10/27米国株式市場はナスダックとS&P500続落。企業決算まちまち

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

10/27(木)の株価

前日比(%)
日経平均27,345.24円-0.32
ダウ平均32,033.28ドル+0.61
S&P5003,807.30ドル-0.61
ナスダック10,792.67ドル-1.63
ラッセル20001,806.32ドル+0.11
米10年国債3.917-2.20
恐怖指数(VIX)27.39+0.11

27日の米国株式市場はナスダックとS&P500続落。企業決算まちまち

27日の米国株式市場は、ダウ平均は5日続伸、S&P500とナスダック指数は続落。

取引開始前に発表になった第3四半期の米GDP速報値が予想を上回ったことも、ポジティブに捉えられている模様。インフレの進行を示唆する内容ではあるが、景気後退への懸念を和らげている。

インフレについても若干良い知らせがあった。消費者行動の変化を反映して調整される生活費指標であるGDPデフレータが4.1%と予想を大きく下回った。また、FRBが参照しているPCEデフレータの総合指数も4.2%と第2四半期の7.3%から大きく低下した。インフレ低下を示すデータを探していた市場関係者に希望を与えたとの声も出ている。

「この日のGDPはリスク資産にとってゴルディロックス的な数字だった。これはインフレの最悪期が過ぎ去った可能性を示すもう一つのサインだ」との指摘も出ている。

決算もメタ・プラットフォームズ<META>は冴えない決算で大幅安となっているものの、その他のキャタピラー<CAT>やマクドナルド<MCD>、メルク<MRK>は堅調な内容となっている。きょうの引け後にはアマゾン<AMZN>とアップル<AAPL>が発表を予定。IT・ハイテク株の決算は市場の期待通りに弱い内容となっているが、全体相場への波及は限定的となっている。

米GDP7-9月は予想上回る2.6%増、成長取り戻す-消費堅調

  • 7-9月速報値、前期比年率2.6%増-市場予想2.4%増
  • 個人消費は1.4%増、市場予想1%増-住宅はマイナス寄与大きく

米経済は7-9月(第3四半期)、個人消費と設備投資が堅調さを示したことなどを受け、3四半期ぶりにプラス成長となった。ただ、インフレと金利上昇を背景に、向こう数カ月の経済成長は不安定となる可能性がある。

7-9月の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.6%増ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は2.4%増4-6月(第2四半期)は0.6%減

7-9月は米経済の最大部分を占める個人消費が1.4%増え、市場予想(1%増)を上回った。ただ4-6月(2%増)に比べると伸びは鈍化した。サービス支出は2.8%増。一方、財への支出は1.2%減少し、3四半期連続のマイナスとなった。 

設備投資は3.7%増加。機器と知的財産がけん引する形で力強く拡大した。

GDPから純輸出と在庫を除いた実質国内最終需要は前期比年率0.5%増。基調的な需要の強さを測る同指標は、新型コロナ禍が始まって以降で最も低い伸びの一つとなった。 

個人消費はサービス分野への支出が全体を押し上げた格好。政府支出も増加した。GDPへの寄与度が最大だったのは純輸出(プラス2.77ポイント)で、住宅投資はマイナス寄与の度合いが大きかった。在庫もマイナス寄与となった。

家計がいつまで持ちこたえられるかは不透明だ。インフレ抑制に向けた金融当局の取り組みは、消費拡大には向かい風となる。住宅ローン金利は約20年ぶりの高水準まで上昇し、住宅市場は急激に悪化の様相を示している。多くのエコノミストは、金融当局の行動により米経済は今後1年でリセッション(景気後退)に陥ると予想している。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アンドルー・ハスビー、イライザ・ウィンガー両氏は「米金融当局は7-9月に弱まった要素について、金融引き締め策の意図した結果だと見なす公算が大きい。引き締めサイクルを今すぐに後退させる理由とはみないだろう」と分析した。

米金融当局が注目するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数は、7-9月に年率4.2%上昇。2020年10-12月(第4四半期)以来の低い伸びにとどまった。食品とエネルギーを除くコアのPCE価格指数は4.5%上昇した。

住宅投資は年率26.4%減少と、コロナ禍後で最大の落ち込み。住宅ローン金利の急上昇が住宅需要を損なっている状況を浮き彫りにした。 

米アマゾン10-12月売上高見通し、市場予想下回る-株価急落

米アマゾン・ドット・コムが27日に示した10-12月(第4四半期)売上高見通しはアナリスト予想を下回った。経済の先行き不透明で消費者は支出を控え、アマゾンは事業の伸び鈍化に直面している。同社の株価は米株式市場の時間外取引で一時約20%下げた。

同社の発表によると、ホリデーシーズンを含む10-12月期の売上高見通しは1400億-1480億ドル(約20兆4700億-21兆6500億円)。アナリスト予想平均は1560億ドルだった。

7-9月(第3四半期)売上高は前年同期比15%増の1271億ドルと、アナリスト予想(1276億ドル)を下回った。1株利益は28セント。前年同期は今年6月の1対20の株式分割の調整後で31セントだった。

キャタピラー、7-9月利益が予想上回る-世界的な景気減速かわす

  • 出荷増や値上げでインフレによるコスト増を相殺
  • 調整後1株利益3.95ドル-市場予想3.18ドル

鉱業・建設機械メーカー大手の米キャタピラーは機械販売が7-9月(第3四半期)に増加した。サプライチェーンの問題や原材料コストの高騰、世界的な景気減速を切り抜けた。

同社の発表によると、7-9月に機械の出荷が増加したほか、エンドマーケット全般で値上げしたことで、インフレによるコスト上昇分を十分補う格好となった。調整後利益は1株当たり3.95ドル。ブルームバーグがまとめたアナリスト24人の予想平均(3.18ドル)を上回った。

ただし、主要地域の一角であるアジア太平洋での建設関連売り上げはほぼ変わらずで、同地域では厳しい状況が続いていることが示唆された。

中国市場が同社にとって足かせになっている。新型コロナウイルス関連のロックダウン(都市封鎖)や建設活動の減速などが背景にある。

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