10/20米国株式市場は続落。積極利上げ継続巡る懸念で企業決算は堅調

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10/20(木)の株価

前日比(%)
日経平均27,006.96円-0.92
ダウ平均30,333.59ドル-0.30
S&P5003,665.78ドル-0.80
ナスダック10,614.84ドル-0.61
ラッセル20001,704.39ドル-1.24
米10年国債4.235+2.20
恐怖指数(VIX)29.98-0.78

20日の米国株式市場は3指数共に続落する。積極利上げ継続巡る懸念で企業決算は堅調

20日の米国株式市場は、3指数共に続落する。

インフレやFRBのタカ派姿勢、そして、リセッション(景気後退)への警戒感は変わらないものの、市場は足元の決算に焦点を合わせているようだ。

取引開始前までにテスラ<TSLA>やIBM<IBM>、AT&T<T>の決算が発表になっていたが、テスラはネガティブな反応を見せていたものの、IBMやAT&Tは好反応を見せている。決算が市場が警戒したほど悪くはないのではとの期待感も出ている模様。

ただ、高利回りの環境下で上昇を維持できるかどうかには懐疑的な見方が根強い中、次第に戻り売りに押される展開。市場からは、「中央銀行の引き締め期待は高まる一方で、今後も大きな上昇と下降が続くだろう。マクロ経済への逆風は依然として強く、中央銀行が金融を引き締めれば、業績にひびが入る可能性が高い。引き続き戻り待ちの売りのスタンスに変化はない」といった声も聞かれた。

米中古住宅販売が8カ月連続減、07年以来の長期低迷-金利上昇で

全米不動産業者協会(NAR)が発表した9月の中古住宅販売件数は、8カ月連続で減少した。住宅ローン金利の急上昇が市場に打撃を与えている様子が浮き彫りとなった。

中古住宅販売件数(季節調整済み、年率)は前月比1.5%減の471万戸2020年5月以来の低水準ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値(470万戸)にほぼ一致

8カ月連続の減少は、米住宅市場が崩壊し経済が「グレート・リセッション(大不況)」に陥った2007年以降で最長。今年はインフレ抑制に向けて金融当局が大幅利上げに踏み切ったのに伴い、住宅販売が急速に冷え込んでいる。

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表資料で「まだ底は打っていない」と指摘。手元のデータは住宅ローン金利の現行水準を反映していないことから、今後も数値の悪化が続く見通しだと述べた。

9月の中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比8.4%上昇し、38万4800ドル(約5760万円)。それでも今年3月以来の低水準となった。

中古住宅販売在庫は125万戸と前月から減少。販売に対する在庫比率は3.2カ月。1年前は2.4カ月だった。

9月は全米4地域のうち3地域で販売が減少した。南部は1.9%減少。ユン氏によると、ハリケーン「イアン」が襲来したフロリダ州の一部地域で落ち込みが目立った。西部は前月比で横ばいだったものの、前年同月比では約31%減少した。

円安加速、1990年以来の安値を再び更新-NY時間に150円25銭

  • 日本の当局による再度の円買い・ドル売り介入の可能性に警戒強まる
  • 投機による急激な変化は容認せず、緊張感持ち動向見ていくと財務相

ニューヨーク時間20日午後の外国為替市場で、円が再び1ドル=150円台に下げ、1990年以来32年ぶりの安値をまた更新した。日本当局による再度の円買い・ドル売り介入が入る可能性に警戒が強まっている。

ニューヨーク時間午後2時過ぎの円は1ドル=150円25銭まで下落した。

鈴木俊一財務相は日本時間の20日夕、円が150円台を付けたことを受け、「ボラティリティーに注目してそうした動きがある時には断固たる対応を取るという従来からの考えに変わりはない」とあらためて強調。その上で「投機による過度で急激な変化は容認できない」と述べるとともに、「これからも細かく緊張感持って動向をしっかりと見ていきたい」と語った。

神田真人財務官は同日夜、「一夜に大きくファンダメンタルズ自身が変わることがないとすれば、相場が大きく変動すること自体、危険信号だと考えざるを得ない」と財務省で記者団に話した。為替介入の原資は「無限にあると思っている」とも強調した。

150円台を付けた後は急速に切り返し、ロンドン時間午後0時30分の時点では前日比ほぼ変わらずの149円76銭。

INGの通貨ストラテジスト、フランチェスコ・ペソル氏は、「日本の当局にとっては難しい状況だ。150円またはその他の水準が許容できない一線だとのメッセージを発することは避けたいかもしれない。このような変動の激しい環境では、リスクを伴う動きだからだ」と指摘。「だが、150円を一気に上抜けるのを放置すれば、日本当局がそもそも避けようとしていた円安方向へのボラティリティー拡大となりかねない。今こそ介入せざるを得ないだろうと思う」と語った。

オプション市場は再度の円買い介入に市場が備えていることを示唆する。短期的な円反転に賭けるポジションが積み上がりつつある。

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