8/30米国株式市場は続落。株3日続落、利上げ継続意識し債券下落。

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8/30(火)の株価

前日比(%)
日経平均28,195.58円+1.14
ダウ平均31,790.87ドル-0.96
S&P5003,986.16ドル-1.10
ナスダック11,883.14ドル-1.12
ラッセル20001,855.59ドル-1.45
米10年国債3.116+0.13
恐怖指数(VIX)26.210.00

30日の米国株式市場は3指数共に続落。株3日続落、利上げ継続意識し債券下落。

30日の米国株式市場は3指数共に3日続落。

序盤は買い先行で始まったものの、上値での戻り売り圧力が強く、上げを維持できずに失速。この日発表の米消費者信頼感指数や米求人件数が予想以上に強く、FRBのタカ派姿勢を正当化する内容だったことも売りを強めた。

上値の重さを嫌気した売りがIT・ハイテク株中心に加速し、銀行や産業、エネルギーといった他のセクターにも売りが広がり、ほぼ全面安の展開となった。

先週のパウエルFRB議長の講演で、FRBはたとえ経済的痛みを伴っても利上げを継続する意志が示された。最近の指標がインフレ低下の可能性を示唆しているにもかかわらず、FRBがインフレ抑制にコミットたことは、年末に向けてタカ派色が薄れるという市場の期待を裏切る形となった。

市場からは、「6月からのサマーラリーはあくまで一時的なもので、投資家は引き続き選択性を保ち、ヘルスケアや高配当銘柄などディフェンシブセクターに注目すべき」といった声や、「市場が安定化するまでには、もう少し痛みが伴う。株価は最近の安値を試す可能性もあるが、それ以上は大きくは下がらないだろう」といった声も聞かれた。

米地区連銀総裁、インフレとの闘い継続を強調-利上げ幅は明言避ける

  • 需要の抑制には政策金利を3.5%超に上げる必要-ウィリアムズ氏
  • インフレ鈍化明白なら利上げ幅縮小もあり得る-ボスティック氏

米金融当局者らは、9月連邦公開市場委員会(FOMC)会合での具体的な利上げ幅について明言を避けつつも、先週のジャクソンホール会合(米カンザスシティー連銀主催シンポジウム)に続きインフレ退治にコミットしていく姿勢を強調した。

30日は3人の地区連銀総裁が、約40年ぶり高インフレを抑えることを最優先課題だとの見方をそろって示した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、2%の物価目標を達成するためには、いずれ政策金利を3.5%超まで引き上げる必要があるとの見方に同意した。

同総裁は、最近のインフレ指標には希望が持てるとしつつ、労働市場が依然として強い中で物価上昇はなお急過ぎると指摘。「しばらく景気抑制的な政策が必要になるだろう。これは短期間だけ実行して軌道修正するようなものではない」とし、「インフレ率を下げるためにはこの政策スタンスを維持する必要があるとみている。需要を供給に見合う水準まで抑えていくには長い時間が必要で、おそらく来年も続くだろう」と述べた。

過去2回のFOMCでは、政策金利はそれぞれ0.75ポイント引き上げられた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は9月20-21日の次回会合でも、この異例の大幅利上げが選択肢になり得るとしてきた。一方で当局者らは、実際の利上げ幅は9月2日発表の8月雇用統計など一連の経済指標次第で決定されるとも話す。

リッチモンド連銀のバーキン総裁はウェストバージニア州ハンティントンで講演し、金融当局が物価抑制に向けた取り組みでひるむことはないと宣言。「われわれはインフレ率を目標の2%に戻すことにコミットしており、そのために必要な措置を講じる」とし、「インフレ率は目標水準に下がる過程で跳ね返ることが予想される」と述べた。

アトランタ連銀のボスティック総裁は連銀のウェブサイトに掲載された論文で、インフレを鎮めるという米当局の責務は「揺るぎない」とした上で、「今後の指標がインフレの鈍化が始まったことを明確に示すようなら、利上げ幅をここ最近の0.75ポイントから巻き戻す理由になるかもしれない」との見解も示した。

米求人件数、7月は予想外の増加-労働市場の逼迫継続を示唆

  • 7月の求人件数は前月比19万9000件増の1123万9000件
  • 求人件数は昨年の終盤以来1100万件を上回って推移

米求人件数は7月に予想外に増加し、前月の数字も大幅に上方修正された。限られた労働力を雇用主が奪い合う状況の中、労働市場の逼迫(ひっぱく)が続いていることが示唆された。

7月の求人件数は前月比19万9000件増の1123万9000件ブルームバーグ調査のエコノミスト予想(中央値1038万件)を全て上回る前月は1104万件(速報値1069万8000件)に上方修正

求人件数が昨年の終盤以来1100万件を上回って推移し、失業率も歴史的低水準にとどまっていることは、労働市場の力強さを浮き彫りにしている。労働需給の不均衡は堅調な賃金上昇をもたらし、米金融当局のインフレ抑制の取り組みを複雑にしている。

7月は失業者1人に対する求人件数が約2件で、6月の1.9件から増加した。求人件数の増加が目立ったのは小売業や、運輸・倉庫・公益事業だった。

離職者数は約420万人と、前月から小幅に減少した。全雇用者に占める自発的離職者の割合である離職率は小幅に低下して2.7%と、ここ1年余りで最も低い水準。レイオフの件数はほぼ変わらず、雇用者数は小幅減少となった。

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