50才から始める米国株式投資初心者の資産運用
3/16(木)の株価
値 | 前日比(%) | |
日経平均 | 27,010.61円 | -0.80 |
ダウ平均 | 32,246.55ドル | +1.17 |
S&P500 | 3,960.28ドル | +1.76 |
ナスダック | 11,717.28ドル | +2.48 |
ラッセル2000 | 1,771.23ドル | +1.45 |
米10年国債 | 3.579 | +3.579 |
恐怖指数(VIX) | 22.99 | -3.15 |
16日の米国株式市場は3指数共に反発。利回り上昇、銀行巡る懸念が後退。
16日の米国株式市場は、3指数共に反発。
きっかけは経営不安を強めていたファースト・リパブリック<FRC>。複数の金融機関が300億ドルの預金を実施する意向が伝わったことが好感されている。
また、前日はクレディスイスの信用不安が高まり、市場も乱高下したものの、スイス当局が具体的な支援方針を打ち出したことから、この問題に対してはひとまず安心感が広がった模様。スイス中銀はクレディスイスに対して500億スイスフランの流動性を提供すると発表した。
しかし、株式市場は依然として慎重。クレディスイスの問題はひとまず沈静化に向かっているが、他にもあるのではとの不安が根強いことと、今回の問題による金融システムへの信頼感の低下が、この先の景気にどのように影響するのかを見極めたい雰囲気もあるようだ。そのため投資家のリスク許容度は回復していない。
また、今回の件でFRBがどう対応するのかも確認したい意向もある。この日はECB理事会が行われ、市場の予想に反して、コミット通りに0.50%ポイントの大幅利上げを実施した。ただ、今回は先行きについてのヒントは出さなかった。利上げを見送る、もしくは0.25%ポイントに縮小すれば、金融システムの問題が存在することを認めた形となることを避けたかったのかもしれない。
FRBも来週にFOMCを控えているが、据え置きの期待も一部にはあるものの、市場では0.25%ポイントの利上げを実施してくると見られている。確率は80%程度で織り込んでいる。
ただ、金融システムへの警戒感は根強い。「2008年のリーマンショックに似ている点は、次に最も弱い者は誰なのかと、市場が弱い者探しをしている点だ。その代償として無保険の預金にスコープが向けられている」との声も出ている。また、「銀行セクターに属する金融機関への投資可能性をどう見るかについて、方向性が変わって来ているのは間違いない。将来、これらの企業に対する規制の圧力が強まった場合、このセクターがどのような舵取りをするのか考えさせられる」との指摘も聞かれた。
クレディ・スイス株の上げ縮小、くすぶる懸念-信頼回復策の発表後も
- 中銀から最大500億フラン借り入れ、社債30億フラン相当買い戻しへ
- クレディSに「問題ない」、金融株パニックは「根拠ない」-筆頭株主
クレディ・スイス・グループは16日、スイス国立銀行(中央銀行)から500億スイス・フラン(約7兆1500億円)の与信枠を確保した。社債買い戻しも提案し、投資家の信頼感回復を目指している。クレディ・スイス幹部と政府当局者は次の一手を模索している。
クレディ・スイスは中銀の流動性ファシリティーから最大500億フランを借り入れるほか、ドル建て・ユーロ建ての社債最大約30億フラン相当を公開市場で買い戻す計画。
クレディ・スイス株は16日に一時40%高と急騰したが、その後に上昇幅を縮めた。アナリストは中銀による支援策の発表などでクレディ・スイスがどの程度の時間を稼げるかを疑問視し始めた。スイス政府は同行の状況を協議するため16日に臨時閣議を開催する予定。
同行の筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクのアンマル・フダリ会長は、クレディ・スイスについて「何も問題はない」と発言。同行が一段の資本積み増しを必要とすることはないとの考えを示した。規制上の理由でクレディ・スイス株の持ち分を増やさないと語ったフダリ氏の15日の発言が株価急落を引き起こしていた。
クレディ・スイスの財務健全性を巡る懸念で15日の金融市場は大荒れとなり、米欧の規制当局は警戒、一部企業は同行へのエクスポージャーを検証した。
スイス政府と中銀、連邦金融市場監督機構(FINMA)は緊密に連携し、クレディ・スイスの安定化策を協議してきた。支援を公に表明することに加える措置として、スイス部門の分離や、実現可能性は低いが国内同業のUBSグループとの提携などの案が挙がったと、複数の関係者が述べていた。
これらの措置のどれが実践されるか、あるいは実際にいずれかが実践されるかどうかは不明だと関係者は付け加えた。関係者の1人によれば、クレディ・スイスはまだ、中銀の与信枠を利用してはいない。
クレディ・スイス株は上げを縮め、チューリヒ時間16日午後1時2分時点は前日比22%高。年初来では約25%下落している。
同行幹部は昨年10月に公表した戦略的再編計画が引き続き業績立て直しの中核だと主張。社債買い戻しは同行の基調的な強さを示すものだとしている。
ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)は16日未明の発表文で、「クレディ・スイスが戦略的転換を続ける上で、こうした措置は当行を強化する断固とした行動を示すものだ」と指摘。「顧客ニーズに合わせ一段とシンプルで的を絞った銀行となるよう、チーム一丸で迅速に前進する決意だ」と説明している。
しかし、JPモルガン・チェースのアナリストらは、クレディ・スイスが買収されるのが最も可能性の高いシナリオだとの見方を示した。
キアン・アボホセイン氏らアナリストは信頼の危機にあるクレディ・スイスについて3つのシナリオを想定。その中で最もあり得るシナリオは他社による買収で、買い手候補には国内同業のUBSグループが考えられると分析した。
クレディ・スイスは昨年10月にも約30億ドル(現在の為替レートで約3960億円)相当の社債買い戻しを提案。当時の発表では、「市場環境を利用し魅力的な価格で債務を買い戻す」としていた。
今回の公開買い戻しの対象となる社債は最大25億ドル相当のドル建て優先債10本と、最大5億ユーロ(約704億円)相当のユーロ建て優先債4本。
中銀からの借り入れはカバードローン・ファシリティーと短期流動性ファシリティーの形を取り、高品質な資産によって完全に担保されるという。
米新規失業保険申請、7月以来の大幅減少-ニューヨーク州で急減
- 新規申請件数は19万2000件、前週比2万件減少
- レイオフはハイテク・金融以外にも広がる見通し-エコノミスト
米国では先週、失業保険の新規申請が昨年7月以来の大幅な減少となり、急増した前週から反転した。特にニューヨーク州での減少が目立った。
米新規失業保険申請件数(3月11日終了週)は前週比2万件減の19万2000件エコノミスト予想の中央値は20万5000件前週は21万2000件(速報値21万1000件)継続受給者数(3月4日終了週)は168万4000人に減少予想中央値は172万3000人前週は171万3000人(速報値171万8000人)に修正
季節調整前のベースでは、申請件数は21万7444件に減少した。前の週にニューヨーク州で急増したのは、学校の休みが関係した可能性がある。同じく前週に急増したカリフォルニア州では悪天候が影響したと考えられる。
今回のデータからは力強い雇用創出と大量の求人、低失業率といった極端にタイトな労働市場が浮かび上がる。しかしながら賃金の伸びを示す指標の複数で減速が示唆され、総じてインフレのペースに追いついていないため、今後支出を抑え始める可能性がある。メタ・プラットフォームズなど企業のレイオフも相次いでいる。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「先週の申請件数は20万件を割り込んだが、今後はレイオフがハイテクや金融からその他のセクターに広がり、なお急増が予想される。今年の業況悪化に備える企業は多く、リセッション(景気後退)リスクが高まるにつれレイオフの発表も増えるだろう」と述べた。
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