10/11米国株式市場は5日営業日続落。英中銀の緊急国債購入巡り不安広がる。

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10/11(火)の株価

前日比(%)
日経平均26,401.25円-2.64
ダウ平均29,239.19ドル+0.12
S&P5003,588.84ドル-0.65
ナスダック10,426.19ドル-1.10
ラッセル20001,692.91ドル+0.06
米10年国債3.945-0.15
恐怖指数(VIX)33.63+1.18

11日の米国株式市場S&P500とナスダック指数は5営業日続落。英中銀の緊急国債購入巡り不安広がる。

11日の米国株式市場はダウ平均はプラス圏内。S&P500とナスダック指数は5営業日続落となった。

リスク回避への意識が根強い中、ベイリー英中銀総裁の発言に米株式市場が敏感に反応している。

総裁は債券購入プログラムについて「週末までにわれわれは手を引く。市場への介入は一時的なものになる」などと述べていた。トラス政権の大型減税策で市場は英国の財政不安が強まっており、英国債市場は不安定な動きとなっているが、英中銀が緊急で買い支えし、市場を落ち着かせていた。英中銀は週末の14日を購入期限としていたが、なお、不安定な値動きを見せていることから、市場の一部からは延長があるのではとの期待も出ていた。

前半は、4日間の連敗でS&P500株価指数の時価総額は1兆6千億ドルも減少し、明日のFOMC議事録や木曜日の米消費者物価指数(CPI)を前にポジション調整も入っていた模様。

特に米CPIが大幅なインフレ低下を示さなければ、FRBは11月のFOMCで0.75%ポイントの大幅利上げを決めると見られている。一方、 先週の米雇用統計はFRBのタカ派姿勢を裏付ける内容となったが、米大手銀からは米CPIが予想を上回る強い数字であれば、株価指数はもう5%下落するとの予想も出ている。

IMFが世界のGDPを下方修正し、最悪期はこれからと警告していたが、株式市場も景気後退のリスクを根強く意識しているようだ。また、今週末の米大手銀を皮切りに、第3四半期の決算が本格化して行くが、それへの警戒感も根強い。

IMF、23年世界成長率予想を下方修正-最悪期はこれから

  • 来年の世界成長率は2.7%に減速へ-世界経済見通し
  • 世界経済の3分の1は来年縮小の恐れ、政策の計算ミスのリスク上昇

国際通貨基金(IMF)は11日、世界経済見通しの悪化を警告した。数十年ぶりの高インフレを抑制する取り組みが、ロシアによるウクライナ侵攻や中国の景気減速に伴うダメージを深める可能性を浮き彫りにした。

IMFはこの日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、政策の計算ミスのリスクは急上昇しており、成長は依然として脆弱(ぜいじゃく)で、市場はストレスの兆候を見せていると指摘。世界経済の約3分の1は、来年縮小する恐れがあると予想し、米国と欧州連合(EU)、中国は失速が続くとの見方を示した。

IMFは来年の世界成長率予想を2.7%とし、7月時点の2.9%や1月時点の3.8%から下方修正。成長率が2%を下回る水準に減速する確率は25%と試算した。

米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めの影響は世界的に波及するとし、新興国通貨に対するドルの上昇はインフレ高進や債務への圧力につながると予想した。

2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による異例の景気減速を除けば、世界金融危機の後の2009年以来最低の成長率になる見通し。

IMFのチーフエコノミスト、ピエールオリビエ・グランシャ氏は序文で「最悪期はこれからだ。2023年はリセッション(景気後退)のように感じる人が多いだろう」と予想。「暗雲が立ちこめる中、政策当局者はしっかりとした手段を続ける必要がある」と述べた。

ワシントンではIMFと世界銀行の年次総会が開幕した。IMFのゲオルギエワ専務理事は10日、米国の借り入れコスト上昇が「影響を及ぼし始めている」と指摘。世銀のマルパス総裁は世界的なリセッションの「現実的危険性」があると警告した。

IMFは根強い物価圧力の中で中銀による過度の対応よりも過小な対応のリスクが高いと認識している。対応に失敗すれば中銀の信頼性を損ないかねず、物価抑制のための最終的コストは高まる一方になる。

IMF予測では、インフレ率は今年終盤にピークの年率8.8%に達し、従来予想より長期にわたって高止まりする見通し。来年は6.5%にとどまり、24年までには4.1%に鈍化するという。

今年の世界経済については、IMFは3.2%成長と予想し、7月時点から据え置いたが、ウクライナ侵攻前の1月時点の4.4%成長からは下方修正した。プーチン大統領が命じた侵攻により、食糧や燃料の流通が混乱し、世界的にインフレが悪化している。

ユーロ圏経済の23年成長率は0.5%にとどまる見通し。

米国の23年成長率は1%と予想し、前回から据え置き。今年の見通しは7月時点の2.3%から1.6%に下方修正した。

日本の22年成長率予想は1.7%に据え置いた一方、23年は1.6%とした。

先進国の来年の成長率は1.1%に対し、新興国・途上国の成長率は3.7%と予想した。

インドの成長率は来年、世界の主要国で最高の6.1%となる見通し。中国については4.4%成長を見込む。  

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