9/13米国株式市場は急反落。米CPIの結果失望感。

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9/13(火)の株価

前日比(%)
日経平均28,614.63円+0.25
ダウ平均31,104.97ドル-3.94
S&P5003,932.69ドル-4.32
ナスダック11,633.57ドル-5.16
ラッセル20001,831.57ドル-3.91
米10年国債3.414+1.67
恐怖指数(VIX)27.27+3.40

13日の米国株式市場は3指数共に急反落。米CPIの結果に失望感。

13日の米国株式市場は、3指数共に5日ぶりの急反落。

8月の米消費者物価指数(CPI)に失望感が強まった。総合指数で前年比8.3%と前回よりはやや鈍化したものの、予想を上回る内容となった。ガソリン代の負担は軽減されたものの、食品を始め、生活費がなお高騰している状況を映し出している。CPI全体の約3分の1を占める住居費は1990年代初期以来の伸びとなった。

市場は今回の米CPIにインフレのピークを示すとの過度な期待を抱いていた。9月のFOMCは0.75%ポイントの利上げで変わらないものの、米CPIを受けて、それ以降のFOMCではFRBのタカ派姿勢が緩むと期待していた。しかし、市場からは、11月のFOMCも0.75%ポイントの利上げが有り得るとの指摘も出ているほか、9月に1.00%ポイントとの見方も出ていた。

市場からは、「きょうのCPIはインフレが戻るまでに長い道のりがあることを思い知らされた。インフレが下降軌道に乗り、FRBがアクセルを緩めるという希望的観測は少し時期尚早だったのかもしれない」といった声も聞かれる。

米国債利回りが急上昇していることから、IT・ハイテク株を中心に売りが膨らみ、全面安の展開。エネルギー、銀行、産業も戻り売りに押されている。

米CPI、8月は予想上回る伸び-大幅利上げの可能性強まる

  • 総合CPIは前月比0.1%上昇、市場予想は0.1%低下だった
  • 米金融当局のインフレ目標達成は前途多難であることを示唆

8月の米消費者物価指数(CPI)は再び、伸び加速を示した。米金融当局が今月20-21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続となる0.75ポイントの利上げを決めることは確実になったとみられる。

総合CPIは前月比0.1%上昇ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は0.1%低下7月は横ばいだった前年同月比では8.3%上昇-市場予想は8.1%上昇7月は8.5%上昇だった変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.6%上昇-市場予想は0.3%上昇7月は0.3%上昇だった前年同月比では6.3%上昇-市場予想は6.1%上昇7月は5.9%上昇だった

ガソリン代の負担はいくらか軽減されたものの、インフレの加速は、生活費がなお高騰している状況を映し出している。物価圧力は依然として歴史的に高水準かつ広範で、米金融当局のインフレ目標達成は前途多難であることを示唆している。

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、インフレ抑制の「任務が完了するまで」金融当局が尻込みすることはないと言明。複数の金融当局者は0.75ポイント利上げへの支持を表明していた。

8月CPI統計発表後、米国債利回りが急上昇し、外国為替市場ではドルが上昇。短期金融市場は来週のFOMC会合での0.75ポイント利上げを完全に織り込んだ。

ウェルズ・ファーゴのチーフエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は、次回のFOMC会合では「間違いなく0.75ポイントの利上げとなるだろう」と発言。「11月会合では0.5ポイントに戻すのではないかと考えていた。現時点では、11月も0.75ポイントが確実と言っていいだろう」とブルームバーグテレビジョンで語った。

食品コストは前年同月比で11.4%上昇と、1979年以来の大きな伸び。電気代は同15.8%上昇し、1981年以来の高い伸び率となった。一方でガソリン価格は前月比で10.6%低下し、過去2年余りで最大の下げとなった。 

サービス分野で最大の構成要素でCPI全体の約3分の1を占める住居費は上昇が継続。前月比で0.7%、前年同月比で6.2%それぞれ上昇した。どちらも1990年代初期以来の伸びとなっている。

インフレの高止まりでバイデン大統領の支持率は下がっており、11月の中間選挙で議会の主導権を維持したい民主党にとって逆風となっている。

インフレは引き続き実質賃金を圧迫。別の統計によれば、インフレ調整後の実質平均時給は前年同月比2.8%減と、昨年4月からのマイナスが続いた。ただ前月比では2カ月連続で増加した。

8月CPIについてブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン氏とアンドルー・ハズビー氏は、「ガソリン値下がりで他の価格も下がると多くが見込んでいたが、コアCPIが驚くほど強かったことは、今や賃金がインフレの主要なけん引役となっていることを示している」と指摘。「米金融当局者はすでに賃金・物価スパイラルに強い懸念を持っており、2023年前半も利上げを継続する公算が大きい」と述べた。

来週のFOMC、1ポイント利上げの公算大きい-ノムラ

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのエコノミストは来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合について、インフレ上振れリスクの顕在化により、1ポイントの利上げ決定が見込まれるとした。従来予想は0.75ポイントの利上げ。

雨宮愛知氏らエコノミストはリポートで、ターミナルレート(利上げの最終到達点)については2023年2月までに4.50-4.75%と予想。これまでの予想を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げた。11月会合では引き続き0.5ポイントの利上げを見込み、12月会合の利上げ幅予想は従来の0.25ポイントから0.5ポイントに引き上げた。

リポートでは、8月の米消費者物価指数(CPI)により、幅広い財・サービスの分野における「一連のインフレ上振れリスク顕在化の可能性が示唆された」と指摘。「労働市場の過熱、持続不可能なほど力強い賃金上昇、インフレ期待の高まりに伴ってインフレがますます固定化するのに対応するため、一段と積極的な利上げ経路が必要になることが一層明確になってきたと考える」と記した。

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