12/2米国株式市場は、S&P500小幅安、雇用統計受けた売り一巡

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12/2(金)の株価

前日比(%)
日経平均27,777.90円-1.59
ダウ平均34,429.88ドル+0.10
S&P5004,071.70ドル-0.12
ナスダック11,461.50ドル-0.18
ラッセル20001,892.83ドル+0.58
米10年国債3.490-1.38
恐怖指数(VIX)19.06-0.78

2日の米国株式市場は、S&P500小幅安、雇用統計受けた売り一巡

2日の米国株式市場は、ダウ平均はプラス圏、S&P500とナスダックはマイナス圏で終了する。

買戻しの明確な材料は見当たらないが、米雇用統計を受けて短期金融市場では、ターミナルレート(最終到達点)の織り込みは前日の5.00%以下から5.00ー5.25%水準に上昇させている。しかし、12月FOMCでの0.50%ポイント利上げの見方までは変えておらず、75%程度の確率を維持している状況。

来年にかけて米労働市場は悪化が確実視されている中で、本日の数字は労働市場の強さのピークを示しているとの声も聞かれる。米大手銀からは、来年に見込まれる失業者急増に備えるべきとの声も出ていた。

米雇用統計については、非農業部門雇用者数(NFP)は26.3万人増と予想(20万人増)を上回ったほか、失業率も3.7%と前回と変わらずに歴史的な低水準が続いている。平均時給も前月比0.6%の上昇と予想(0.3%上昇)の2倍の上昇となった。インフレ抑制を目指すFRBにとって労働需要は依然としてタイトであることが示された。

米雇用者数は予想上回る伸び、平均時給は加速-金融当局に圧力

  • 11月の非農業部門雇用者数、26万3000人増-予想20万人増
  • 平均時給は前月比0.6%増、今年1月以来の大幅増加

11月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は市場予想を上回る増加となり、賃金は前月に比べて伸びが加速した。インフレ圧力の根強さが示された格好で、米金融当局が政策金利を一段と引き上げる可能性が高まった。

非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比26万3000人増ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は20万人増前月は28万4000人増(速報値26万1000人増)に上方修正家計調査に基づく11月の失業率は3.7%市場予想3.7%前月も3.7%

平均時給は前月比0.6%増と、市場予想の2倍の伸び。今年1月以来の大きな増加率だった。10月分も0.5%増(速報値0.4%増)に上方修正された。11月は前年同月比では5.1%増加。市場予想は4.6%増、10月は4.9%増(速報値4.7%増)に同じく上方修正された。

生産部門・非管理職の賃金は前月比0.7%増と、約1年ぶりの高い伸びとなった。

みずほのエコノミスト、アレックス・ペレ氏らは「今回の統計の要点は、労働市場が依然として極めてタイトで、非常にゆっくりとしたペースで緩和しているに過ぎないということだ」とリポートで指摘。「景気は底堅く、一段の利上げや景気抑制策の長期化に対応可能であることを示唆している」と記した。  

11月の雇用者数は娯楽・ホスピタリティーやヘルスケア、政府部門などで特に増加した。一方、小売りや運輸・倉庫などでは雇用が減少した。

予想を上回る雇用者数の伸びは、金利が上昇しリセッション(景気後退)懸念が高まっている中でも雇用市場の強さが続いていることを示す。労働需給のミスマッチがなかなか解消されない状況は、賃金上昇を引き続き下支えしている。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト、アナ・ウォン、イライザ・ウィンガー両氏は「平均時給の伸び加速は、労働者不足が依然としてインフレ圧力を強めていることを示す」と分析。「労働市場の調整が緩慢であることを踏まえると、米金融当局は9月のドット・プロット(金利予測分布図)で示したターミナルレートの予測を引き上げざるを得ない公算が大きい」と指摘した。

労働参加率は62.1%に若干低下し、4カ月ぶりの低水準。25歳から54歳までの労働参加率は3カ月連続で低下した。女性の参加率低下が目立った。

週平均労働時間は6月以降で初めて減少した。

今回の雇用統計は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合前に入手できるものとしては、最後のデータ。

米国債利回り急上昇、堅調な雇用統計でピーク金利見通し跳ね上がる

  • ピーク金利の見通しは統計発表前と比べ10bp余り上昇、OIS示唆
  • パウエル氏発言後の米国債上昇、「市場が誤った」-アメリベット

11月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数、賃金ともに伸びが市場予想を上回った。この発表後、市場が見込む来年のピーク金利は大きく跳ね上がり、米国債利回りも上昇した。

米国債は売られ、2年債利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い4.41%に達した。10年債利回りは13bp上昇して3.63%。連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表日とリンクしたオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)が示唆するピーク金利は、雇用統計発表前と比べて10bp余り高い4.98%に上昇した。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げペース減速を示唆して以降の2日間で大きく上げていた米国債市場にとって、雇用統計の内容は予想外だった。2年債利回りは11月30日、パウエル議長の発言前に4.54%を付けていたが、その後に急低下。2日の雇用統計発表前の時点で4.20%を下回り、10月初め以来の水準にあった。

アメリベット・セキュリティーズの米金利トレーディング・戦略責任者、グレゴリー・ファラネロ氏は「市場の値動きは誤っていた」と指摘。「米金融当局は今月、政策金利を0.5ポイント引き上げ、2年債利回りは恐らく4.75%近辺になるだろう」と予想した。パウエル議長の発言に対する反応は「利上げ減速の期待が行き過ぎた」との見方を示した。

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