4/4米国株式市場は反落。米求人件数が21年5月以来の1000万割れ。

経済ニュース相場分析

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4/4(火)の株価

前日比(%)
日経平均28,287.42円+0.35
ダウ平均33,402.38ドル-0.59
S&P5004,100.60ドル-0.58
ナスダック12,126.33ドル-0.52
ラッセル20001,769.65ドル-1.81
米10年国債3.335-2.43
恐怖指数(VIX)19.00+0.45

4日の米国株式市場は、3指数共に反落。米求人件数が21年5月以来の1000万割れ。

4日の米国株式市場は、3指数共に反発。ナスダックは続落。

この日発表の2月の米求人件数が予想以上に減少したことで株式市場はネガティブな反応を見せている。2月の米求人件数は993万件と大幅に減少。1000万割れは2021年5月以来となった。

市場の年内の利下げ期待を追認する内容ではあるが、前日はISM製造業景気指数が予想以上に弱い内容で、米経済の軟化を示す指標が相次いだことから、金利の行方以上に、米実体経済の先行き不安感に市場の意識が傾いたのかもしれない。

あす以降も、金曜日の米雇用統計に向けて重要指標が幾つか発表される。市場はFRBがあと1回利上げを実施して、今回の利上げサイクルを一旦停止すると見ている。一方、FRBは否定しているが、市場では年内利下げ期待が根強くある状況。FRBと市場の見方に相違が見られる中、今週の指標がどちらの見方を裏付けるか注目される。

ただ、最近の株式市場は回復力を見せ始めており、持続的なインフレ、銀行危機、金利上昇、原油高に直面しても、前日の米株式市場は吸収していた。市場は原油価格の上昇が景気に与える影響により、FRBが積極利上げを続けることができないとの見方に傾斜している模様。

インフレ期待が後退し始め、中央銀行の利上げ停止が視野に入っていることが株式市場の最大の支えとなっているものと思われる。「市場を支えているのは、インフレに関する良いニュースと大いに関係がある。この良いニュースは中央銀行が利上げの一時停止および利下げに柔軟性を持つことを意味する」との声も出ている。

FRBが最大関心事であることに変わりはないが、関心は次第に決算に移っている。来週の米大手銀を皮切りに1-3月期の決算シーズンが始まるが、これまでに決算を発表しているS&P500企業15社のうち14社が予想を上回った。投資家は69%の企業しか予想を上回ることができなかった10-12月期の後、米企業の業績見通しが改善されるかどうか注目される。

米求人件数が2月に減少、2021年以来の1000万件割れ

  • 2月は993万件余り、エコノミスト全員の予想下回る
  • 特に減少したのはビジネスサービスや医療、増加したのは建設や娯楽

2月の米求人件数は2021年5月以来の低水準に減少した。労働力の需要が冷えてきたことが示唆されたが、米金融政策という観点では依然雇用市場はタイト過ぎることがうかがわれる。

2月の米求人件数は993万件余りに減少エコノミスト予想の中央値は1050万件全員の予想を下回った前月は1056万件(速報値1082万件)に下方修正

この統計は月間で大きく変動することがあるが、労働力の需給がバランスを取り戻しつつある兆候を示した。しかし賃金圧力の緩和につながるには、特にサービスセクターにおいてさらなる進展が必要とされる。インフレ率を目標の2%に下げたい米連邦公開市場委員会(FOMC)にとって、強さの残る雇用市場は依然大きなハードルとなっている。

全雇用者に占める自発的離職者の割合である離職率は、2.6%に小幅上昇。自発的離職者は約400万人に相当する。 

失業者1人に対する求人件数は1.67件に減少し、21年11月以来の少なさ。前月は約1.9件だった。新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となる前は、1.2件前後で推移していた。

ブルームバーグエコノミクスのエコノミスト、スチュアート・ポール氏は「労働力の需要は供給に近づいており、紛れもない労働市場の冷却が示された。緩みの大半は求人の減少によるもので、これでFOMCは賃金物価スパイラルの可能性をさほど懸念せずに済むはずだ」と述べた。

FOMCはこのレシオを注視しており、失業を急増させることなく、労働市場ひいてはインフレを抑制することができる根拠に、求人件数の高止まりを挙げている。

求人件数が特に減少したのはビジネスサービスや医療、社会支援、運輸、倉庫、公益事業など。増加したのは建設と娯楽エンターテインメントだった。雇用は軟化した一方、レイオフも減少した。

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