9/28米国株式市場は急反発。米国債利回り低下により。

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9/28(水)の株価

前日比(%)
日経平均26,173.98円-1.50
ダウ平均29,683.74ドル+1.88
S&P5003,719.04ドル+1.97
ナスダック11,051.64ドル+2.05
ラッセル20001,715.24ドル+3.17
米10年国債3.735-5.51
恐怖指数(VIX)30.18-2.42

28日の米国株式市場は急反発。米国債利回り低下

28日の米国株式市場は3指数共に急反発する展開となる。

いくつかのテクニカル指標は売られ過ぎのサインが出ており、値ごろ感の買い戻しが活発化したようだ。ただ、来月以降に発表される7-9月期決算への警戒感や、FRBの利上げの影響をまだ完全に織り込んでいないことを懸念する声は根強い。

トラス英首相の経済政策の発表で英国債とポンドの市場が不安定になっている。英国債は急速に売られ、利回りが急上昇しているが、英中銀がきょう英国債の無制限購入を発表し、ひとまず落ち着いている。それを受け英国債と伴に米国債利回りも低下し、米株式市場の買戻しを誘っていた面もあったようだ。

ドラッケンミラー氏、来年にリセッションが起きなければ「驚き」

  • 来年末までの「ハードランディングが当社の中心シナリオ」
  • 株式相場は約10年にわたって今と同様の水準で推移へ-同氏

資産家スタンレー・ドラッケンミラー氏は2023年のリセッション(景気後退)を予想しており、その後10年にわたって市場は低迷する可能性があるとみている。

ドラッケンミラー氏は28日、ニューヨークで開かれたCNBC主催の会議で「来年にリセッションが起きなかったら驚きだ」と発言。「実にひどいものとなる可能性も排除しない」と述べた。同氏はデュケーヌ・ファミリーオフィスを運営する。

同氏はリセッションに至る要因として、世界で30兆ドル(約4340兆円)に達した大規模な量的緩和を挙げ、来年末までの「ハードランディングが当社の中心シナリオだ」と語った。

株式相場は約10年にわたって相対的に今と同様の水準で推移すると、ドラッケンミラー氏は予測。ただし、こうした環境でも稼ぐことは可能だとし、中央銀行に対する不信が強まれば、仮想通貨は恩恵を受ける可能性があるとの見方を示した。

英中銀、長期の英国債を購入-市場沈静化に必要なだけ行う

  • 来週予定の保有国債売却開始も延期、国債相場の一段安を警戒
  • 30年債利回りは100bp超える低下、10年債下回る-ポンドは反発

イングランド銀行(英中央銀行)は国債市場の崩壊を防ぐため劇的な形で介入に入った。英国の長期国債を無制限で購入すると表明した。

トラス政権の大型減税案が引き起こした影響に対応した。事情に詳しい関係者によると、28日午後にも担保請求が英国債のさらなる急落を引き起こしかねないとの警告を受けて、英中銀は介入を決定した。

英中銀は同日午後に期間20年以上の英国債を対象に購入を開始。購入額は10億ポンド(約1570億円)強と、1回につき最大50億ポンドとしていた発表時の規模を下回った。購入オペは10月14日までの毎営業日継続する。

中銀の発表は、英国債市場に即座に影響を及ぼした。30年物利回りは過去最大の低下。発表前には一時、1998年以来の高水準を付けていた。

中銀はまた、10月3日に予定されていた保有国債の売却(量的引き締め=QT)の開始を同月31日まで遅らせることも明らかにした。ただ、年間の保有額削減目標は800億ポンドで変更していない。

この措置は中銀の金融行政委員会(FPC)が勧告したもので、市場の機能不全が続けば金融安定への「重大なリスク」になりかねないためだという。そのような状態は「金融環境の不当なタイト化と実体経済への与信減少につながる」と中銀は説明。金融政策としての決定ではないとしている。

中銀は「この購入の目的は秩序だった市場環境を回復することだ。目的達成に必要なだけの規模を購入する」との声明を発表。英国債購入の費用は財務省によって全額補填(ほてん)されるという。購入は厳密に期間を限って行い、「長期国債市場の特定の問題に対処することを意図している」と説明した。

30年債利回りは一時106ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して3.93%と、10年債利回りを下回った。この逆転は2008年以来。10年債利回りは49bp低下して4.01%。ポンドは0.8%高の1.0817ドルに反発した。

中銀によれば、財政政策に対する金融政策の対応は恐らく11月に行う。「金融政策委員会(MPC)は次回の定例会合で最近のマクロ経済的展開を十分に検証し、適切に行動する」とし、「必要なだけ金利を変更することをためらわない」と表明した。

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