6/17米国株式市場は小反発。変動幅の大きい一週間となる。

経済ニュース相場分析

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6/17(金)の株価

前日比(%)
日経平均56,963.00円-1.77
ダウ平均29,888.78ドル-0.13
S&P5003,674.84ドル+0.22
ナスダック10,798.35ドル+1.43
ラッセル20001,665.69ドル+0.96
米10年国債3.237-0.46
恐怖指数(VIX)31.13-1.82

17日の米国株式市場は小反発。値動きが大きく週間では下落となる。

17日の米国株式市場は、株価は小幅な動きの展開。ダウ平均はマイナス圏内。S&P500とナスダック指数はプラス圏内で終了する。

原油相場が大幅安となっていることからエネルギー株が下落したほか、医薬品やヘルスケアなどディフェンシブ株も軟調。一方、IT・ハイテクは上昇した。

前日の急落を一服させた。ただ、基本的なムードに変化はなく、買戻しの動きも限定的となった。市場はFRBの積極利上げによるリセッション(景気後退)を警戒している。市場では、年内の景気後退はないものの、来年にかなり危険度を高めているようだ。

今週はFRBを始め、各国中銀の利上げが相次ぎ、世界の株式はパンデミック以来の最悪の週の1つとなった。小売売上高から住宅着工まで、いくつかの重要な米経済指標が弱い内容だったことも圧迫した。今週のS&P500は5.8%下落し、2020年3月以来の下落率となった。

ただ、投資家のリスク許容度は完全には失われていないようで、米大手銀の報告によると、6月15日までの1週間に米株式市場に148億ドルが流入し、6週連続のプラスとなった。下値では押し目買いを入れている可能性を示すデータではある。

市場からは、問題は引き締めサイクルが完全に織り込まれる前に、どこまで下落するか。利上げサイクルがいつまで続くのか、景気後退があるとすれば、どの程度なのかを投資家は自問している。一方、底値が接近している可能性もあり、そこへ到達すれば、反発する可能性が高い。ただ、そのタイミングを計るのは非常に難しいという。

米政権と議会民主党、インフレ抑制で新たな経済対策を協議

米ホワイトハウスと議会民主党は、インフレとの闘いと財政赤字の抑制、さらにバイデン大統領の経済アジェンダでまだ実現に至っていない項目の一部復活を狙いとした法案について、協議が進んだ段階にある。

協議に詳しい複数の関係者によれば、法案の概要についてはまだ交渉中だが、インスリン価格の上限設定や、クリーンエネルギーと化石燃料の両方への連邦政府による投資が含まれる可能性が高い。また財政赤字の一段の縮小や、富裕層や企業に対する増税も盛り込まれる見通しだという。

FRB、物価安定回復へのコミットメントに「条件ない」

  • 労働市場はなおタイト、労働需要が供給を上回る
  • 力強い労働市場を支えるには物価の安定が必要-FRB

米連邦準備制度理事会(FRB)は、物価抑制のために必要な措置を講じると表明。力強い労働市場を支えるには物価の安定が必要だとあらためて指摘し、インフレ抑制へのコミットメントに「条件はない」と強調した。

FRBは17日に公表した半期に一度の金融政策報告で、「米連邦公開市場委員会(FOMC)は、高インフレが特に、生活必需品のコスト上昇への対応が最も厳しい層に多大な困難をもたらしていることを極めて強く認識している」とし、「物価の安定回復へのFOMCのコミットメントに条件はない。物価安定は力強い労働市場の維持に必要なものだ」と説明した。

報告では、金融当局がインフレ高進への対応で利上げを実施する中で金融環境は今年「顕著に」引き締まったと指摘。株式は値下がりし、社債利回りは上昇していると説明した。ロシアによるウクライナ侵攻後には商品市場で資金調達圧力が生じたが、金融システムは「強靱(きょうじん)さ」を維持したとも記した。

ステーブルコインなどのデジタル資産で最近見られる混乱は、そうした市場の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにしていると指摘した。

労働市場については、現在のところなおタイトなように見受けられると指摘。労働需要が供給を上回る状況が続いており、一部の雇用主は採用に苦慮していると説明。ただ、「労働市場の逼迫(ひっぱく)がやや緩和している可能性を示す兆候が最近になって出てきている」と指摘。一部指標は賃金の伸びが鈍化している可能性を示しているほか、一部の連銀管轄地区では雇用主が労働者を確保する環境がやや改善していると記した。

金融引き締め「適切ではない」、黒田総裁が緩和継続を強調-日本

  • 長期金利の許容変動幅の拡大は「考えていない」
  • 為替相場をターゲットに金融政策は運営しない

日本銀行の黒田東彦総裁は17日、現時点での金融引き締めや利上げは景気の下押し圧力になり「適切でない」との見解を示した。海外中央銀行が相次いで利上げをする中、現行の緩和政策を続ける姿勢を一段と鮮明にした。

黒田総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、日本経済は回復途上にあり「しっかりと支えていく必要が金融政策にある」と指摘し、「仮にさらに必要があれば、ちゅうちょなく金融のさらなる緩和をする用意がある」と話した。政策再点検も「現時点で必要とは考えてない」と説明した。

イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の下での長期金利の許容変動幅拡大も「考えていない」と否定。海外金利が上昇した場合は国債購入増額などでYCCの維持が可能との見方を示した。国債市場の流動性については、「十分に注視して適切な対応を取る」と話した。

最近の急激な円安進行は日本経済にマイナスとする一方、安定的な円安であればプラスとの見解に変更があるのかとの質問には、明確に答えなかった。為替相場をターゲットに金融政策を運営することはないとの立場を表明した。

会合では、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。海外中央銀行による相次ぐ利上げの潮流に乗らず、円安や金利上昇といった市場の圧力に屈しなかった格好。声明文では、リスク要因として金融・為替市場の動向や経済・物価に与える影響を「十分注視する必要がある」との表記を加えた。

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