3/30米国株式市場は続伸。ハイテク株に買い 地銀株は軟調。

経済ニュース相場分析

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3/30(木)の株価

前日比(%)
日経平均27,782.93円-0.36
ダウ平均32,859.03ドル+0.43
S&P5004,050.83ドル+0.57
ナスダック12,013.47ドル+0.73
ラッセル20001,768.38ドル-0.18
米10年国債3.551-0.25
恐怖指数(VIX)19.02-0.10

30日の米国株式市場は、3指数共に続伸。ハイテク株に買い 地銀株は軟調。

30日の米国株式市場は、3指数共に続伸。

前日に、相次ぐ銀行破綻で230億ドル近いコストを抱えた米連邦預金保険公社(FDIC)がその負担の分担で大手銀の割合を通常より高くする方向で検討していると伝わっていた。

米当局が今回の銀行問題で、信用基準をさらに厳格化する可能性も高まっており、バイデン大統領はトランプ政権が緩和した銀行規制の復活を当局に要請したとも伝わった。また、イエレン財務長官は本日の講演で、2008年の金融危機後に実施した規制強化の一部を緩和したことについて、その行き過ぎが最近の銀行危機につながった可能性があるとの見解を示していた。

目先の金融不安は後退しているものの、規制強化によって銀行にとっては今後、収益が圧迫される可能性もあり、積極的には買戻しを入れにくい状況があるのかもしれない。

IT・ハイテク株への買いは続いており、ナスダックは堅調に推移。

米金利のピークが近く、金融不安もさらに緩和されるとの期待から、株式市場は上昇が続いている。銀行の流動性問題に関しては、2008年の金融危機時のサブプライムローンとは問題の質が違い、FRBや米連邦預金保険公社(FDIC)といった米金融当局が対処可能と見ているようだ。

先行き警戒感は3月の低水準に後退。恐怖指数としても知られるCBOEボラティリティ・インデックス(VIX)は一時18台まで低下。3月に19で始まり、銀行問題の浮上で月の半ばには30台まで上昇していた。投資家は市場の混乱は最悪期を脱したとの見方を強めているようだ。

FRBは否定しているものの、市場は年内の利下げシナリオを織り込む動きを見せる中、IT・ハイテク株など成長株が買われている。

「市場のセンチメントは比較的良好で、金融セクターがもたらした最近の混乱にもかかわらず、投資家の信頼感は高いままだ。FRBがハト派的に転じるという見通しにより、投資家はリスク許容度を高め、四半期末を目前に株価を上昇させる良い口実になっている」といった声も聞かれる。

「現在の上昇はあくまで、行動よりも期待で成り立っている。FRBが投資家を失望させた場合はボラティリティが再び高まる」との警告も出ている。その意味では今後発表される雇用、インフレ、生産などのハードテータや景況感、信頼感といったソフトデータの結果を待ちたいところのようだ。

明日はFRBが参照しているインフレ指標である2月のPCEデフレータが発表される。FRBが最も注目しているコアPCEデフレータは前月比で0.4%上昇、前年比では4.7%の上昇が予想されている。1月からは減速したとはいえ、FRBの物価目標2%を遥かに上回る水準。また、パウエル議長が注目している「スーパーコア」と呼ばれる住宅を除くコアサービス指数も前月比0.4%上昇し、前年比では4.8%の上昇が見込まれている。

バイデン政権、銀行規制強化を提案-監督当局に一連の変更を要請

  • 資産規模1000億-2500億ドルの銀行が新たな焦点に
  • 一連の変更案にはストレステスト強化などが含まれる

バイデン米政権は中規模銀行の規制を強化するよう関係当局に求めている。米地銀2行の経営破綻につながった銀行危機に対応する新たな措置となる。

ホワイトハウスは30日、複数の連邦銀行監督機関に対し、規制強化に向けた一連の変更を実施するよう求めたと発表。いずれの措置も議会の承認は必要ないという。

一連の変更には、資産規模1000億-2500億ドル(13兆2500億-33兆1000億円)の銀行を対象とした各規則の復活を含む。流動性要件やストレステスト強化、「生前遺言」(経営破綻時の事業整理計画)などだ。この規模には破綻したシリコンバレー銀行(SVB)も該当する。

ホワイトハウスは、破綻した米銀2行(SVBとシグネチャー・バンク)の保険対象外預金を救済するための保険基金の底上げを地銀には負担させない方針を支持。米連邦預金保険公社(FDIC)に対し、地銀に負担させることなく同基金を拡充するよう求めた。

バイデン政権の方針を記者団に説明したホワイトハウス当局者は、最終的な判断は各規制当局に委ねられると説明。ただ、提案の準備で各当局とは事前に協議を行ったと明らかにした。

リッチモンド連銀総裁、追加利上げで対応可能-インフレリスク続けば

  • バーキン総裁はインフレとの闘い続ける姿勢示す
  • 銀行混乱の影響について判断するのは時期尚早-バーキン総裁

米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレのリスクはなおあると指摘。その上で、信用収縮の影響で経済の減速ペースが想定より速まるようであれば、政策当局は俊敏に対応する必要があるとの見解を示した。

総裁は30日、リッチモンドで講演。事前に配布された原稿によれば、「現在の経済情勢を精査する上での難題は、最近のデータの力強さと銀行システムがもたらし得る弱さをどう調整するかだ」と述べた。

バーキン氏はインフレとの闘いを続ける姿勢を示し、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイント利上げ決定を支持したと明らかにした。

「インフレとの闘いで性急に手を緩めればインフレは勢いを増して戻ってくる。金融当局はさらなる措置を講じなければならなくなり、そうなれば一層ひどいダメージを与える」とバーキン総裁は指摘。「インフレが高水準かつ広範で、根強いことを踏まえれば、私はそのリスクを冒したくない」と続けた。

その上で、「インフレが根強く続くようであれば、われわれは追加利上げで対応可能だ」とし、「わずか数週間前にも、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げを支持する声が一部で上がった」と語った。

銀行預金の動きについては、現在は比較的安定しているようだと発言。一方、銀行システムの不安定な状況が信用収縮を引き起こすかどうかを判断するのは「時期尚早」だとした。

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