6/21米国株式市場は続落。FRB議長が議会証言で追加利上げ示唆。

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6/21(水)の株価

前日比(%)
日経平均33,575.14円+0.56
ダウ平均33,951.52ドル-0.30
S&P5004,365.69ドル-0.52
ナスダック13,502.20ドル-1.21
ラッセル20001,863.01ドル-0.20
米10年国債3.727+0.08
恐怖指数(VIX)13.20-0.68

21日の米国株式市場は、3指数共に続落。FRB議長が議会証言で追加利上げ示唆。

きょうのNY株式市場でダウ平均は3日続落。米株式市場では先週までの上げで高値警戒感が出ており、それを正当化する次の材料を必要としている。ナスダックは主要な上値抵抗線を突破したことで、出来高の増加と幅広い市場参加者に支えられ、米株式市場は買われ過ぎの水準に到達している状況。

 きょうはパウエルFRB議長の下院金融委員会での議会証言が行われていたが、ちょうどよいきっかけとなった模様。議長は事前原稿で「金利は年末までに幾分高くなると当局者は見ている。インフレを2%に戻すにはまだ長い道のり」と言及していたことで株式市場はタカ派な雰囲気と受け取った模様。IT・ハイテク株中心に利益確定売りに押された。

 市場からは、「ここ数週間、株価は上昇するばかりでほっとしている。今週のFRBの講演者は利上げを続けるという話に集中しそうだ。そして、そのことが、特にIT・ハイテク株のような成長に依存する高値圏の銘柄に一服感を与えている」との見方が出ていた。

パウエルFRB議長、金利上昇が必要-議員からは銀行規制で圧力

  • 政策は入手するデータに基づき会合ごとに判断へ-パウエル議長
  • 銀行の規制強化についてのFRB計画について説明求める声も上がる

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米経済成長を長期の潜在成長率を下回るペースに減速させ、物価圧力を抑制するために、政策当局者らは金利が上昇する必要があるとみていると述べた。その上で、追加利上げのタイミングについては今後入手するデータに左右されると説明した。

パウエル議長は21日、米下院金融委員会で半期に一度の議会証言に臨んだ。議長は過去1年余りの利上げペースについて触れ、「プロセスのより早い段階では、スピードは非常に重要だった」とした上で、「今はあまり重要ではない」と述べた。

冒頭証言後の質疑応答で議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)の今後の計画について、向こう数カ月に利上げを継続するが、ペースはより緩やかなものにすることが理にかなう可能性があると回答。冒頭証言では、追加利上げのタイミングは入手するデータに左右されると述べていた。

FOMCは先週13、14両日の会合で政策金利を据え置いた。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5-5.25%。ただFOMC参加者の予測中央値では、政策金利は年末までに5.6%に上昇すると見込まれており、0.25ポイントの利上げがあと2回行われることが示唆されている。

銀行監督

また質疑応答では議員から、今年春に起きた複数の銀行破綻を受け、地銀や大手行の監督・規制をどう強化していくのか、FRBの計画について説明を求める声も上がった。

パウエル議長は、FRBは銀行規制の変更についてまだ投票を行っていないとしつつ、スタッフは検討中のいくつかの修正について説明を受けたと回答。米大手行の「資本は極めて十分」だとしたほか、FRBは中小規模の銀行の事業モデルに悪影響をもたらさないよう慎重になる必要があると語った。

冒頭証言では、議長は「同僚と私は高インフレがもたらしている困難を理解しており、インフレ率を目標の2%へと戻すことに引き続き強くコミットしている」と言明。「われわれは、入手するデータとそれらが経済活動とインフレの見通しに対して持つ意味合いの全体像、さらにリスクのバランスに基づき、今後も会合ごとに判断を行っていく」と述べた。

パウエル議長は「FOMC参加者ほぼ全員が、年末までに幾分かの追加利上げが適切になると予想している」と発言。「インフレ鈍化には、経済成長が潜在成長率を一定期間下回ることと、労働市場環境の幾分かの軟化が必要になる可能性が高い」と指摘した。

ペース減速

パウエル議長は利上げペースの減速について、自動車走行における速度減速に例えた。議長は「幹線道路を時速75マイル(約120キロメートル)で走行していたとして、その後に地域の主要道に入った時点で速度を50マイルに落とす」とし、「さらに目的地に近づき、その目的地を探そうとする中で、スピードをさらに落とす」と説明した。

議会証言の準備原稿は、先週のFOMC後の記者会見での発言とおおむね同内容だった。

冒頭証言では、失業率は5月に3.7%に上昇したものの、労働市場について「非常にタイト」だと発言。その上で、「労働市場の需給がよりバランスの取れた状態になりつつある兆候がいくらか見られる」と述べた。

このほか、3月の銀行破綻を受けた米与信環境の引き締まりに対するFRBの認識についても触れた。この認識については、16日に公表された半期に一度の金融政策報告に記された。

議長は「経済は、家計と企業に対する与信環境引き締まりに伴う逆風に直面している。この逆風は、経済活動や採用、インフレへの重しとなる可能性が高い」としつつ、「そうした影響の程度については引き続き不透明だ」と述べた。

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