4/28米国株式市場は続伸。米経済指標、根強いインフレ示唆。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

4/28(金)の株価

前日比(%)
日経平均28,856.44円+1.40
ダウ平均34,098.16ドル+0.80
S&P5004,169.48ドル+0.83
ナスダック12,226.58ドル+0.69
ラッセル20001,768.98ドル+1.01
米10年国債3.430-2.72
恐怖指数(VIX)15.78-1.25

28日の米国株式市場は3指数共に続伸。米経済指標、根強いインフレ示唆。

28日の米国株式市場は、3指数共に続伸。

前日はメタ<META>の決算を受けて市場全体のムードが高まっていたが、序盤はIT企業の決算が逆に重石となっていた模様。

前日引け後に発表されたアマゾン<AMZN>の決算がネガティブな雰囲気を広めていた。売上高、1株利益とも予想を上回り、同社の稼ぎ頭であるアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)も予想外に好調だった。同社株は決算発表直後に時間外で2桁の大幅高となっていたが、説明会を受けて急速に失速している。4月のAWS事業の成長が第1四半期のペースから伸びが鈍化していると述べたことが失望感を誘った模様。同社株は下げに転じている。

また、ピンタレスト<PINS>やスナップ<SNAP>も決算を受けて冴えない反応を示している。一方、インテル<INTC>は決算自体は冴えなかったものの、その後の説明会を受けて上昇。アナリストからは底打ちの可能性も指摘されていたようだ。

いまのところ、決算シーズンは全体的に予想以上に好調で、S&P500企業のうち261社が発表を終えているが、約80%が予想を上回る1株利益を報告している。来週はFOMCが控えているが、その前にショートポジションを解消しておこうという動きが出ているのかもしれない。

しかし、市場からは楽観的な声は少ない。「市場は事前に最悪のシナリオを想定し、予想自体を下方修正していた。そのことが今回の決算へのポジティブな反応の主因だ」との指摘も出ている。

来週のFOMCについては、0.25%ポイントの利上げとの見方で変化はない。利上げ停止の可能性を強調するかどうかが注目されるが、足元の経済指標からはその可能性は低そうだ。

FRBのバー副議長(銀行監督担当)の発言が伝わり、SVBの破綻を、リスク管理の甘さとFRBの監督不行き届きにあるとし、米金融機関を監督する方法を徹底的に見直すよう呼びかけた。副議長は、FRBはストレステストや流動性要件など、資産1000億ドル以上の金融機関に適用される様々な規則を再検討すると報告書で語っている。市場は銀行への規制強化で融資が減少し、それが景気に与える影響を危惧している。

米PCEコア価格、根強いインフレ示唆-5月利上げの論拠強まる

  • コア価格指数は2カ月連続で前月比0.3%上昇、前年比では4.6%上昇
  • 実質個人消費支出は横ばい、財・サービスともに振るわず

3月の米個人消費支出(PCE)統計で、基調的インフレの高止まりが明らかになった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週の会合で追加利上げを実施する論拠が強まった格好だ。

PCEコア価格指数(食品とエネルギー除く)は前月比0.3%上昇市場予想に一致-2月も0.3%上昇前年同月比では4.6%上昇(市場予想4.6%上昇)PCE総合価格指数は前月比0.1%上昇市場予想に一致前年同月比では4.2%上昇(市場予想4.1%上昇)

米金融当局は総合価格指数で2%を目標にしている一方、物価のトレンドを測る上ではコア指数の方が優れているとみている。

今回のPCE価格指数と、別途発表された1-3月の米雇用コスト指数はいずれも、来週のFOMC会合で0.25ポイントの追加利上げが行われるとの見方を強める内容だ。PCE価格指数の前年比上昇率はピークこそ過ぎたが、2%に戻す道のりは平たんではない。

3月のPCE価格指数で一つの明るい材料は、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数が、ブルームバーグの試算で0.2%上昇に減速したことだ。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がこの指標に注目している。ただ、前年同月比では4.5%上昇と、なお高い伸びが続いている。

ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は「この日のデータは5月2、3両日に開かれるFOMC会合での0.25ポイント追加利上げに向け、強力な支えとなった。一部の当局者は、金利が十分に景気抑制的な水準になお達していないと思うかもしれない。われわれの基本シナリオは来週の会合で追加利上げを実施した後、長期にわたって休止するというものだが、さらなる措置が必要になるリスクが高まっている」と述べた。

家計は堅調な労働市場と過剰貯蓄を背景に、支出に回せるだけの資金を保有してきたが、その勢いは失われ始めている。実質PCEは3月に前月比横ばいとなった。財とサービスへの支出がともに振るわなかった。2月は0.2%減少(速報値0.1%減)に下方修正された。

インフレ調整後で財への支出は前月比0.4%減と、3カ月ぶりの大きな減少。自動車購入の落ち込みが特に目立った。サービス支出は0.1%増。

  個人所得は前月比0.3%増。市場予想は0.2%増だった。

実質可処分所得は前月比0.3%増。賃金・給与はインフレ調整前で0.3%増と、2カ月続けて同じ伸びとなった。貯蓄率は5.1%で、2021年12月以来の高水準。

コメント