9/2米国株式市場は下落。雇用統計後の上げ失う。

経済ニュース相場分析

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9/2(金)の株価

前日比(%)
日経平均27,650.84円-0.04
ダウ平均31,318.44ドル-1.07
S&P5003,924.26ドル-1.07
ナスダック11,630.86ドル-1.31
ラッセル20001,809.74ドル-0.72
米10年国債3.193-2.02
恐怖指数(VIX)25.47-0.09

2日の米国株式市場は3指数共に下落。ノードストリームで雇用統計後の上げ失う。

2日の米国株式市場は、3指数共に下落。

取引開始前に発表になった8月の米雇用統計を受けて、序盤の株式市場は買い戻しを強めた。中盤になって市場はリスク回避の雰囲気を一気に強め、売りが急速に強まった。

きっかけはロシアのガスプロムがメンテナンスのために稼働を停止していたノルドストリームを、新たな技術的問題が発見されたとして、予定通り再開できないと発表したこと。ただ、株式市場を急落させるほどの材料とも思えず、地合いの弱さを感じさせる展開が見られていた。

米雇用統計については、依然としてタイトな米労働市場に若干の緩和の兆しを見せた。非農業部門雇用者数(NFP)は31.5万人増と予想を若干上回った一方、失業率は3.7%に悪化した。注目だったのが労働参加率が62.4%に上昇したこと。特に女性が参加率を押し上げたようだ。パンデミックで労働市場から一時離れていた人々が戻りつつあるのかもしれない。労働人口が増加するにつれ賃金の伸びは鈍化し、いずれインフレの落ち着きに貢献する可能性がある。

先週のパウエルFRB議長の講演から、市場はタカ派なFRBを警戒していたが、きょうの米雇用統計はその懸念を一服させている模様。今月のFOMCでの0.75%ポイントの利上げ期待は依然として高いが、確率は従来の70%から55%程度に低下している。

市場からは、「米雇用統計は最近の株式市場に蔓延している最悪の恐怖を和らげるもの。しかし、頑強な賃金上昇がFRBを攻撃的な道に向かわせる可能性があり、われわれはまだこの危機を脱したわけではないことに改めて注意を払う必要はある」との声も聞かれた。

8月の米雇用者数、予想上回る31万5000人増-労働参加率が上昇

  • 失業率は3.7%に上昇、6カ月ぶり高水準-市場予想3.5%
  • 平均時給は前月比0.3%増に鈍化、前年同月比では5.2%増

米国の雇用者数は8月に堅調な伸びを示し、市場予想を上回った。労働参加率の改善により失業率は上昇。米金融当局にとっては強弱入り交じる内容となった。

非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比31万5000人増加ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は29万8000人増前月は52万6000人増(速報値52万8000人増)に下方修正家計調査に基づく8月の失業率は3.7%-6カ月ぶり高水準市場予想3.5%前月3.5%-前月から上昇したのは1月以来

雇用者数の増加ペースは7月に比べて鈍化したものの、なお底堅く、インフレ高進と金利上昇、経済見通しの不確実性の中でも健全な労働需要があることが示された。労働力への需要の強さは引き続き消費支出の支えとなる。

ただ、8月は労働参加率が上昇。これが賃金の前月比の伸びを一段と鈍化させる可能性がある。インフレ圧力が和らぎつつある兆しでもあり、金融当局にとって朗報になりそうだ。トレーダーの間では統計発表後、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で3回続けて0.75ポイントの利上げが決まるとの織り込みが若干後退した。市場の関心は今後、FOMC前に発表される消費者物価指数(CPI)に移ることになる。

米連邦準備制度理事会(FRB)元理事で現在はシカゴ大学ブース経営大学院の経済学教授であるランドール・クロズナー氏は、「これこそ米金融当局が求めているものだ」と指摘。「より多くの人が労働市場に戻りつつある。これは市場の引き締まりを和らげる一助になる」とブルームバーグテレビジョンで話した。

8月の労働参加率は62.4%に上昇。2020年3月以来の高水準と一致した。25-54歳では82.8%と、前月比の伸びは20年6月以来の大きさ。ティーンエージャーの参加率も急上昇した。

平均時給は前月比0.3%増加(前月は0.5%増)。労働力需給のミスマッチが賃金を押し上げてきたが、ここにきて需給が均衡しつつある兆しが出てきた。前年同月比では5.2%伸びた。

雇用の伸びは、プロフェッショナル・ビジネスサービスやヘルスケア、小売りなどで特に目立った。一方、娯楽・ホスピタリティーは、20年12月に雇用が減って以来の小幅な伸びとなった。

ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏らは「より多くの人が労働力に加わった8月統計は、ソフトランディング(景気の軟着陸)を目指す金融当局にとって、いくつかの好材料を含む」と指摘。この基調が持続する限り、雇用の力強い伸びが続いたとしても賃金上昇率は鈍化していく可能性があるとの見方を示した。

ウォン氏らは一方で、労働人口の高齢化と新型コロナウイルス後遺症の影響はともに、労働参加率がパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻るペースが緩やかにとどまることを示唆するとも分析した。

週平均労働時間は34.5時間と、わずかに減少した。

米住宅販売、1年半ぶりに成約価格が売り手の希望価格下回る

米国では住宅販売の平均成約価格が約1年半ぶりに希望価格を下回った。不動産サイト運営レッドフィンのデータで明らかになった。

主な要因は住宅ローン金利の急上昇だ。これにより住宅購入が厳しくなり、購入希望者の多くが脇に追いやられた。結果的に売り手はより安い売却価格を受け入れざるを得ない状況だ。

レッドフィンによれば、8月28日までの4週間で希望価格に対する成約価格は平均で99.8%に低下した。100%を下回ったのは2021年3月以来となる。

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