7/20米国株式市場は続伸。欧州の懸念あるも好決算が追い風。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

7/20(水)の株価

前日比(%)
日経平均27,680.26円+2.67
ダウ平均31,847.84ドル+0.15
S&P5003,959.90ドル+0.59
ナスダック11,897.65ドル+1.58
ラッセル20001,827.94ドル+1.59
米10年国債3.0270.00
恐怖指数(VIX)23.88-0.62

20日の米国株式市場は3指数共に続伸。欧州の懸念あるも好決算が追い風。

20日の米国株式市場は3指数共に続伸している。

米企業決算への楽観的な見方も出ており、下値での押し目買い意欲も高まって来ている。

ハイテク株と消費財が上昇した一方、ディフェンシブ銘柄や公益事業、ヘルスケアが売られた。

グーグルが採用を2週間停止し、その間に必要な従業員数を見直すと報じられると、ハイテク株は伸び悩む場面もあった。

ネットフリックス株は上昇。会員数が予想ほど減少しなかったことが前日明らかになり、同業の動画配信サービスの株価も下支えした。

米電気自動車メーカー、テスラの4-6月(第2四半期決算)は調整済みの1株当たり利益が2.27ドルと、アナリスト予想の1.83ドルを上回った。引け後の時間外取引で株価は一時、約4%上昇。米加州フリーモント、中国上海の両工場で月間の生産台数が過去最高を記録したと指摘、今年下期が「記録破りな」業績になるよう力を入れていると表明した。

しかし、欧州の地政学リスクにも目を向けていく必要がある。

ロシアが欧州への天然ガスの輸出停止を準備しているとの報道に米株式市場も敏感に反応している模様。それが世界経済を不況に陥らせるとの懸念が高まっている。

「欧州の天然ガスの輸入が持続的に大幅に減少するというテールリスクが、ここに来て急速にコアリスクになりつつあることを市場は認識し始めている。これまで欧州は痛みから免れるというシナリオを大前提としてきた。欧州は主要国にとって重要な貿易相手国であり、その悪影響ほとんど不可避」との指摘も出ている。

「株式市場は年初から大きく下落しているが、意外に株式市場からの資金流出は高まっておらず、それはこれからを意味する」との見方も出ていた。

他には、イタリアのドラギ連立政権が主要3政党の支持を得られず、崩壊の瀬戸際に追い込まれた。ドラギ首相は20日、議会上院で実施された政権への信任投票で信任された形となった。しかし、コンテ前首相が率いる連立の一角「五つ星運動」のほか、中道右派の「同盟」とベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」が投票を棄権したことから実質的な意味を持たなかった。総選挙が行われる場合は10月2日の可能性がある。ドラギ氏は手続き上、それまで首相職にとどまることになるが、イタリア経済を立て直すという同氏の野心が近く進展する可能性は低く、金融市場では動揺が予想される。

米中古住宅販売は5カ月連続減少、2年ぶり低水準-金利上昇響く

  • 6月の販売件数は前月比5.4%減の512万戸-市場予想535万戸
  • 中古住宅価格は前年同月比13.4%上昇、41万6000ドル-過去最高更新

全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売件数は、2年ぶりの低水準に落ち込んだ。借り入れコストの急上昇を背景に物件を購入しづらい状況が続いた。

中古住宅販売件数(季節調整済み、年率)は前月比5.4%減の512万戸2020年6月以来の低水準ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は535万戸前月は541万戸(速報値からの修正なし)

中古住宅販売はこれで5カ月連続の減少と、2013年以降で最悪の減少局面となった。米金融当局が積極的な利上げを行う中、住宅市場の落ち込みは今後も深まりそうだ。住宅ローン金利が08年以来の高水準近辺となっていることを背景に需要が抑制され、購入契約解除の比率も増えている。

米住宅統計では、全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが18日発表した7月の住宅市場指数が20年5月以来の水準に低下。19日に発表された6月の米住宅着工では、一戸建て住宅の着工件数と着工許可件数がともに2年ぶりの低水準となった。 

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅を購入しづらい状況が引き続き潜在的な買い手に影響を及ぼしている」と発表資料で指摘。「住宅ローン金利と物件価格は短期間にあまりに急激に上昇した」と説明した。

6月の中古住宅販売在庫は126万戸と、昨年9月以来の高水準。販売に対する在庫比率は3カ月となり、5カ月連続で上昇した。

中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比13.4%上昇し、41万6000ドル(約5750万円)と過去最高を更新した。

世界の景気後退は「現存する明白なリスク」、可能性は50%-シティ

  • 今年の世界経済成長率を2.9%、来年を2.6%と予測-小幅に引き下げ
  • 米国とユーロ圏、今後12ー18カ月以内に緩やかなリセッションに

米シティグループのエコノミストは世界的なリセッション(景気後退)を「現存する明白なリスク」と表現した上で、リセッションに陥る確率はなお50%とした。

ネイサン・シーツ氏率いるシティのエコノミストらは顧客向けリポートで、今年の世界経済成長率を2.9%、来年を2.6%と予測。従来予測よりわずかに下方修正した。世界の成長率は潜在成長率を下回り、米国とユーロ圏は今後12ー18カ月以内に緩やかなリセッションに陥ると予測されている。

シーツ氏らは「われわれの予想では、世界経済は全体的にはうまく切り抜け、一斉に低迷する事態は回避する」と述べた上で、「見通しへのリスクは著しく下向きだとみている。従って50%の確率でリセッションに陥るというわれわれの見方を維持する」と説明した。

さらに「世界的なリセッションは紛れもなく、現存する明白なリスクだ」と述べた。

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