11/1米国株式市場は下落。強い雇用指標受け利上げ減速期待弱まる。

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11/1(火)の株価

前日比(%)
日経平均27,678.92円+0.33
ダウ平均32,653.20ドル-0.24
S&P5003,856.10ドル-0.41
ナスダック10,890.84ドル-0.89
ラッセル20001,851.38ドル+0.25
米10年国債4.054-0.05
恐怖指数(VIX)25.81-0.07

1日の米国株式市場は3指数共に下落。強い雇用指標受け利上げ減速期待弱まる。

1日の米国株式市場は、3指数共に続落。

今日からFOMCが始まり、明日に結果が発表される。そして、中国が国境再開を評価する委員会を設置するという観測がSNS上で流れた。中国外務省は否定しているが、市場は中国の国境再開を期待しているようだ。

しかし、この日の米経済指標を受けて、戻り売りが一気に強まり下げに転じている。10月のISM製造業景気指数は50.2と予想範囲内だったものの、景気判断基準の50はかろうじて維持した。仕入価格が50を下回っており、インフレ低下への期待を示唆する内容ではあった。一方、同時刻に発表になった9月の米求人件数が予想外の増加を示したことに市場は敏感に反応した模様。引き続き労働市場のひっ迫を示し、FRBのフラストレーションが溜まりそうな内容ではあった。

今回のFOMCは0.75%ポイントの利上げが確実視されている。しかし、そのこと自体は織り込み済みで、注目はパウエル議長が利上げペースについてどういった見解示して来るか注目されている。直近の市場は、FRBはタカ派姿勢を和らげるとの期待が失望を誘うIT大手の決算を相殺している。市場からは、0.75%ポイントの利上げを実施したとしても、パウエル議長の会見などで、今後タカ派姿勢を和らげる可能性を示唆すれば、株価は急回復の余地があるとの声も出ている。

市場の一部からは、今回は0.75%ポイントではなく、0.50%ポイントに利上げペースを落とすのではとの声まで出ているようだ。しかし、その可能性はさすがに低い。FRBはこれまで、発言などを通じて事前に市場に織り込ませ、発表当日のサプライズは起こさないことが通例。いずれにしろ、明日の結果待ちの雰囲気となっている。

米求人件数、9月は予想外に増加-大幅利上げ維持の可能性高まる

  • 求人件数1072万件、予想は975万件への減少だった-前月も上方修正
  • 失業者1人に対する求人件数、約1.9件-前月の約1.7件から増加

9月の米求人件数は市場予想に反して増加。失業率が低水準にとどまる中、一段の賃金上昇につながる公算が大きい。米金融当局にとっては、インフレ抑制に向けた積極的な引き締め策を継続するよう求める圧力が強まった格好だ。

求人件数は前月比43万7000件増の1072万件ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は975万件への減少前月は1028万件(速報値1005万3000件)に上方修正

求人件数の予想外の増加は、経済への向かい風が強まる中でも労働者に対する需要が弱まっていないことを示した。労働需給の不均衡はなかなか解消せず、それが賃金の力強い伸びを引き続き支えている。物価上昇圧力が広範囲に高まるとともに、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合でも大幅な追加利上げが行われるとの見方も強まった。

インディード・ハイヤリング・ラボの経済調査責任者ニック・バンカー氏は、速報段階で1年2カ月ぶりの低水準となった8月の米求人件数には「驚きがあった」とした上で、「9月のデータはなじみのある内容に戻った。労働者への需要は依然として力強い」とリポートで指摘。「今回の統計のあらゆる主要な指標は、労働市場の堅調さを示している」と分析した。

業種別で9月に求人件数が特に増えたのは、宿泊とフードサービス、ヘルスケア、運輸・倉庫・公益。

失業者1人に対する求人件数は約1.9件と、前月の約1.7件から増加した。米金融当局は金融政策を判断する上で、この数字に注目している。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「景気の勢いが鈍化している明確な兆しがあるのに、9月の求人件数は減少しなかった。労働市場の過熱抑制を目指している米金融当局にとって、情勢は複雑になった」と述べた。

離職者数は約410万人で、前月から若干減少。全雇用者に占める自発的離職者の割合である離職率は2.7%で、前月と同じだった。

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