイル発射、10月10日上回る規模

ウクライナ軍報道官によると、約100発のミサイルが黒海やロシアのロストフ州、カスピ海から発射された。ウクライナ北部や中央部で最も大きな被害が出ていると、大統領府のティモシェンコ副長官がテレグラムで説明した。約100発という規模は、ウクライナ全土が幅広い攻撃にさらされ多数のエネルギーインフラが破壊された10月10日を上回る。

この攻撃について、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は15日の発表文で「プーチン氏の戦争が引き起こす不安定化の影響に対するG20の懸念を深めるだけだ」と指摘。米国と同盟国はウクライナに対空システムを含む防衛能力の供給を続けるとし、「必要なだけウクライナを支援する」と付け加えた。

ロシア・ガスプロムのガス輸出、数年ぶり低水準を更新

ロシア国営の天然ガス企業ガスプロムは、今月1-15日の主要市場向け1日当たりガス輸出量が再び減少し、10月に付けた数年ぶりの低水準を更新した。

ウクライナ支援への報復として、ロシアはパイプライン経由の欧州向け供給を数カ月にわたり減らし続けている。一方、欧州は供給源を多様化し冬を前にガス備蓄を進めたため、供給不安は最近後退。欧州連合(EU)域内のガス貯蔵率は12日までの週に95.5%に上っていた。

EU、ウクライナ兵の軍事訓練を正式開始

欧州連合(EU)は最大1万5000人のウクライナ兵に対し、新たに軍事訓練を施す。訓練は軍事活動計画・指揮能力局(MPCC)の指揮の下、ポーランドを含むEU域内で行われる。

EUはまた、ウクライナ向けの弾薬・軍備品供給費用として1600万ユーロ(約23億円)を承認した。

ロシア、穀物輸出合意の延長に同意する見通し

ロシアは穀物など農産物の安全な黒海経由の輸出を保障する合意の延長に同意する見通しだ。この合意は世界に不可欠な食料供給を確保するため、国連などが仲介していた。

ウクライナ大統領、G20で和平交渉開始の条件を明示

ウクライナのゼレンスキー大統領は20カ国・地域(G20)首脳に対し、和平交渉実現に向けロシアに要求する最重要項目を明示した。ロシアは第一にザポリージャ原発から軍を撤退させ、原発管理を国際原子力機関(IAEA)とウクライナに移管し、戦争捕虜の交換と強制移住者の帰還を完了する必要があると主張。また、国連総会の決議に従ってウクライナの領土を受け入れ、全ての部隊を撤収させた上で国境管理をウクライナに委ねることもロシアに求めた。

ウクライナはロシアが先月行った攻撃でエネルギーシステムが逼迫(ひっぱく)。これを踏まえゼレンスキー氏は、国土防衛のため同国は友好国からの対空・対ミサイルシステムの追加供給を必要としていると訴えた。国連の代表団が重要なエネルギーインフラを査察し、損壊の規模と必要な支援額を査定することも求めた。

事情に詳しい関係者によると、ゼレンスキー氏の演説時にはロシアのラブロフ外相も退出せずに席にとどまった。事情に詳しい関係者によると、演説終了後に根拠のない非難を再び繰り返したという。

G20、大半の首脳がロシア非難に合意

15日にインドネシアのバリ島で開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議の後に発表される予定の共同声明草案によれば、大半の加盟国はウクライナでの戦争を強く非難する。

コメント