6/8米国株式市場は下落。原油価格上昇インフレ長期化の懸念強まる。

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6/8(水)の株価

前日比(%)
日経平均28,234.29円+1.04
ダウ平均32,910.90ドル-0.81
S&P5004,115.77ドル-1.08
ナスダック12,086.27ドル-0.73
ラッセル20001,891.00ドル-1.49
米10年国債3.023+1.48
恐怖指数(VIX)23.96-0.06

8日の米国株式市場は3指数共に下落。原油価格が上昇インフレ長期化の懸念強まる。

8日の米国株式市場は、3指数共に下落となる。

原油相場に買いが強まり、WTIが一時123ドル台まで上昇する中、インフレ長期化への懸念が強まった。米国債利回りも上昇しており、株式市場を圧迫したようだ。

このところの米株式市場は方向感のない展開が続いており、次のアクション待ちの雰囲気が強まっている。目先は米消費者物価指数(CPI)がポイントとなる。FRBの積極的な利上げを追認する高インフレが見込まれている。その結果に株式市場がどう反応するか注目される。

FRBがパンデミック時代の緩和政策を打ち切り、成長とインフレのバランスをどう取るのかを市場は注目している。今回の米CPIが想定以上に強い数字であれば、今年に入ってからの急速な下落で底を打ったかどうかを議論している市場が動揺するリスクも指摘されている。

石油価格、ピークの水準にはまだ「ほど遠い」-UAEエネルギー相

石油輸出国機構(OPEC)の主要加盟国であるアラブ首長国連邦(UAE)は、中国で回復しつつある需要が既にタイトな世界市場をさらに圧迫する恐れがあるとして、原油価格はピークの水準にはまだ「ほど遠い」との見方を示した。

OPECと非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は先週、原油供給拡大ペースの加速で合意した。ただUAEの見解は、同増産決定が今夏のエネルギー価格高騰の緩和にはほとんど寄与しないことを認めた格好だ。OPEC諸国は計画通りの供給引き上げに苦慮しており、生産を拡大できる余力のある産油国は限られていると、UAEのマズルーイ・エネルギー相は述べた。

マズルーイ氏は8日、ヨルダンでの会議で「今の石油消費ペースでは価格はピークにはほど遠い。なぜなら中国がまだ戻っていないからだ」と述べ、「中国が戻れば消費は増えるだろう」と続けた。また、新型コロナウイルス禍から需要が完全に回復するのに伴い、世界規模で投資を拡大しなければOPECプラスは十分な供給を確保できないとの警戒感も示した。

さらにロシア産石油・ガスが市場から完全に排除されれば、価格は「これまで見たことのない」水準へと上昇する可能性があるとも述べた。

世界経済はウクライナでの戦争によって成長鈍化、インフレ高進、長期にもわたる恐れのあるサプライチェーンへのダメージという「高いコスト」を支払うことになるだろうと、経済協力開発機構(OECD)が指摘した。

OECD経済見通し、成長率大幅下方修正-インフレ予想ほぼ2倍

OECDは8日発表した経済見通しで、今年の世界成長率を3%と予想。昨年12月時点の4.5%から下方修正した。加盟38カ国のインフレ率予想は9%付近とほぼ倍増させた。2023年については2.8%への成長鈍化を見込んだ。 

OECDは、ウクライナ戦争のコストはさらに高くなる可能性もあると警告。ロシアから欧州への供給が突然止まるリスクや、高い負債水準と資産価格による金融市場の脆弱性を指摘した。

OECDは経済見通しで「世界経済にはここ数カ月に幾つかの重大な変化があった。新型コロナウイルスのオミクロン変異株の世界的な広がりやインフレ圧力の予想以上の持続などだ」とした上で、「しかしながら最大の変化はウクライナ戦争による経済への影響だ」との認識を示した。

前日に公表された世界銀行と同様の暗い見通しはロシアのウクライナ侵略による経済的な影響がより深く、広範に及び、財政政策と金融政策の適切な設定をより困難にすることを示唆した。OECDは4月には、不確実性を理由に完全な経済見通しを発表しなかったため、ロシアのウクライナ侵攻開始後に詳細な見通しを示したのは今回が初めてとなる。 

  その他の指摘と主要地域の成長率予想は以下の通り。

  • 欧州はロシア産燃料への依存脱却に苦戦しているため、ウクライナ戦争の長期化や激化によるリスクが最も大きい地域の一つ
  • 中国のゼロコロナ政策は引き続き世界経済見通しを圧迫
  • 米国の物価上昇は需要過熱に起因しているので速いペースでの金融政策引き締めが可能
  • 米成長率予想は22年が2.5%、23年が1.2%
  • ユーロ圏成長率予想は22年が2.6%、23年が1.6%
  • 日本の成長率予想は22年が1.7%、23年が1.8%
  • 中国の成長率予測は22年を4.4%に引き下げ、23年は4.9%

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