3/9米国株式市場は反落。雇用統計控え警戒感 銀行株が安い。

経済ニュース相場分析

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3/9(木)の株価

前日比(%)
日経平均28,623.15円+0.63
ダウ平均32,254.86ドル-1.66
S&P5003,918.32ドル-1.85
ナスダック11,338.35ドル-2.05
ラッセル20001,826.58ドル-2.81
米10年国債3.909-2.05
恐怖指数(VIX)22.61+3.50

9日の米国株式市場は、3指数共に反落。雇用統計控え警戒感 銀行株が安い。

9日の米国株式市場は、3指数共に反落。

取引開始前に発表の米新規失業保険申請件数が予想外に増加したことから、タイトな労働市場への警戒感が一服し、株式市場は買い優勢で始まった。しかし、明日の米雇用統計の結果待ちの雰囲気が強い中、依然として上値は重く下げに転じている。

その後、次第に銀行株を中心に下げ幅を加速させる展開となった。銀行株については、増資と有価証の売却に伴う損失を表明したSVBファイナンシャル<SIVB>や、存続に疑義が生じていたシルバーゲート・キャピタル<SI>が急落し、前半は他の地銀株にも売りが広がっていた。その流れが大手銀にも波及している。金融機関の資本に対する懸念が高まっているのかもしれない。

今週のパウエルFRB議長の議会証言で市場には、FRBに対するタカ派な雰囲気が広がっている。今月のFOMCでは0.50%の大幅利上げの確率を一時80%近くまで高め、ターミナルレート(最終到達点)の予想も5.50-5.75%に上方修正している状況。

パウエル議長は前日の下院での証言で、「利上げペースは決定していない」と前々日の上院での証言で急速に高また市場の期待にブレーキをかける言及をしていたが、市場のタカ派期待は高まったままとなっている。明日の米雇用統計も前回ほどではないが、堅調な雇用を示すのではとの見方も出ており、米株式市場を圧迫しているようだ。

ただ、この日の米新規失業保険申請件数への反応を見て、明日の米雇用統計や来週の米消費者物価指数(CPI)の内容次第では早期に修正される可能性もあるとの指摘が出ている。

市場からは「労働市場の緩和とインフレ鈍化を確認し始めたら、FRBは一旦利上げを停止するだろう。ただ、その後もFRBは金利を高止まりさせ、市場からインフレ期待を後退させようとするだろう。経済が減速したり、景気後退に陥ったりしても、金利は制限的なままなので、市場にとってはさらに不利になる」とのコメントも出ている。

米失業保険申請、予想以上に増加-NYとカリフォルニアで急増

  • 新規失業保険申請件数は2.1万件増の21.1万件、市場予想19.5万件
  • 継続受給者も増加、6.9万人増は2021年11月以来の大幅な伸び

先週の米新規失業保険申請件数は市場予想を上回る伸びとなり、昨年12月以来の高水準となった。特にニューヨーク、カリフォルニア両州で申請件数が急激に増えた。労働市場は依然として逼迫(ひっぱく)しているが、ある程度の軟化が示唆された。

新規失業保険申請件数(3月4日終了週)は2万1000件増の21万1000件調査対象となったエコノミストの予想全てを上回る予想中央値は19万5000件前週は19万件失業保険の継続受給者数(2月25日終了週)は171万8000人に増加ブルームバーグがまとめた予想中央値は166万人前週は164万9000人(速報値165万5000人)に修正前週比で6万9000人増は2021年11月以来の大幅な伸び

変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は19万7000件に増加し、1月以来の高水準。

季節調整前ベースの申請件数は3万5000件余り増えて23万7513件。増加分の4分の3をカリフォルニアとニューヨークが占めた。中西部とカリフォルニアを襲った悪天候が影響した可能性がある。

サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は、ニューヨーク市の学校職員(バス運転手や清掃員)が学校の休み期間は失業手当を申請できるよう交渉し、それが労働契約に盛り込まれたことも申請件数の増加につながった可能性があると指摘した。

スタンレー氏は「今週発表分はニューヨーク市の学校の休みによって押し上げられた」とリポートで指摘した。

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