7/15米国株式市場は反発。1%ポイントの利上げ観測後退。

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7/15(金)の株価

前日比(%)
日経平均26,788.47円+0.54
ダウ平均31,288.26ドル+2.15
S&P5003,863.16ドル+1.92
ナスダック11,452.42ドル+1.79
ラッセル20001,744.37ドル+2.16
米10年国債2.910-2.05
恐怖指数(VIX)24.23-2.17

15日の米国株式市場は3指数共に反発。1%ポイントの利上げ観測後退。

15日の米国株式市場は3指数共に反発した。ダウ平均は6日ぶりに大幅反発となる。

生活必需品などディフェンシブの一角が下落したものの、銀行を中心にIT・ハイテク株、エネルギー、産業などほぼすべてのセクター全面高の展開となった。

前日はJPモルガン(JPM)の決算を嫌気して売りが先行していたが、きょうはシティグループ(C)が決算を受けて上昇していることで安心感が広がった。

6月の米小売売上高が予想を上回る内容だったことも景気後退への懸念を和らげている。消費者がガソリン代を多く支払ったにもかかわらず、自動車やその他さまざまな商品を購入していたことが明らかとなった。インフレ警戒を示す内容でもあるものの、株式市場も素直に反応した。

市場では先週の強い米消費者物価指数(CPI)を受けて、今月のFOMCでは1.00%ポイントの利上げが実施されるのではとの観測が広がっている。ただ、0.75%ポイントを支持するFOMCメンバーの発言が伝わり、その期待は後退している。前日の短期金融市場では1.00%ポイントの利上げの確率を一時85%程度まで高めていたが、現在は30%程度まで急低下した。

下値警戒感は根強く、米大手銀のストラテジストは、年後半には厳しい景気後退とドル高リスクから、米国株はさらに下落する可能性があると指摘している。今回の決算が予想より悪ければ、株式市場は「適切な降伏」を見ることになるかもしれないと述べた。

米消費者の長期インフレ期待、1年ぶり低水準-ミシガン大指数

  • 消費者マインド指数、7月速報値51.1に上昇-ガソリン値下がり寄与
  • 1年先のインフレ期待は5.2%-前月は5.3%

ミシガン大消費者マインド指数では、米消費者の長期インフレ期待が7月初旬に予想以上に低下した。同時に、ガソリン値下がりが消費者センチメントの改善につながった。

5-10年先のインフレ期待は2.8%と、前月の3.1%から低下し昨年7月以来の低水準となった。1年先のインフレ期待は5.2%。前月は5.3%だった。

ミシガン大消費者マインド指数(速報値)は51.1に上昇前月は50で過去最低だった予想中央値は50

インフレ期待の低下は、物価上昇圧力の定着を回避したい米金融当局にとってはいくらか安心材料になるかもしれない。ただし詳細を見ると、賃金上昇分を相殺して余りあるインフレが消費者に痛みを与えている姿も浮き彫りになっている。 

ミシガン大消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は発表文で、「物価が家計に悪影響を与えるという点では消費者の意見はなお一致している」と指摘。インフレで生活水準が低下しているとの回答は約半数に上り、2008年の金融危機以来で最悪だという。

現況指数は57.1に上昇、2021年4月以来の大幅な伸びとなった。ガソリン値下がりと堅調な労働市場が背景にあるとみられる。一方で期待指数は47.3に低下し、1980年以来の低水準となった。

耐久財の購入環境に関する指数はサプライチェーンの問題改善で多少持ち直したものの、なお歴史的低水準にあるとシュー氏は指摘。家計状況の認識を示す指数は悪化が続き、2011年以来の低水準に落ち込んだ。

ヘッジ取引行う投資家に重大な局面-260兆円のオプション期日到来で

  • これまでの相場下落の結果、ヘッジの必要性低下の兆し
  • VIXの動きはパニックないことを示唆との指摘も

インフレショックおよび予想を下回る大手米銀決算に続き、株式投資家は15日に重大な局面を迎える。ヘッジに関する次のステップについて、多くのオプショントレーダーが判断を迫られるためだ。

15日には約1兆9000億ドル(約260兆円)相当のオプションが期日を迎え、投資家は既存のポジションをロールオーバーするか、あるいは新たなポジションを構築するかを選択しなければならない。ゴールドマン・サックス・グループの推計によると、S&P500種株価指数に関連する9250億ドルのオプション契約や、個別株対象のデリバティブ(金融派生商品)3950億ドルが含まれる。

S&P500種は1月の高値から20%余り下落しており、長期スタンスの投資家にとって実際にどれだけのヘッジが必要かといった疑問が浮上している。今週は取引時間中の変動が大きかったが、ナスダック100指数は2営業日連続で急落後に安値から切り返した。ヘッジのポジションを更新するかどうかは、プロの投機家にとって難しい判断だ。

トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズの創業者、マイケル・パーブス氏は、「多くの投資家やトレーダーは現金を維持しているか、年初よりも現金の配分を高くしているため、ヘッジの必要性が低下している」と指摘。「多くの材料が織り込まれている」と述べた。

1日当たりのオプション売買高が年間記録の更新に向かう中で、期日の到来はウォール街で注視されているイベント。デリバティブ市場の動きは原資産価格の大幅な変動をもたらし得る。オプションを使ったヘッジ需要が衰えつつある兆しもある。資金運用者が株式へのエクスポージャーを減らし、一部は指数先物の売りなど別の手段を選択している。

JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーの決算が予想を下回り、成長を巡る懸念が強まったことから、S&P500種は14日に5営業日続落。13日には6月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が予想を上回ったことで、連邦準備制度による利上げが加速するとの観測が強まり、米2年債と10年債の逆イールドがさらに進行した。

S&P500種は6月半ばに今年の最安値3666.77を付けた後、250ポイントのレンジで推移している。14日は一時2.1%下落したが、その後は下げをほぼ消して3790.38で終了した。

株式相場が下げ続ける中でも、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は3月のピークにはまだ達していない。多くのマーケットウオッチャーはこれについて、パニックには陥っていないことを示唆するものだと受け止めている。

ブルームバーグの集計データによると、S&P500種に関連するオプションで15日に期日を迎えるものでは、行使価格4000の建玉が最も多い。ただ、より重要な水準は3800だと、分析サービス会社スポットガンマの創業者ブレント・コチュバ氏は指摘する。現水準により近いためだという。現時点では行使価格3800のオプションでコール2万4195枚、プット3万5528枚が期日を迎える方向にある。 

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