3/8米国株式市場は横ばい。短期債利回り上昇続く、指標やFRB議長発言で。

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3/8(水)の株価

前日比(%)
日経平均28,444.19円+0.48
ダウ平均32,798.40ドル-0.18
S&P5003,992.01ドル+0.14
ナスダック11,576.01ドル+0.40
ラッセル20001,879.47ドル+0.04
米10年国債3.987+0.63
恐怖指数(VIX)19.11-0.48

8日の米国株式市場は、横ばい。短期債利回り上昇続く、指標やFRB議長発言で。

8日の米国株式市場は、ダウ平均はマイナス圏内。S&P500とナスダック総合指数はプラス圏内となった。

前日のパウエルFRB議長の議会証言を受けて、市場にはタカ派な雰囲気が急速に広がっている。

議長は「正当化されるなら利上げスピード加速の用意」と述べたほか、「利上げの到達水準は想定より高くなる可能性が高い」とも言及。

議長が利上げペースに言及したことで市場は利上げ期待を一層高め、今月のFOMCでの0.50%ポイントの大幅利上げの確率を78%まで引き上げている。ターミナルレート(最終到達点)についても5.50-5.75%を想定した動きが見られている状況。

一部からは「政策金利が6.00%に達しないと考えるのは無謀。FRBがインフレを引き下げるためにさらに努力しなければならないなら、それは確かに景気後退を意味する」とのコメントも聞かれた。

また、「パウエル議長は過去1年半のインフレに対するFRBの行動がうまく行かなかったことを明確に示唆している。議長は再び足元をすくわれることは避けたいという考えを強く持っているのかもしれない」との指摘も聞かれた。

きょうもパウエル議長の下院での議会証言が行われ、「利上げペースについて何も決定していない」と強調。株式市場も買い戻しの反応が出ていたが、一時的な動きに留まっている。

きょうは2月のADP雇用統計と1月の米求人件数が発表され、伴に力強い雇用を示していた。目先は金曜日の米雇用統計が最注目だが、パウエル議長の発言もあり、前回ほどではないものの、引き続き力強い雇用を示すのではとの見方も出ている。

パウエル議長、「何も決定していない」と強調-利上げペース巡り

  • 議長は下院金融委の公聴会で証言-前日の上院銀行委での証言に続き
  • 今後発表される雇用統計やCPIが重要になり得る-パウエル氏

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅について当局者らは何も決定していないと強調。入手する雇用とインフレのデータ次第だと説明した。

議長は8日、下院金融委員会の公聴会で半期に一度の証言を行い、「3月の会合に関しては何も決定していない」と述べた。

パウエル氏は前日に上院銀行委員会で証言し、金融当局として政策金利を従来の想定より高い水準に引き上げる公算が大きいとしたほか、必要であれば利上げペースを加速させる用意があると発言。8日の証言でもこのメッセージを繰り返した。ただこの日は、事前に準備された原稿を微調整し、「何も決定していない」との発言を加えた。

議長は「これに関してはまだ何も決定していないということを強調するが、データの全体像が引き締め加速の正当化を示唆するようであれば、われわれは利上げペースを加速する用意を整えるだろう」と語った。

その上で、「この先、重要となり得るデータが発表される」とし、この日発表された1月求人件数のほか、10日発表の2月雇用統計、14日発表の2月消費者物価指数(CPI)を挙げた。1月の求人件数は、議長の証言開始と同時に発表された。

FOMCは3月21、22両日に会合を開催する。同会合では、四半期ごとの経済予測も新たに発表される。昨年12月時点では、政策金利が今年5.1%前後でピークを付けるとの参加者の予想(中央値)が示されていた。

スワップ市場では3月FOMC会合での利上げ幅について、0.5ポイントの方が0.25ポイントよりも可能性が高いとの見方が強まっている。市場が織り込むピーク金利も5.6%前後に上昇した。

パウエル議長はまた、これまでに実施した引き締め策の効果が遅れて表れることに言及。「利上げペースを今年減速させることは、今後生じる効果をより多く見る一つの方法だ」とも述べた。

インフレ率については「低下しつつあるが、非常に高い」と発言。「この高インフレの一部は、極めてタイトな労働市場に関連している可能性が非常に高い」と話した。

米ADP民間雇用者数、予想上回る伸び-強い労働需要が継続

  • 2月の民間雇用者数は24万2000人増-予想20万人増
  • 業種別では娯楽・ホスピタリティーがけん引、中・大規模企業も増加

米国の民間雇用者数は2月、予想を上回る増加となった。労働需要が引き続き堅調で、賃金の高い伸びにつながっている状況を浮き彫りにしている。

2月の米民間雇用者数は24万2000人増ー市場予想20万人増前月は11万9000人増(速報値10万6000人増)に上方修正データはADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出

業種別では娯楽・ホスピタリティーと金融関連で特に雇用の伸びが大きかった。また従業員が50人以上の企業では強い伸びを示したが、50人未満の小規模企業では5カ月連続で雇用が減少した。

今回のデータは、労働市場の沈静化を目指した米金融当局の積極利上げをよそに、なおタイトな市場環境が続いていることを浮き彫りにした。労働力に対する需要は供給を上回り続けており、レイオフはこれまでのところテクノロジーと金融の業界にほぼとどまっている。コロナ禍には人員採用の面で厳しい状況があったサービス業でも、雇用が増えつつある。

ADPのデータによれば、同じ仕事にとどまった人は2月に賃金が前年比7.2%上昇と、1年ぶりの低い伸び。仕事を変えた人では賃金の伸び率は中央値で前年比14.3%と、伸びがやや鈍化した。

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は発表文で、「採用の動きは力強く、経済と労働者にとってはプラスだが、賃金の伸びは依然かなり高い状況だ」と指摘。「賃金の伸びはやや減速したが、それだけでは近い将来インフレが急速に鈍化する可能性は低い」と付け加えた。

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