テーパリングって何?
テーパリングすると株が暴落?
テーパリングすると金利が上がって株が暴落するとネットでよく見ます。
そもそも、テーパリングって何?
テーパリングを直訳すると「先細り」や「次第に先が細くなっていくこと」です。
今言われている「テーパリング」とは、金融緩和(量的緩和)を縮小していくことです。
中央銀行は、物価を安定させるために金融政策を行ってきました。
中央銀行は、経済が安定して、緩やかなインフレを狙っている。
量的金融緩和政策は、国債や不動産担保証券の買い入れによって市中に大量の資金供給を増やす政策である。
政策金利が超低金利政策(実質ゼロ水準)にあり、これ以上の引き下げ余地が無い状況下における金融緩和策として、量的緩和策がある。
量的緩和をすると、市中に出回る資金の量を増やすことで金融機関が企業や個人への貸付するハードルが下がり、経済が活性化することで景気は良くなってインフレになります。
一方で、市中にお金が余分に供給されてしまうと景気が急激なインフレになってしまい、反対に経済や金融市場のリスクを高めてしまうおそれもあります。
デフレの時は量的緩和で制御ができましたが、インフレになったら量的緩和では制御はできません。
そのため、中央銀行は金融引き締めによって市場の資金量をコントロールするのです。
インフレ傾向が強くなってきたので、量的緩和を減らしていく必要があるためにテーパリングが注目されているのです。
テーパリングとは、量的緩和策による金融資産の買い入れ額を順次減らしていくことを指す。 中央銀行が毎月大量に買っている国債や株などの購入量を減らしていくことです。
テーパリングするとどうなるの?
テーパリングは、市場に出た資金の回収、中央銀行が買った国債や株を売却していくことになります。
今まで、中央銀行が国債や株を買っているので株価が上昇してきましたが、今後、国債や株を買わなくなっていくと株価が下落します。
量的緩和を減らしていくことで金融危機再燃となる可能性が高いです。
テーパリングはいつするの?
FRBは2021年7月末のFOMCでテーパリングについては、開始時期などについての具体的な発表はありませんでした。
2021年8月末のジャクソンホール会議でパウエル議長がテーパリングについて「年内の実施が適切だ」と発言しました。
ワクチンの普及、物価上昇や雇用の回復から経済回復への見通しが見えてきたと考えられます。
一方でデルタ株の感染拡大による経済への影響をデータから判断し、経済にマイナスな影響を与えないようにテーパリングについて慎重な姿勢も見られました。
今後、FRBは2021年9月、11月、12月に予定されるFOMCでテーパリング開始を決める可能性がより高まった。現在のところ市場では「11月決定、12月開始」が有力視されている。
テーパリングすると株安になるのか?
一般的にテーパリングは中央銀行の国債などの買い入れが少なくなるので、需給が緩み長期金利は上昇することで価格は下落します。企業の借り入れコストにあたる長期金利が上昇するので、企業価値を反映する株価は安くなる。
最近の米国市場では、FRBがテーパリング議論をいつ始めるかを、マーケットは反応していますが、米株相場は上昇しました。
マーケットとは常に思惑が先行して動き徐々に耐性を付けていき、実際にその時が来てみると既に影響は織り込み済みと落ち着きを取り戻しているいうことがよくあります。
市場が織り込めば過度な警戒は不要
しかし、常にリスクにも対応できるように、準備をする必要もあります。
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