8/26米国株式市場は大幅下落。パウエル議長の発言を受けて。

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8/26(金)の株価

前日比(%)
日経平均28,641.38円+0.57
ダウ平均32,283.40ドル-3.03
S&P5004,057.66ドル-3.37
ナスダック12,141.71ドル-3.94
ラッセル20001,899.83ドル-3.30
米10年国債3.026-0.18
恐怖指数(VIX)25.56+3.78

26日の米国株式市場は3指数共に大幅下落。パウエル議長の発言を受けて。

26日の米国株式市場は、3指数共に大幅下落となる。

パウエル議長は、FRBは強力な手段を活用する、速すぎる緩和リスクを歴史が警告、引き締め政策は一定期間必要になる、全体的な焦点はインフレ率を2%以内に引き下げることなど、引き締めの継続を示した。

 議長の講演を受けて、来月のFOMCでの利上げについて、0.5%と0.75%の拮抗から、0.75%見通しが約6割と強まってきており、米株の重石となった。 

全てのセクターが売られる展開となっている。

パウエル議長、高金利維持する可能性高いと示唆-転換期待裏切る

  • 9月FOMC会合での利上げ幅はデータ次第-パウエル議長
  • 景気抑制的な政策が「一定期間」必要になる可能性高い-議長

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレを根絶するために利上げを継続し、金利を高い水準でしばらく維持する可能性が高いことを示唆した。当局が近く方針を転換するとの見方をけん制した。

パウエル議長は26日、カンザスシティー連銀が主催するワイオミング州ジャクソンホールでの年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)で講演。事前に配布された原稿によれば、「物価の安定を回復するには、景気抑制的な政策スタンスを一定期間維持することが必要となる可能性が高い」とし、「過去の記録は早急過ぎる政策緩和を強く戒めている」と付け加えた。

パウエル議長は、インフレ率を目標の2%に下げる取り組みは消費者と企業に経済的な痛みをもたらすものの、当局にとって「現時点で最も重要な焦点」だと言明。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で「異例に大幅な」利上げをもう一度実施することが適切となる可能性もあると改めて述べた。ただ確実に実施するとまでは明言しなかった。

議長は「9月会合での決定は、入手するデータと変化する見通しの全体像に左右される」と語った。

MBBキャピタル・パートナーズのマーク・スピンデル最高投資責任者(CIO)は、講演のトーンからはパウエル議長の強い決意が感じられるとし、9月にもう一度大幅利上げが実施されることが示唆されると分析した。

パウエル氏が講演でアラン・グリーンスパン氏、ポール・ボルカー氏、ベン・バーナンキ氏という歴代議長をあえて例に挙げて説明したことについて触れ、スピンデル氏は「75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の追加利上げで講演内容の裏付けを行わなければ、パウエル氏は自身の言葉の価値をおとしめることになる」と述べた。

講演でパウエル氏は、「物価安定の回復にはしばらく時間がかかるほか、需給バランスを改善させるため政策手段を強力に活用することが必要となる」と説明。物価の安定を回復させるには、潜在成長率を下回る経済成長と労働市場の軟化が「ある程度持続する」必要があると述べた。「金利上昇と成長減速、労働市場環境の軟化はインフレを鈍化させるが、家計と企業に痛みをもたらすことにもなる」と認めた。

インフレ率については、「7月のインフレ指標が低下したことは歓迎すべきこと」だとしつつ、FOMCとしてはインフレが鈍化していることを確信する必要があり、単月の改善では十分と言える状況から程遠いと述べた。

パウエル議長は労働市場が「明らかにバランスを欠いている」とし、労働者に対する需要が供給を「大幅に」上回っていると指摘した。

米個人消費支出、7月は低調な伸びにとどまる-インフレは緩和

  • インフレ調整後の実質PCE、前月比0.2%増-6月は横ばい
  • PCE総合価格指数は前月比0.1%低下-エネルギー価格下落で

7月の米個人消費支出(PCE)は低調な伸びにとどまった。価格の面では一定の落ち着きが見られたものの、数十年ぶりの高インフレによる影響を受けていることが示唆された。

インフレ調整後の実質PCEは前月比0.2%増ブルームバーグ調査の市場予想中央値は0.4%増6月は前月比横ばいインフレ調整前のPCEは前月比0.1%増市場予想0.5%増

米金融当局がインフレ目標の基準値としているPCE総合価格指数は前月比0.1%低下(予想は横ばい)。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期以来で初のマイナスとなった。エネルギー価格の著しい下落を一部反映した一方、食品コストは引き続き上昇した。

PCE総合価格指数は前年同月比では6.3%上昇(予想6.4%上昇)。同当局が目標とする2%にはまだほど遠い状況だ。

コア価格指数は前月比0.1%上昇(同0.2%上昇)。前年比では4.6%上昇(同4.7%上昇)と、前月の4.8%上昇から伸びがやや鈍化した。

予想を下回る今回の数字は、米経済の屋台骨である個人消費が従来の想定よりも不安定な地盤で7-9月(第3四半期)をスタートしたことを示唆している。堅調な労働市場や大幅かつ持続的な賃金増加が過去数カ月にわたって消費を支えてきたが、広範なインフレが消費の伸びを抑えている。

  ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー、アンドルー・ハズビー両氏は「インフレがマイナスになったにもかかわらず、7月の個人消費は予想を下回った。国内総生産(GDP)は過去2四半期連続で減少した後、7-9月(第3四半期)もほとんど回復しないリスクが高まる。米金融当局者はさらなる利上げへの決意を維持する理由として、この統計の雇用者所得に注目する可能性がある」と指摘した。

賃金・給与は0.8%増と、2月以来の大幅な伸びとなった。企業はこうしたコストを消費者に転嫁する傾向があるため、インフレが定着するとの懸念が強まる可能性がある。

貯蓄率は5%で前月から変わらず。2009年以来の低水準にとどまった。

個人所得は前月比0.2%増。市場予想は0.6%増だった。自営業者の所得減少が響いた。

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