9/1米国株式市場はS&Pとダウ上昇、雇用統計受け利上げ停止観測。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

9/1(金)の株価

前日比(%)
日経平均32,710.62円+0.28
ダウ平均34,837.71ドル+0.33
S&P5004,515.77ドル+0.18
ナスダック14,031.81ドル-0.22
ラッセル20001,920.83ドル+1.11
米10年国債4.182+1.85
恐怖指数(VIX)13.09-0.48

1日の米国株式市場はS&Pとダウ上昇。ナスダック指数はマイナス圏内。雇用統計受け利上げ停止観測

1日の米国株式市場はダウ平均とS&P500指数はプラス圏。ナスダック指数はマイナス圏となった。

取引開始前に8月の米雇用統計が発表になったが、失業率が3.8%と予想以上に上昇したことが株式市場をサポートした。また、非農業部門雇用者数(NFP)は18.7万人増と予想を上回ったものの、前回、前々回分が大幅に下方修正され、相殺されている。注目の平均時給は前年比4.3%の上昇と予想通りではあったものの、前月比が0.2%の上昇に鈍化しており、賃金上昇傾向への一服感を示す内容でもあった。

今回の米雇用統計を受けて、FRBの追加利上げ期待が無くなったとまでは考えづらいが、再来週の米消費者物価指数(CPI)の内容次第では、少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼ確実に見送られそうな数字ではある。短期金融市場でも年内の利上げ期待が後退しており、あと1回の確率を37%程度で織り込む動きとなっている。

米国債利回りが急速に上昇に転じたことから、IT・ハイテク株中心に売りが広がり、指数も上げを失っている。ナスダックは下げに転じる動き。

雇用統計はFRBの追加利上げ期待は後退させたものの、ソフトトンディングのシナリオを強化する内容でもあり、米国債利回りは10年債や30年債といった長期ゾーンが上昇。一方で政策金利に敏感な2年債は横ばいとなっている。米株式市場のファンダメンタルズにとっては好都合な状況とも思われるが、このところの米株式市場は米国債利回り上昇に対して過度に苦手意識を強めており、きょうもシステマティックにネガティブな反応を見せているのかもしれない。

米ISM製造業指数、6カ月ぶり高水準-縮小圏ながら安定化示唆

  • 8月のISM製造業総合景況指数は47.6-市場予想47
  • 生産指数は50に上昇、3カ月ぶり高水準-雇用指数も改善

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数は、なお縮小圏ながらも前月から上昇した。製造業活動の低迷はもはや深刻化していないとの期待を抱かせる兆候だ。

ISM製造業総合景況指数は47.6に小幅上昇-6カ月ぶり高水準ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は47前月は46.450が活動の拡大と縮小の境目を示す

生産指数が50と、3カ月ぶりの水準に上昇。雇用や入荷遅延の指標もそれぞれ改善した。

製造業総合景況指数はこれで10カ月連続での活動縮小となったが、今回の数字は状況が弱い水準で安定化しつつあることを示唆している。企業による過剰在庫の削減が進み、財への個人消費が増えるのに伴い、安堵(あんど)感の兆しがいくらか見られ始められている。

ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「8月の総合景況指数は受注の弱さが続く中で、企業が生産を適切に管理していることを反映しているが、月間ベースでの上昇は改善の兆しだ」と指摘した。

製造業企業の在庫は縮小幅が拡大し、2014年初め以来の大幅な縮小に並んだ。顧客在庫も縮小。これは在庫削減での進展を示す最近のデータと整合する。

顧客在庫は「妥当」だと報告した製造業企業の割合は67.6%に上昇し、20年2月以来の高水準になった。

8月の米雇用統計、18.7万人増-賃金鈍化、失業率3.8%に上昇

  • 6-7月の雇用者数は11万人下方修正、労働参加率は3月以来の上昇
  • 平均時給は前月比0.2%上昇、前年同月比では4.3%上昇

米国の非農業部門雇用者数は8月に堅調なペースで増加したが、賃金の伸びは鈍化した。労働市場の底堅さと鈍化の両方を示す強弱まちまちの内容となった。

8月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比18万7000人増加エコノミスト予想の中央値は17万人増前月は15万7000人増(速報値18万7000人増)に下方修正家計調査に基づく8月の失業率は3.8%に上昇市場予想は3.5%

雇用者数の動向には、映画および陸運産業での合計5万4000人の減少を含む。それはエンターテインメント業界でのストライキと大手陸運会社の事業閉鎖を主に反映している。

労働市場は今年、米経済を支え、少なくとも短期的にはリセッション(景気後退)を回避する一助となっている可能性がある。ここ数カ月、求人件数と賃金上昇率はともに後退しているものの、雇用と所得は個人消費を後押しするほど堅調だ。

とはいえ、今回の雇用統計では、前月までの雇用が従来発表ほど好調ではなかったことが示された。6月と7月の雇用者数は11万人下方修正された。労働統計局が8月23日に発表した年次ベンチマーク改定の速報値によれば、3月までの1年間の雇用者増は30万6000人下方修正されそうなことも明らかになっている。

ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール、イライザ・ウィンガー両エコノミストは「8月雇用統計は雇用者数の上振れとは裏腹に、利上げサイクルの一時停止を示唆する弱さがある。時間当たり賃金の伸びは著しく鈍化し、労働参加率は上昇した。特に高齢労働者と働き盛りの年齢層の女性で顕著だ。さらに、過去の数字は再び下方修正された」と述べた。

今回の雇用統計は労働力として復帰している人が増えていることを示し、賃金上昇圧力を和らげる一助となる可能性もある。全体の労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は3月以来初めて上昇し、62.8%と2020年2月以来の高水準になった。「プライムエージ」と呼ばれる25-54歳の働き盛りの層では過去最高に近づいた。

労働力需給のバランスが取れてきたことで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時の大幅な賃上げも影を潜めた。平均時給は前月比0.2%上昇と、昨年初め以来の低い伸び。前年同月比では4.3%上昇した。

8月の雇用者数の増加は、ヘルスケア、娯楽・ホスピタリティー、建設業にけん引され、広範囲に及んだ。製造業の雇用者数は昨年10月以来の大幅増となり、機械や金属加工の雇用増を反映した。

ハリウッド俳優労組によるストやトラック運送会社イエローの破綻がなければ、雇用者数はさらに増加していた可能性がある。全米自動車労組(UAW)によるストや政府閉鎖の可能性も、今後数カ月の雇用者数に影響する可能性がある。

従業員の削減に動いている企業もある。TモバイルUSやチャールズ・シュワブが新たな人員削減を発表したため、8月のレイオフ者数(発表ベース)は3カ月ぶりの高水準となった。

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