1/12米国株式市場は続伸。米CPIはインフレ鈍化を示し、利上げペース縮小期待が強まる。

経済ニュース相場分析

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1/12(木)の株価

前日比(%)
日経平均26,449.00円+0.01
ダウ平均34,189.97ドル+0.64
S&P5003,983.17ドル+0.34
ナスダック11,001.10ドル+0.64
ラッセル20001,876.06ドル+1.74
米10年国債3.444-2.85
恐怖指数(VIX)18.83-2.26

12日の米国株式市場は、3指数共に続伸。米CPIはインフレ鈍化を示し、利上げペース縮小期待が強まる

12日の米国株式市場は、3指数共に続伸。

取引開始前に発表になった米消費者物価指数(CPI)は予想通りにインフレの鈍化傾向を示した。次回FOMCでの0.25%ポイントの通常利上げを市場が確信する内容となっている。

しかし、米株式市場の一部には、今回の米CPIは予想以上に低下し、早期の利上げ停止および、年内の利下げを期待させるような内容になるのとの観測もあったようだ。そのため、好ましいものの若干物足りないとの印象もあり、数字を受けた米株式市場は方向性を見出すのに苦労している模様。

市場からは、「押し目買いの流れは今後数週間は維持されるだろう。しかし、本日の米CPIだけでは楽観派が必要とする、あるいはFRBが必要とするカタリストにはならない」との声も出ていた。

しかし、昨年までの悲観的なムードは後退しており、リセッション(景気後退)もマイルドなものになるとの見方を強める中、株式市場は年始からの買い戻しの動きを継続している模様。

エネルギーや銀行、産業が上昇の一方、軟調に推移していたIT・ハイテク株にも買いが広がっている。

米CPI、伸び一段と鈍化-FRBにさらなる利上げペース減速の余地

  • 総合CPIは前月比0.1%低下、前年比では6.5%上昇に伸び鈍化
  • 次回FOMCにおける0.25ポイント利上げに道開く可能性も

昨年12月の米消費者物価指数(CPI)統計では、インフレの鈍化が続いていることが示された。物価上昇圧力がピークに達した兆候が増え、米金融当局としては次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げペースをさらに落とす余地が生まれた格好だ。

総合CPIは前月比0.1%低下-低下は2年半ぶり市場予想と一致前年同月比では6.5%上昇-2021年10月以降で最も低い伸び前月は7.1%上昇コアCPIは前月比0.3%上昇-前月は0.2%上昇市場予想と一致前年同月比では5.7%上昇-21年12月以来の低い伸び前月は6%上昇エコノミストらは、基調的なインフレ動向を見る上で総合CPIよりコアCPIを重視

今回のCPIに加え、過去数カ月でデータは市場予想を下回っており、そうした状況はインフレ鈍化のより一貫した兆候を示している。FOMCとしては、1月31-2月1日に開催する次回会合で利上げ幅を0.25ポイントに縮小する道が開ける可能性がある。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン氏は「12月のCPIがおおむね良好な内容だったことから、金融当局としては1月31-2月1日のFOMC会合で利上げ幅を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)へとさらに縮小する余地が生まれる。われわれはフェデラルファンド(FF)金利が3月に5%でピークに達し、年内は同水準で据え置かれると予想している」と記した。

サービス分野を中心に消費者の需要は根強く、タイトな労働市場環境も相まって物価上昇圧力が続く恐れもある。

サービス分野の最大項目で総合CPIの約3分の1を占める住居費は、前月比0.8%上昇と、11月から伸びが加速。家賃と帰属家賃は共に同じ上昇率。またホテル宿泊費は1.5%上昇。前月は低下していた。

同項目は算出方法の関係から、リアルタイムのデータに遅行する。通常生じる時間差を伴わずに米住宅賃貸市場の変化を捉えることを目指す新たな指数によると、家賃は低下し始めている。

ブルームバーグの算出によればエネルギーと家賃、帰属家賃を除いたベースでは、サービスの価格は前月比0.3%上昇。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする金融当局者らは、インフレの軌道を精査する上でこのベースでの価格動向に注目する重要性を強調している。

労働市場での需給不均衡は根強く続いており、賃金の伸びと消費を下支えする格好となっている。CPIと別に発表された統計によれば、インフレ調整後の実質平均時給は12月に前月比0.4%増加と、過去5カ月で最大の伸び。前年同月比では1.7%減少した。

食品とエネルギーを除いたベースでは、財の価格は前月比0.3%低下。中古車の値下がりが目立った。ガソリンは9.4%低下し、労働省は総合CPI低下に特に大きく寄与したと説明した。

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