米国株と債券利回り巡る謎に解決の兆し-経済成長への自信示唆

経済ニュース相場分析

Bloombergニュースより

発表をまとめると

  • S&P500種は米10年国債利回りと共に上昇
  • 調和のとれた動きは3月以来の分岐とは対照的

発表内容

株式と債券で異なっていた経済成長のシグナルが調和し始めた。

エネルギーや銀行など景気敏感株が上げを主導し、S&P500種株価指数は前日比1.2%上昇した。大幅高が見られない期間が過去1年8カ月で最長となっていたが、そうした流れに歯止めがかかった。一方、米10年物国債利回りは2月以来最大の上昇を演じ、2カ月ぶりの高水準に達した。

これまで何カ月にもわたり10年債利回りは低迷し、経済の先行き不安を示してきた一方、S&P500種は高値更新を続けていた。株・債券の協調した動きは目新しい。

債券購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)開始の可能性をこれまでで最も強く示したことが株債券の協調の要因になるのは奇妙に思えるかもしれない。だが、投資家の最大の関心事が新型コロナウイルスの感染再拡大である状況では理にかなうだろう。パウエル議長のテーパリング関連発言は、来年の経済成長が利上げを正当化するのに十分な強さになり得るとの見方をにじませる楽観的内容が多く含まれていた。

原油価格は約2カ月ぶりの高値を付けた一方、金や米ドルなどの資金の避難先とされる資産は下落した。一部の専門家は2013年に見られた「テーパータントラム」の根拠を見たとしているが、実質利回りの顕著な上昇からは、経済成長見通しの改善が債券相場の変動の背後にあることを示唆した。

パウエル議長は11月のテーパリングに膨大な雇用者数は不要だと述べた。必要なのは妥当な雇用統計だけだ。これは間違いなく経済への自信だと話す。経済の現状は良好だと考えている。

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