7/26米国株式市場は反落。ウォルマートの見通し下方修正で不透明感が広がる

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7/26(火)の株価

前日比(%)
日経平均27,655.21円-0.16
ダウ平均31,761.54ドル-0.71
S&P5003,921.05ドル-1.15
ナスダック11,562.58ドル-1.87
ラッセル20001,805.24ドル-0.69
米10年国債2.803+0.20
恐怖指数(VIX)24.69+1.33

26日の米国株式市場は反落。ウォルマートの見通し下方修正で不透明感が広がる。FOMCの結果発表待ち。

26日の米国株式市場は、3指数共に反発する。

セクターでは、ユーティリティとヘルスセクタのみ買いで他工業サービスセクターとITハイテクセクターは大きく売られた。

前日引け後にウォルマート(WMT)が、インフレや消費に対する不透明感から業績見通しを下方修正したことで小売り株中心に売りが広がっている。数十年来の高インフレに直面して消費者が支出を削減しているとの懸念が高まった。

また、本日の引け後からマイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOG)を皮切りにIT・ハイテク株の決算がスタートする中、IT・ハイテク株にも売りが広り、ナスダックも大幅安となっている。

全体的には明日のFOMCの結果待ちの雰囲気も強く、下押す動きまでは見られていない。0.75%ポイントの利上げが見込まれているが、それ以上に、弱い指標も発表されつつある中、パウエルFRB議長の会見などで、9月も大幅利上げの可能性を示唆してくるか注目される。

また、悪材料のドライバーがインフレから成長懸念に切り替わる中、今週は28日木曜日に第2四半期の米GDP速報値の発表が予定されており、もしマイナス成長であれば、定義上のリセッション(景気後退)入りとなる。

米消費者信頼感指数、7月は21年2月来の低水準-3カ月連続低下

  • 現況指数は21年4月以来の低水準、期待指数は13年以来の低い水準
  • 雇用が「十分」との回答は過去1年の最低、インフレ期待は低下

米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した7月の米消費者信頼感指数は、2021年2月以来の水準に低下した。高インフレが続く中、経済見通しが暗くなったことが背景にある。

7月の米消費者信頼感指数は95.7に低下低下は3カ月連続ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は97前月は98.4(速報値98.7)に下方修正

現況指数は21年4月以来の低水準。今後6カ月の見通しを反映する期待指数は65.3と、13年以来の水準に小幅低下した。家計の見通しに対して一段と悲観的になっていることを反映した。

コンファレンスボードの景気指数担当シニアディレクター、リン・フランコ氏は発表文で、「ガソリンと食料品価格の上昇を中心にインフレ懸念が引き続き消費者を圧迫した」と指摘。「今後6カ月もインフレと追加利上げが個人消費と経済成長にとって引き続き強い向かい風になる可能性が高い」と予想した。

雇用が「十分にある」との回答比率は50%強と、過去1年の最低となった。職を得るのが困難との回答も増えた。

消費者の1年先のインフレ期待は前月から低下した。

今後6カ月間に自動車や大型家電製品を購入する意向だとの回答比率は低下。住宅購入予定の比率は15年以来の低水準に落ち込んだ。

IMF、世界成長率予測を下方修正-リセッションの瀬戸際近いと警告

  • 見通しへのリスクは「圧倒的に下振れ方向」-最新世界経済見通し
  • 今年の世界インフレ率は8.3%に加速へ、金融引き締め通じ抑制を

国際通貨基金(IMF)は今年と来年の世界経済成長率見通しを下方修正した。世界経済が近くリセッション(景気後退)入りの瀬戸際に立たされる恐れがあると警告した。

26日公表の世界経済見通し(WEO)によると、今年の世界成長率は3.2%に減速する見込み。IMFは4月時点では3.6%、1月時点は4.4%と予測していた。

23年については、中央銀行がインフレ抑制のため実施した一連の利上げによる「痛手」が予想されるとし、世界成長率が2.9%に減速するとの見通しを示した。

IMFはそれでもプラス成長を見込むが、物価上昇の加速で所得や貯蓄、利益が目減りしており、主要国で広がるリセッション入り懸念の沈静化につながりそうにない。

IMFチーフエコノミストのピエールオリビエ・グランシャ氏は、「見通しは4月以降、著しく暗くなった。世界は近く、世界的リセッションの瀬戸際に立たされるかもしれない。前回の不況からわずか2年しか経過していない」とブログ投稿でコメントした。

消費者物価が予想より速いペースで上昇を続ける中、IMFは食品・エネルギー価格の上昇や長引く需給不均衡を踏まえ、物価高が今年さらに加速すると予想。今年の世界インフレ率を8.3%と、1996年以来の高水準を予測し、4月時点の7.4%予想から上方修正した。  

IMFは4月のWEOでウクライナでの戦争の悪化やロシア制裁のエスカレート、中国での予想より急激な景気減速、新型コロナウイルス感染の再燃、中銀に利上げを迫るインフレの波などのリスクに言及したが、最新報告ではこうしたリスクの顕在化を指摘。修正後の見通しへのリスクは「圧倒的に下振れ方向だ」とし、欧州向けロシア産ガス輸入の「突然の停止」やインフレの長期化、中国での不動産危機のエスカレートなどの可能性を懸念要因に挙げた。

成長率見通しの下方修正は広範な地域に及んだが、米国の予測を最も大幅に修正。年前半の低調な伸びや家計の購買力低下、金融引き締めを理由に今年の米成長率予想を4月時点から1.4ポイント引き下げ2.3%とした。

また、23年10-12月(第4四半期)の成長率を前年同期比0.6%と予想し、「リセッション回避が一段と困難になる」と予想した。

中国の今年の成長率予想は1.1ポイント引き下げ3.3%とした。不動産不況の深刻化に加え、新型コロナ感染抑制策に伴う移動制限が経済活動を妨げ、サプライチェーンに世界的影響が及んでいると分析した。

IMFはさらに、政策当局者の最優先事項は金融引き締めを通じたインフレ抑制だとし、それによる「実際の経済へのコストは避けられないが、先送りすれば増幅させるだけだ」と論じた。

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