9/7米国株式市場は急反発。原油急落や米国債利回りの急低下で買戻しが強まる

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

9/7(水)の株価

前日比(%)
日経平均27,430.30円-0.71
ダウ平均31,581.28ドル+1.40
S&P5003,979.87ドル+1.83
ナスダック11,791.90ドル+2.14
ラッセル20001,832.00ドル+2.21
米10年国債3.267-2.17
恐怖指数(VIX)24.64-2.27

7日の米国株式市場は3指数共に急反発。原油急落や米国債利回りの急低下で買戻しが強まる

7日の米国株式市場は、3指数共に急反発。

先週までの3週連続の下落から買い戻し活発化した。原油相場が急落し、1バレル当たり81ドル台まで下落する中で、米国債利回りも急低下したことから、IT・ハイテク株中心に買い戻しが膨らんだ。

原油については、ロシアからの供給が途絶えるリスクはあるものの、ドル高と世界的な需要懸念が相場の重しとなっているようだ。中国では主要都市でのロックダウンが続いており、原油需要が落ち込むとの懸念が強まった模様。

市場からは慎重な声が依然として多い。パウエルFRB議長がインフレ抑制に取り組むことで、9月に3回連続の0.75%ポイントの利上げを行う可能性があるとの報道が出ていた。ウォールストリート・ジャーナルが伝えた。市場は、9月以降は小幅な利上げに留まることを期待しているが、現在、9月の0.75%ポイントの利上げの確率は86%に達している状況。

米国債利回りが6月以来の高水準に上昇する中、米株式市場はIT・ハイテク株中心に苦戦を強いられている。その上、9月は歴史的にも市場にとって最も厳しい月でもある。

「米株式市場は金利上昇の中で6月安値を再びトライする弱気相場が始まる可能性がある。株価は依然として厳しい状況にある」との声も聞かれた。

原油急落でエネルギー株は下げたものの、IT・ハイテク株や銀行、産業など他のセクターには買い戻しが広がった。

ブレイナードFRB副議長、「必要な限り」インフレとの闘い継続

  • 金融政策を「当面」景気抑制的な水準にとどめる必要がある-副議長
  • 「ある時点で」リスクは二面的な側面強めるだろう-ブレイナード氏

米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は、金融当局は政策金利を景気抑制的な水準まで引き上げ、「当面」その水準で維持する必要があると指摘。その上で、将来的に政策引き締めを巡るリスクが二面的な側面を強めることになるとの見通しも示した。

副議長は7日、ニューヨークでの会議で「インフレを押し下げるため、われわれは必要な限り対応を続ける」と言明。「インフレ率が目標に向けて低下しているとの確信をもたらすため、金融政策を当面、景気抑制的な水準にとどめる必要がある」と語った。

事前に配布された講演原稿によれば、ブレイナード氏は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で自身が支持する利上げ幅については言及しなかった。一方で、一段の引き締めに伴い、いずれリスクが高まるとの認識を示した。

ブレイナード氏は「引き締めサイクルにおけるある時点で、リスクは二面的な側面を強めるだろう」と指摘。「引き締めサイクルの迅速さとそのグローバルな性質、さらに金融環境引き締めの効果が総需要に行き渡る速さを巡る不透明感は、過度の引き締めに関連したリスクを生み出す」と述べた。

その一方で、「尚早に手を緩めるリスクを回避することは重要だ」とも述べた。

米地区連銀報告:将来の成長見通し総じて弱い-インフレは鈍化

  • 物価は高騰が続いているが、上昇ペースは鈍化-ベージュブック
  • 居住用不動産は軟化-住宅販売は全ての地区で減少

米連邦準備制度理事会(FRB)は7日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、物価高騰とタイトな労働市場が向こう1年間の米成長見通しに重しになったと指摘。一方で、物価の伸びについては鈍化の兆候が見られると指摘した。

ベージュブックでは「将来の経済成長見通しは引き続き総じて弱い。調査先は今後6カ月から12カ月に需要が一段と軟化すると予想している」と記された。ベージュブックは通常、連邦公開市場委員会(FOMC)会合の2週間前に公表される。

物価水準については「極めて高い状態が続いた」としながらも、9地区は物価上昇ペースがある程度鈍化したと報告した。12地区全てにおいて、特に食品価格と家賃、光熱費、ホスピタリティーサービス価格が大きく上昇した。

労働市場は引き続きタイトで、労働力不足が複数のセクターで重しとなった。これらに加えて、サプライチェーンの混乱継続が製造業活動を妨げた。賃金は全地区で上昇したが、7月初旬と比較すると伸びは鈍化した。

調査先はまた、居住用不動産の軟化を報告。住宅販売は全ての地区で減少した。金融当局の利上げも背景に、住宅ローンの30年物固定金利は6%を超え、ローン需要は落ち込んでいる。

コメント