2/14米国株式市場はまちまち、CPIで米利上げ見通し変わらず。

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2/14(火)の株価

前日比(%)
日経平均27,602.77円+0.64
ダウ平均34,089.27ドル-0.46
S&P5004,136.13ドル-0.03
ナスダック11,960.15ドル+0.57
ラッセル20001,939.91ドル-0.06
米10年国債3.749+1.13
恐怖指数(VIX)18.91-1.43

14日の米国株式市場は、まちまち、CPIで米利上げ見通し変わらず。

14日の米国株式市場は、ナスダック指数はプラス圏内。ダウ平均とS&P500指数はマイナス圏内の展開となった。

取引開始前に発表の米消費者物価指数(CPI)を受けて、市場にはタカ派な雰囲気が広がった。

米CPIはほぼ予想通りではあったものの、持続的インフレを示す内容ではあった。パウエルFRB議長が注目する住居費を除いたコアサービスのインフレ、いわゆる「スーパーコア」も伸びは緩かったものの有意義な低下までは見られておらず、先日の米雇用統計後のタカ派なFRBを正当化する内容との受けとめのようだ。

米CPIを受け短期金融市場は3月に続き、5月も0.25%の利上げ期待が高まっているほか、6月利上げの可能性も視野に入れ始めている。また、年内利下げ期待も後退している。

ただ、米CPI発表後に伝わったハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の発言は「われわれはまだ仕事が終わっていないが、恐らく金利は十分抑制的な領域に近づいている」と述べていた。市場の一部からは、FRBは発表前とスタンスはそれほど変化はないのではとの見方も出ているようだ。

米CPI、前年比6.4%上昇-予想上回り一段の利上げ観測強める

  • 総合CPIは前月比0.5%上昇、3カ月ぶりの大幅な伸び
  • 中古車価格は7カ月連続で下落、エネルギー価格は3カ月ぶり上昇

1月の米消費者物価指数(CPI)は大幅に上昇し、インフレ圧力の継続を示唆した。これにより、米金融当局は政策金利を想定していたよりも高い水準に引き上げる可能性がある。前月比の伸びはエネルギーと住居費が主導し、3カ月ぶりの大幅上昇となった。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比で0.4%、前年同月比では5.6%それぞれ上昇した。エコノミストは基調的なインフレ動向を見る上で総合CPIよりコアCPIを重視している。

総合CPIは前月比0.5%上昇市場予想と一致前月は0.1%上昇(速報値0.1%低下)に上方修正前年同月比では6.4%上昇、市場予想6.2%上昇前月は6.5%上昇コアCPIは前月比0.4%上昇市場予想と一致前月は0.4%上昇(速報値0.3%上昇)に上方修正前年同月比では5.6%上昇、予想5.5%上昇前月は5.7%上昇

前年比の伸びは総合、コアともに予想を上回ったが、減速スピードはここ数カ月よりも格段に落ちた。米金融当局は個人消費支出(PCE)価格指数の前年比2%上昇をインフレ目標としている。

サンタンデールUSキャピタル・マーケッツのチーフ米国エコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は中古車価格と航空運賃の低下を挙げ、「もっと悪い内容になる可能性もあった」と指摘したが、「住居費がこれまでのように急速に上昇を続ける限り、米金融当局が望むような水準近くにインフレ率を押し下げるのは困難だろう」と述べた。

1月のCPI統計は、予想を大幅に上回った雇用統計と底堅い個人消費の兆候と併せ、金融当局の積極的な政策にもかかわらず、景気が粘り強く物価上昇圧力が続いていることを浮き彫りにしている。追加利上げと金利を当面高く維持する必要性を強調した金融当局者の見解を今回のCPIは裏付けており、政策金利の最終到達点は従来考えられていたよりも高くなる可能性がある。

物価安定への道のりは長く多難となりそうだ。ここ数カ月に総合インフレを押し下げてきた財のディスインフレ兆候は勢いを失いつつあり、労働市場の強さは引き続き賃金の伸びとサービス価格にとって上振れリスクとなっている。

住居費

住居費は前月比の伸びの半分近くを占め、群を抜いて最大の寄与度となっている。ここ数カ月のディスインフレの流れで主要な役割を果たしている中古車価格は7カ月連続で下落。エネルギー価格は3カ月ぶりに上昇した。

サービス分野で最大の寄与度を誇り、総合CPIの約3分の1を占める住居費は前月比0.7%上昇。帰属家賃と家賃は共に前月比0.7%上昇し、ホテル宿泊費も上昇した。住居費用は算出方法の関係からリアルタイムのデータよりも大幅に遅行する。

米消費者の支出傾向をより的確に反映させるため、1月の統計から新たな加重方法が採用され、住居関連は全体のCPIに占める割合が一段と大きくなった一方、中古車の比率は下がった。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン、イライザ・ウィンガー両氏は「1月のCPI統計は主要な財部門のディスインフレの流れが弱まっていることを示している。インフレ率が今年、3%未満に低下するなら、今後数カ月のディスインフレ要因はサービス分野から出てくるはずだが、今のところ期待できそうにない」と指摘した。

米国民は消費をサービスに一段とシフトしており、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を中心に金融当局は、根強いインフレ圧力の兆候としてエネルギーと住居を除いたサービスを注視している。

ブルームバーグの算出によると、住居を除くコアサービスは0.3%上昇と、前月からわずかに減速した。この分野は賃金が上昇の主な要因と考えられている。

医療費が前月比で記録的な低下を示し、コアサービスを圧迫した。医療費を除けば、サービスインフレは0.8%上昇と、昨年9月以来の大幅な伸びを示した。

力強い雇用市場がここ数カ月、賃金の伸びを下支えしているが、インフレ率は賃金上昇ペースを上回っている。この日発表された別の統計によると、1月の実質平均時給は前月比0.2%減少と、昨年6月以来の大幅な低下。前年同月比では1.8%減少した。

CPI統計で目立った項目としては、航空運賃の2.1%低下や、2.1%上昇し過去最大の伸びとなった処方箋薬がある。被服費は0.8%上昇と、2021年12月以来の大幅な伸びとなった。

食品とエネルギーを除く財の価格は、昨年8月以来の大幅な伸びとなった。12月までは3カ月連続で低下していた。

エコノミストはCPIが23年末までに急速に低下するとおおむね見込んでいるが、リセッション(景気後退)を伴うかどうかで予測は分かれている。その大部分は金融当局がどこまで利上げを進めるか次第だと言える。3月21-22日に開催される次回連邦公開市場委員会(FOMC)会合までには、2月のCPIと雇用統計が発表される。

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