米利上げ観測台頭と中国リスク後退で上昇トレンド再開

経済ニュース相場分析

ドルの動きを見極めたい

Bloombergニュースより

・今週のドル円は、中国恒大集団のデフォルト懸念と米長期金利の低下で109.12まで下落
・その後恒大集団が利払いを実施するとの報道からリスク回避ムードが後退
・FOMCのタカ派的内容からの米長期金利急上昇も加わり、週末にかけ110.79まで急伸
・ドル円109.10のサポートラインをボトムに反発に転じ、主要テクニカルポイントを上抜け地合い好転
・ファンダメンタルズも米金融政策の不透明感後退等ドル円上昇意識させる材料増える
来週の予想(USDJPY):109.50ー111.75

速報内容<ドル円相場>

今週のドル円相場(USDJPY)は、週初109.97で寄り付いた後、

  1. 中国の不動産大手チャイナ・エバーグランデ・グループ(中国恒大集団)を巡るデフォルト懸念(中国恒大集団は少なくとも2つの銀行に対して支払いが遅れたとの一部報道)
  2. 上記1を背景とした世界的なリスクオフ到来(リスク回避のドル買い圧力→クロス円急落→ドル円連れ安)
  3. 米金利低下に伴うドル売り圧力(安全資産の米債買い→米10年債利回りが一時1.29%へ急低下)
  4. 米FOMCを控えた警戒感が重石となり、週央にかけて、9/15以来、約1週間ぶり安値となる109.12まで下落しました。しかし、9/15に記録した直近安値109.11をバックに下げ渋る。
  5. 中国恒大集団の子会社である恒大地産による9/23の利払いを実施するとの一部報道(デフォルト懸念の後退)
  6. 上記5を背景としたリスク回避ムードの後退(株式市場持ち直し→リスク選好の円売り再開)
  7. 米FOMC(連邦公開市場委員会)におけるテーパリングの事前告知(声明文で資産購入ペースの減速が近いうちに正当化される可能性があると記載)
  8. 米利上げの前倒し観測
  9. パウエルFRB議長によるタカ派的な発言(テーパリングの終了は2022年半ば頃が適切となる可能性あり)
  10. 上記7.8.9.を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは1.46%へ急上昇)が支援材料となり、週末にかけて、8/11以来、約1ヵ月半ぶり高値となる110.79まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、110.74近辺で推移しております。

来週の見通し(9/27-10/1)

<ドル円相場>

テクニカル分析からはレンジ相場からの上放れを印象付けるチャート形状となりつつあります。

ファンダメンタルズは、11月のFOMCでテーパリング宣言と来年の利上げをスタートし中国恒大集団の懸念が幾分後退したこと、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。

来週の予想レンジ(USDJPY):109.50ー111.75

安めを狙わずチャートの動きをみてドル転していく

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