9/30米国株式市場は続落。S&P500が月間で20年3月以来の大幅安

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9/30(金)の株価

前日比(%)
日経平均25,937円-1.83
ダウ平均28,725.51ドル-1.71
S&P5003,585.62ドル-1.51
ナスダック10,575.62ドル-1.51
ラッセル20001,664.71ドル-0.61
米10年国債3.829+1.27
恐怖指数(VIX)31.62-0.22

30日の米国株式市場は3指数共に続落。S&P500が月間で20年3月以来の大幅安

30日の米国株式市場は、3指数共に続落した。

取引開始前にFRBがインフレ指標として参照しているPCEデフレータが発表され、予想を上回る内容となっていた。FRBのタカ派姿勢継続が再確認され、ブレイナードFRB副議長も、「FRBは時期尚早の政策巻き戻しをしないよう努力している」と述べた。FRBの積極利上げとリセッション(景気後退)への警戒感が引き続き高まっており、企業収益が圧迫されるとの懸念が高まっている。

9月期末の取引となるが、3指数共に3四半期連続の下落となった。3四半期でダウ平均は20%超下落し、弱気相場入りとなっている。「市場はきな臭い状況だが、これは基本的にFRBが望んでいること。FRBは。金融条件を引き締めがインフレを許容範囲まで引き下げるのを支援すると信じている。それを実現するために市場の伝達メカニズムを使っている」といった声も聞かれた。

米インフレ指標のPCE価格指数、予想上回る伸び-消費支出増加

  • 8月のPCE総合価格指数は前月比0.3%上昇、前年同月比6.2%上昇
  • PCEコア価格指数もエコノミスト予想を上回る

8月の米個人消費支出(PCE)統計によれば、インフレ指標が市場予想を上回る伸びとなった。一方で消費支出も増加が示され、広範にわたる物価上昇の中でも、家計の堅調な支出が続いていることが浮き彫りとなった。

PCE総合価格指数は前月比0.3%上昇市場予想(0.1%上昇)を上回る前年同月比では6.2%上昇-予想(6%上昇)上回るPCE総合価格指数は米金融当局がインフレ目標の基準値としているPCEコア価格指数は前月比0.6%上昇前年同月比では4.9%上昇コア価格指数は前月比、前年比共に7月に比べて伸びが加速市場予想も上回る

インフレ調整後の実質PCEは0.1%増。前月は0.1%減(速報値は0.2%増)に下方修正された。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アンドルー・ハスビー、イライザ・ウィンガー両氏は「容認できないほど高いインフレ指標を踏まえると、米金融当局は連続利上げを確実に進める可能性が高い。それにより経済を減速させることになってもだ」と指摘。「7月の実質PCEが下方修正されたことから、7-9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)の伸びに対する下方向のリスクが高まっている」と分析した。

インフレ調整前の個人所得は前月に続き0.3%増。賃金・給与の伸びは0.3%増に減速し、今年1月以来の低い伸びとなった。賃金上昇ペースの鈍化を目指す金融当局にとっては明るい兆候だ。

実質PCEを見ると、財への支出は2カ月連続でのマイナスとなった一方、サービス支出は0.2%増えた。モノからサービスへと消費パターンが変化している現状が浮き彫りとなった。インフレ調整前のPCEは前月比0.4%増だった(前月0.2%減)。

貯蓄率は3.5%と、非常に低い水準にとどまった。

米長期インフレ期待さらに低下、マインド改善-ミシガン大指数

9月の米ミシガン大学消費者マインド指数では、長期のインフレ期待が前月に続いて低下し、経済の不透明感が強まる中でも消費者マインドがやや改善したことが示された。

ミシガン大消費者マインド指数(確定値)は58.6前月の確定値は58.2エコノミスト予想中央値は59.55-10年先のインフレ期待は2.7%-2021年4月以来の低水準速報値は2.8%

1年先のインフレ期待は4.7%。速報値から小幅に上方修正されたが、それでも1年ぶり低水準近辺にとどまった。

ただ、短期的な物価動向に対する不透明感は40年ぶり高水準となった。エネルギー価格が低下しつつも食品価格は上昇するという状況が背景にある。

ミシガン大消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は発表文で、「世界的にインフレ圧力が続く中でこうした不透明感が改善する公算は小さく、インフレ期待は今後数カ月は比較的不安定な状態が続く可能性が高い」と解説した。

9月の現況指数は59.7と、5月以来の高水準。期待指数は58で変わらず。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「長期インフレ期待は低下し、新型コロナウイルス大流行前の水準に近づいたが、短期インフレ見通しが高止まりし、コアインフレに上振れのリスクがあることから、米金融当局の方向転換は差し迫っていない」と分析した。

消費者マインドはガソリン価格の下落を背景に改善したが、歴史的にはなおも低い水準で、失速の兆しもある。現在ではガソリン価格が再び上昇傾向にあるほか、米金融当局がインフレ徹底抗戦の構えを譲らず、米リセッション(景気後退)入りの可能性が高まっている。

回答者の大半は今後1年で所得が増加すると見込んでいるが、インフレを上回る所得増を期待する向きは16%にとどまった。

耐久財の購入環境に関する消費者意識を示す指数は、9月に上昇したが、統計開始以来の低水準近辺にとどまった。

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